札幌天文同好会会報                        No.139 2002年 冬号


              


           
                 25個のしし座流星が写っている(写真データは14ページ)
                      札幌天文同好会 Sapporo Astronomy Club


                         目 次(No.139 2002年冬号)



    1.超新星と宇宙の膨張                 (後藤榮雄)
    2.一番小さな粒子の種類について            (中山 正)
    3.2001.6.21アフリカ皆既日食              (大場輿志男)
    4.土星食の観測                    (生田 盛)
    5.土星食                       (西野 浩)
    6.土星食                       (中山 正)
    7.土星食の観測                    (柴田健一)
    8.今年の星見経歴書                  (中山 正)
    9.しし座流星群の速報                 (牛渡 聡)
    10.しし座流星群観望記                 (越後恵子)
    11.’01しし座流星群の観測                (柴田健一)
    12.’01しし座流星群オリエンテーション         (柴田健一)
    13.第7回北海道地区流星観測者会
             「定山渓冬の陣」開催のお知らせ   (柴田健一)
    14.B. Murray博士に同行して              (牛渡 聡)
    15.2001年ムーンライトウオッチング           (西野 浩)
    16.ムーンライトウオッチングの楽しみ方         (中山 正)
    17.福島基金を申請して                 (石塚宣充)
    18.2001年大忘年会開催                 (編 集 局)
    19.編集後記                      (柴田健一)










                  超新星と宇宙の膨脹

                                            後藤榮雄

 最近の天体観測は、高分解能を誇るハッブル宇宙望遠鏡(以下「HST」という)や「すばる」等大口径の光学赤外線望遠鏡、ミリ波・サブミリ波電波望遠鏡と電波干渉計、X線・ガンマ線観測衛星等が活躍し、観測も波長が長い電波から短いガンマ線まで全ての電磁波を使って行なわれている。これらによって、かっては見ることが出来なかった分子雲や輝き始める前の星をも観測出来るようになり、宇宙を見る眼は飛躍的に進歩した。

 宇宙は、見ることが出来ない小さな小さな種が今から100〜150億年前に突然膨張し始め、加速度的な膨脹のインフレーション宇宙と、ビッグバンで始まった超高温の火の玉宇宙を経て巨大化し、今も膨脹を続けている。宇宙の膨脹は、銀河系から遠く離れている銀河ほど速い速度で遠ざかっていることをウィルソン天文台のハッブルが発見し1929年に発表した。また実証がなかった火の玉宇宙も、1989年にアメリカが打ち上げた宇宙背景放射観測衛星COBEによって、その名残である2.73K放射とその10万分の1の揺らぎが観測されたことで確かないものとなった。

 宇宙の膨脹は「銀河の後退速度は我々から銀河までの距離に正比例する。」というハッブルの法則によると銀河系からの距離に比例して後退速度は速くなるとなっているが、銀河までの距離と後退速度の関係をプロットした図を見るとバラツキがあり、相関は良くない。これは銀河までの距離の測定に誤差があるためで、ハッブル定数は未だ確定されていない。

 銀河までの距離は、銀河に在るケフェイド型変光星の変更周期から求めた絶対等級と視等級との差から求められる※1が、この方法は距離2000万光年あたりが限度で、ハッブル定数の決め手となる億光年単位の遠距離の銀河には使えない。最近はスニャエフ・ゼルドビッチ効果を使って銀河団プラズマの視線方向の直径を観測して距離を求める方法も使われていて、これによるハッブル定数は 60〜70 km/sec/Mpcとなっている。

 これ等に対して、現在最も期待されているのが銀河の中に出現するTa型超新星を基準にする方法である。Ta型超新星は連星系で白色矮星になった主星に伴星から物質が流入し、その圧力で白色矮星内部の炭素が核融合反応を起こし、やがて制御不能となって爆発するもので、最も明るいときの絶対等級は−18等級から−20等級である。これくらい明るければ100億光年の遠距離でも基準星として使えるが、問題は最大光度の絶対等級に2等級(大部分は1等級程度という)の幅があることである。

 ところが、多数の観測データを検討した結果、Ta型超新星はピークが明るいものほど光度の減衰がゆっくりで、かつ増光を始めた頃の色指数が小さい(色が青い)ことが判かり、これによって最大光度のときの絶対等級を決定することが可能になった。最大光度の絶対等級が決まれば、後はケフェイド型周期変光星の場合と同様に、視等級との差から銀河までの距離を求めることが出来る。しかし問題が無いわけではない。超遠距離の銀河と銀河系の間に在る星間塵によって減光したり、赤化するとデータを誤認することになるが、今のところ赤化した超新星は見つかっていないという。

 近くの銀河に出現した多数のTa型超新星の観測データについて、最も明るくなったときの視等級(絶対等級の差を補正)と後退速度の対数の関係をプロットするとほぼ綺麗に直線上に並ぶ。ということは超新星までの距離と銀河の後退速度の関係も直線的になるということで、バラツキは従来の文献で見る関係図よりも遥かに小さい。1996年にセロ・トロロ・アメリカ大陸天文台のグループとハーバード大学のグループが銀河系に近く(z<0.1※2)距離が不明のTa型超新星を使って求めたハッブル定数は 63±6 km/sec/Mpc であった。この場合、超新星の距離は乙女座銀河団に出現したTa型超新星を基準とし、超新星が出現した銀河までの距離はHSTで観測したケフェイド型変光星の周期から求めている。

 遠距離の銀河についてみると、距離が数億光年から55億光年ほどまでの銀河に出現したTa型超新星の明るさは暗黒エネルギーが無いと仮定したときの理論値よりも暗いので、加速膨脹をしていると考えられており、銀河を加速させている暗黒エネルギーは真空エネルギーでないかといわれている。また、1997年にHSTで発見した最も遠いTa型超新星SN1997ff(距離約100億年、赤方偏移 z≒1.7 ※2 )についてみると、暗黒エネルギーが無いと仮定したときの理論値よりも明るいので膨脹速度は減速しているという。減速しているということは膨脹エネルギーよりも質量間に働く引力の方が勝っているということである。我々の宇宙が年齢(距離)によって、ハッブルの法則から外れて加速膨脹(エネルギー優勢)をしたり、減速膨脹(質量優勢)をしたりするのはどういう事なのか。現象としてその様に見うるだけかもしれない。Ta型超新星は進化していて、母体である白色矮星が誕生した時代によって最大光度が異なるとも考えられるが、超新星SN1997ffは遠距離のため観測誤差が大きいので、解明するにはもっと観測数を増やす必要があるという。このため赤方偏移が大きいTa型超新星を観測する口径2mの宇宙望遠鏡を打ち上げる計画もあるという。

 なお楕円銀河では渦巻銀河で見られるような明るいTa型超新星の出現は無いという。楕円銀河は銀河誕生後間もなく多数の星が一気に生まれたためガスが無くなり、その後新しい星が誕生しなくなったというから、楕円銀河内の白色矮星は質量が少なくて大規模な炭素爆発を起こせないのではと考えられている。

 謎を解くと、また新しい謎が現れて研究対象は尽きることがない。小さな人間の知識と智恵で宇宙の謎を何処まで解明出来るのか、今後が楽しみである。今、天文学が面白い。

 参考文献 科学、vol.71,No.8(2001)、岩波書店
  ※1 天体の視等級をm、絶対等級をMとし、 天体までの距離をd(pc[パーセク])とすると、の
      関係が成立する。
     m−M = 5 log10(d/10pc)
     これより、距離dは次式から求められる。
     d = 10pc×10(m−M)/5
 
  ※2 赤方偏移 (記号はz) とは高速で移動している天体から発射された電磁波の波長の相対的な変化量で、天体が静止しているときの波長をλ0、天体が移動しているときの波長をλとすると、z は次式で求められる。

     z =(λ−λ0)/λ0 
     また天体の移動速度をv、光速度をc とすると、赤方偏移 z は次式で表わされる。
      z = {(1+v/c)/(1−v/c)}1/2−1
     これから z≪1 のときは次式が導かれる。
     v/c ={(z+1)2−1}/{(z+1)2+1}

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               一番小さな粒子の種類について

                                                   中山 正

 今年一年、例会の司会を担当させていただきました。一年どうもありがとうございました。次回にはもっとスムーズな進行が行なえるように頑張りますのでその時は宜しくお願いします。
 7月から例会で毎月の「見て観てスケジュール」と一緒に配布しました“一番小さな粒子について”を例会に来られなかった方々にも読んでいただきたく掲載します。

一番小さな粒子の種類について T 
 ニュートリノに質量が確認された?
昔は質量ゼロとも考えられていたのですが。現在考えられている基本粒子はクォーク6種類(ダウン・アップ・チャーム・ストレンジ・トップ・ボトム)。レプトン6種類(電子ニュートリノ・電子・ミューニュートリノ・ミュー・タウニュートリノ・タウ)。たとえば、陽子はダウンクォーク1個とアップクォーク2個、中性子はダウンクォーク2個とアップクォーク1個、と考えられています。おおむね宇宙の物質は、電子とダウンクォークとアップクォークで構成されています。現在の宇宙では現象として四つの力が区別されて認識されています。私達にはそう見えるからです。(現在、もともとは一つの力しか存在しなっただろうと仮定し、それらを統一した理論を構築しょうとしています。)

 強い力   ⇒クォークに働く力 
 弱い力   ⇒レプトンに働く力   
 電磁気の力 ⇒原子核と原子に働く力
 重力    ⇒物に働く力
そして、さらにその力を伝えるための粒子が考えられています。
 強い力をやり取りするグルーオン粒子。
 弱い力をやり取りするW+ W- Z粒子 
 電磁気力をやり取りする光子。
 重力をやり取りする重力子。

 しかし、光子やW+ W- Z粒子は質量がゼロと理論的には考えられていますが、実験的にW+W-Z粒子には質量が確認されております。そこで新たにヒッグス粒子が空間に存在し、本来ゼロの粒子に質量を与えているのではないかと考える人が出てきました。また、超対称性理論という考え方があります。一つの粒子には、力を伝える粒子と物質をつくる粒子の二面性からなっているという考え方で、質量とエネルギーの矛盾を解決しょうとしています。確かに、光は波と粒子の両方の性質をもった光(量)子として現在は考えています。

 宇宙の誕生においても現在ビックバン宇宙理論が主流ですが、その中でも色々な考え方があります。 特異点の無から始まり、そこから時間と空間が区別されたという考え方や虚数時間という概念を導入し点と無から始まったのではなく、始まる前から時間と空間があり、エネルギーもあったと考える学説もあります。インフレーション理論によると、宇宙の始まりの後、真空エネルギ-の相転移の遅れ現象により、インフレーションが起こり、真空エネルギーが物質エネルギーに変化しビックバンが起こり、最初は粒子と反粒子の世界ができ、力は強い力が分化、次にクォークがつくられます。そして、陽子と中性子がつくられ、その中にクォークが閉じこめられ、弱い力が分化します。原子核がつくられ、このころやっと光が他の粒子に遮られることなく直進出来るようになり、宇宙の晴れ上がりとなります。電磁気の力がさらに分化し、電子とニュートリノが区別できるようになります。そして、より重い元素が生成され、天体が誕生します。そして重力が支配する時空で構成された現在の膨張宇宙になったと考えられています。

ビックバン宇宙の検証 
 @宇宙背景放射(3K)の観測
 Aセファイド型変光星などによる、宇宙の距離の測定とハップル定数の決定
 B宇宙創世期の粒子、ニュートリノや反電子・反陽子などの観測と実験により、質量・数の検証。
@、Aはおおむね検証済み。Bはこれから始まるところです。
 ★ある学者様が『私達が、今存在している宇宙の人である以上解答は解らないだろう』と発言しています。

一番小さな粒子の種類について U
 宇宙の場合、徐々に温度が下がり、何度かの真空の相転移が起こり宇宙の状態が変化しそのたびに力が分岐したと考えられています。

                  
                     図解雑学ビッグバン前田恵一監修
                        Newton 2000年 6月号より抜粋


現在このような図式が世界的に使用されております。
 現在考えられているのは、電磁気力と弱い力(現在検証済み)の統一に、さらに強い力を加えた大統一理論の検証が進められています。その先には重力をも含んだ新たな理論の構築が待っています。 前回触れていませんが、当会発行の「やさしい天文用語事典」にも各項目別に詳しく載っていますので合わせて読んでいただきたいと思います。
 宇宙の誕生と進化の考え方として、ジョージ・ガモフが生み出したビッグバン理論を補完するように色々な理論が提唱されています。現在、ビッグバン理論・インフレーション理論については世界中に受け入れられている理論です。
 その他にも 量子宇宙論や超ひも理論さらに、超対称性理論など関連する色々な書物が書店に並んでいます。各区の図書館や図書室にもいくつか並んでいます。買わなくても借りて読んで見て興味が出てきてから、購入してじっくり読み込んでみて下さい。結論が出ていない問題ですので、自分なりに色々な意見をミックスして、独自の見解を構築するのも楽しいですよ。
 そう考えながら星空を見てみると、同じ星空でも違った見え方がしてきますよ?
 ★ある学者様、アインシュタイン様になった 気分で星を観るのも楽しいかな!

一番小さな粒子の種類について V   
 2001年8月26日放送のNHK、150 億年の遺産 宇宙の未知への大紀行 Dはご覧になりましたか? 宇宙には水素からウランまで沢山の元素があり、そしてこの地球に生命が存在します。昔から、錬金術師が造ろうとして果たせなかった金もあります。その作り方(勿論、この宇宙での話ですが)いや、造られた過程を紹介しているのがこの番組です。
 ほとんどの恒星では、以下のような過程で鉄ピーク核を形成していきます。    
@水素燃焼(ヘリウムを生成)
Aヘリウム燃焼(炭素と酸素を生成)
B炭素燃焼(ネオンとマグネシウムを生成。酸素はまだ残っている)
Cネオン燃焼(酸素とマグネシウムを生成)
D酸素燃焼(マグネシウム、ケイ素、イオウ、アルゴン、カルシウムが生成) ← 必要な温度 2.3×109
Eケイ素燃焼でクロム、鉄、ニッケルが生成 → 鉄ピーク核 

 私達の太陽は、ヘリウム原子核を燃焼して止まります。その後、赤色巨星になると考えられてい
ます。実際に燃える水素の量は全体の一部分で約100億年かかって燃焼すると考えられています。太陽の8倍より重く12倍より軽い恒星は、炭素燃焼でネオン、マグネシウムが造られその後重力崩壊へ進みます。 太陽の12倍より重い恒星は、約4億Kでケイ素燃焼が始まり、50億Kで鉄ピーク核を形成し、核燃焼は終了します。その後、重力崩壊へと進みます。
 太陽の4倍以下の星は、惑星状星雲となり、コアは白色矮星として残ります。太陽の0.08倍より軽い星は水素燃焼温度に達せず、木星のような巨大惑星になります。また、太陽の 0.5倍より軽い星は水素燃焼後、ヘリウム核の温度がヘリウム燃焼温度に達せず、白色矮星となり、冷却してしまいます。
(岩波講座 宇宙物理 1995年版より引用)
                      
 鉄よりも重い元素は超新星爆発などで宇宙空間の星間ガスを圧縮して約60種類の元素が形成されます。カシオペアAでは、太陽系ほどの大きさの鉄やシリコンやカルシウムの塊の存在が確認されています。金は中性子星同士の衝突で生成されると考えられています。これらの元素を含んだチリやガスが太陽系に成長し生命が誕生したと考えられています。幾度となく星の爆発を繰り返して、沢山の元素が宇宙に生み出されていきます。
(2001年8月26日のNHK放送番組より)

 このメカニズムを明らかにしたのが、8月20日死去されたビッグバンの命名者フレッド・ホイル氏でした。彼の定常宇宙論があったからこそ、ビッグバン宇宙論がここまで構築され実験によって確認され、広く認められるようになったと言われております。ご冥福を祈りましょう。

一番小さな粒子の種類について W 
 電荷を持たない中性子・ニュートリノについて考えて見ましょう。
ニュートリノや中性子は電荷を持っていません。よって、宇宙空間を飛行する時に磁場の影響を受けないで、ストレートに飛んでこられます。さらに時間の遅れも出ません。どのソースから出てきた粒子かが特定することができる粒子なのです。例えば、ガンマ線バーストの場合は今観測しているものは、可視光の天文現象としては、奈良時代に起こったものというようなことになってしまいます。(電荷を持っている粒子の場合、数千万光年くらいの距離の天体からの陽子は、百年から千年の時間の遅れがでることがあります。)
 ニュートリノはほとんどのあらゆるものをすり抜け、めったなことでは他の粒子と反応しません。
 スーパーカミオカンデでは、純水五万トンを反応装置として使用し、低い確立の現象を圧倒的な物
量で対応すれば成功するという先例となりました。中性子は寿命が短く、900秒でベータ崩壊してしまいます。しかし、光速に近い速度で運動する物は時間が延びるという相対論効果によって寿命が三万年まで延びてしまいます。そのため銀河系であれば、光では見通しが悪く何が起こっているかよくわからない銀河中心を解明する情報を持っている可能性があります。ブラックホールが直接確認されるデータが得られるかもしれません。現在、この可能性を実行するための、テレスコープ・アレイという計画があります。3mの宇宙線望遠鏡を40台並べるというものです。ちなみに、テレスコープ・アレイではおよそ60億円程度で設置可能ですが、日本最大の加速器トリスタンは建設費に850億円かかり、電気代に毎年100億円規模の運転費をかけていました。
 宇宙線テレスコープ・アレイは、一兆トンの空気を反応装置として利用することになり、一年間に
10例程度のニュートリノ現象を観測できるだろうと考えられています。
(脳とビッグバン 生命の謎・宇宙の謎 100億年の旅3より引用)

一番小さな粒子の種類について X
 今回はブラックホールについて考えてみましょう。
地球上で物体を秒速11q以上の速度で投げると地球の重力圏を脱出して戻ってきません。仮に脱
出するのに光速度(秒速約30万q)以上の速度が必要なほど地球を重くした場合、地球は ブラックホールになってしまいます。地球を直径1万3000qから2p以下に押しつぶしてしまえば、ブラックホールの出来上りとなります。ブラックホールになるには、太陽の20〜40倍以上の大質量の星が、一生の最後に超新星爆発を起こす場合、電波銀河やクェーサーなどの活動銀河の中心核にある巨大ブラックホールと宇宙誕生初期のミニブラックホールなどが考えられています。現在、超新星爆発によるものは10個程度、銀河中心核にあるものは候補としては 20〜30個存在すると考えられていますが、確実なものは M106(1995年発見・距離 2300万光年・質量 太陽の3900万倍 確率99.5%)、我々の銀河中心部 (1997年発見・距離 3万光年・質量 太陽の260万倍 確率99.8%)そして、IC2560(2001年発見・距離8500万光年・質量 太陽の280万倍 確率99.2%)の3例です。
 
★2001年10月28日、NHKが放送した宇宙未知への大紀行Fブラックホールではほとんどの銀河の中心核で確認されたとされ、銀河形成期にブラックホール によって銀河形成が促進されたという理論が紹介されました。★

 2000年2月にIC2560で五円玉の形状の回転ガス円盤が国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡で発見されました。この電波を発している水蒸気分子の円盤の回転速度は時速150万q と計算されました。回転する円盤から出てくる電波のドップラー効果から、回転速度と加速度を求め、中心にある天体の質量が計算されました。円盤の半径は0.85光年・中心の穴の半径は0.22光年・円盤の内側の速度は秒速418qで外側は秒速213q・中心にある天体の質量は太陽の280万倍と解りました。このような状態で星が誕生した場合は、一億年で崩壊してしまうそうです。銀河の年齢を130億年として、これが星団である確率は1億年÷130億年で0.8%となり、残り99.2%がブラックホールの存在確率ということになります。
(2001年 Newton 10月号より要約転写)

 太陽質量の10倍の星を考えてみます。この星は10億年程の寿命を持ちます。星の中心部で核融合反応により、開放されたエネルギーは自らの重力でつぶれてしまうのを支えるのに十分な圧力を作り出します。この時の脱出速度はおよそ秒速1000qです。核燃料を使い切ってしまうと、外向きの圧力を維持できなくなり、重力のために崩壊し始めます。星が小さくつぶれるほど、星の表面の重力場は強くなり、脱出速度も大きくなっていきます。ブラックホール の境界のことを、事象の地平線といいます。星から出た光はシュバルツシルト半径 2GM/C2 の地点でとどまってしまい、この波面が境界に相当します。光が無限の彼方へ飛び出せない時空の領域です。そして、光でもこの 1.5倍の半径内に踏み込むと、中心に落ち込んでいってしまいます。太陽質量の10倍程度の質量の星の場合シュバルツシルト半径は30qになります。量子宇宙論によると、ブラックホールはやがて収縮をやめて、今度は蒸発へ向かうという考えを構築しています。
(1990年 ホーキングの最新宇宙論より)
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             2001.6.21
            アフリカ皆既日食

                          
大場輿志男

 シンガポール経由ヨハネスバーグケープタウンまで行ってから、現地ザンビアのルサカに入った。
乾期で当日は快晴。太陽光がピリピリするような、日食観測には最高の条件だった。
観測地:ザンビア・ルサカ 東経28度19分 南緯15度25分
予報時刻(現地時間 UT-2)
部分食始め   13:41:32      皆既始め     15:09:15
皆既終わり    15:12:34      部分食終わり   16:26:57
              
                 ビデオカメラ:ソニーDCR−TRV110K デジタルエイト方式
                 ND400フィルター2枚使用 焦点は無限遠 明るさは手動調整


 6月21日ザンビアのルサカで3分余りの皆既日食を見ることが出来た。今回は96年のタイ、99年のハンガリーに続いて同じ誠報社のツアーに参加した。16日に成田を発ち、シンガポール、ヨハネスバーグ、ケープタウンに寄り観光などしてから、観測地には20日に入った。途中でもすぐに日食ツアーと判る日本からの団体が目についた。ケープタウンではシグナルヒルの夜景ツアーに出かけた。港の夜景もさることながら、高く架かった南十字星に一同が感嘆して見入った。ちょうど接近中の火星が異様に明るかった。またシリウス・カノープス・アンターレスが一緒に眺められるとは思わなかった。       

 ザンビアは、あまり観光などで日本人は行かない場所だけに、空港からホテルまでの道、半砂漠の風景、歩いている人々に、はるばる1万5千キロのアフリカに来てしまったことを感じた。現地はすでに乾期に入っており、毎日ぬけるような快晴続きで、もちろん日食当日も朝から日差しがピリピと痛いような感じだった。各人とも泊まったホテルの庭で観測態勢を敷いて待った。    

 まず時間経過を述べておくと、13時42分に左下から大陽が欠け始め、15時09分〜12分が皆既、16時27分に太陽は元の形に戻った。皆既の前後にはダイアモンド・リングが輝き、筆舌にし難いほど美しいものであった。皆既の3分間、周りは満月の夜程度の暗さとなり、黒い太陽の周囲にコロナが輝き、その姿は異様とも、壮大に天空のドラマとも云えた。シャッターの音が響き、悲鳴に近い声が交差した。ホテルの従業員も全部出て騒然となった。皆既が終って少し経ってから、ホテルが用意したシャンペンを抜いて、誰とも構わず乾杯を交わした。旅行社の女性の一人が感動して目にハンカチを当てていた。           

 私はビデオカメラと三脚だけで、99年のハンガリーの時と装備はほとんど変わらないが、雲台に簡単な微動装置を付けた。皆既食のビデオも2度3度となると、部分食から皆既、皆既から部分食になる瞬間のフイルター( ND4002枚重ね)操作は落ち着いて出来たが、そんな事よりも、前日まで天気の心配が一番の重圧だった。曇られたら全ては水の泡となる。異常な雰囲気と興奮の3分余りが過ぎ、しばらくカメラを回していた。回りから人がぼつぼつホテル内に消えていった。半分ほど復円した頃、前後のダイヤモンドリングとコロナが撮れたことを確認し、そのテープはそこ迄としてカメラから抜き取り大事に持ち帰った。ヨハネスバーグに戻ってシンガポール経由で成田には24日に戻った。今回も夫婦旅行となったが、他では意外と同伴は少なかった。成田まで車で往復し、時間の関係で空港近くで前後泊したので、長時間の飛行の割にそう疲れずに済んだ。   
 皆既日食は1943.2.5札幌で見て以来6度目であるが、91年のハワイだけ曇られた。今回はその中で最もよい条件だったと思う。        

 誠報社の5班の全部90人余りが、ルサカの一つのホテルに集結したが、ただ日食を見るだけのお年寄りや同伴者も多かった。そして"日食おっかけ"のベテランもかなりおり、一眼レフ型デジカメによる作品やビデオを、もう夕食の場でご披露するに及び、機器とテクニックの進歩を見せつけられた。                   
 皆既日食はある特定の場所では、約400年に1度の珍現象とされている。しかし、今日は日食を追って世界中を駆けめぐる人もいる。とくに日本人は好きのようである。日食の様子は逐次メイルで流され、テレビでも放映されたようで、見聞きするチャンスも多かったと思われる。しかし、現地で見る皆既食のすばらしさは、写真やテレビでは再現出来ない。機会があったらぜひ直接に見て頂きたい。次回の条件のよい皆既食は、2002.12.4 再度南アフリカであるが、その皆既帯は日没寸前にオーストラリア南部にかかる。そして2006.3.29北アフリカで、2009.7.22は中国から琉球にかけてある。日本では2035.9.2に中心帯が富山−北関東を通るが、それまで気長に待ちますか?  

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           「土星食」の観測

                                    生田 盛

10月8日(木)未明にあった「土星食」(月が土星を隠す現象)ついて報告いたします。

 幸い快晴に恵まれ土星本体・リングの潜入・出現を全て観測(録画記録)することができました。
特に観測時間内のシーイングは最高度に安定しており、眼視でも今だかって経験したことが無いほど細部まで良く見えました。
 今回「土星食」は仙台以北で観測可能で、北海道は全域で見ることが出来ました。

1.観測方法
(1) 方法 ビデオカメラによる録画観測で、時刻 基準にはNTT時報を使用しました。
(2) 場所 札幌市西区琴似
     141.17.55.0E 43.04.26.4N H=30m

2.観測機材
(1)望遠鏡   :C14(35cm、F3910mm)
(2)ビデオカメラ :Sony TR3000(改修)
          HI-8方式 直焦点撮影
(3)赤道儀:恒星時運転  
(4)時刻:NTT時報を音声トラックに同時録音 

3.気象条件
シーイング:5/5 、透明度:4/5、
 気温:7度c雲量:1/20

4.潜入・出現    
(1)リング潜入開始時刻
  2001年10月8日 午前3時30分10秒
(2)リング出現完了時刻
  2001年10月8日 午前4時33分30秒                      
  時刻精度:現象読取誤差±0.4秒
  NTT時報・カウンター同期誤差±0.1秒
  総合誤差±0.5秒程度 :潜入読取り誤差より  出現読取り誤差は小さく(1/2以下)、且つ+側誤差となる。
  誤差要素:シーイングによる像の揺らぎ・肥
  大、本体縁の不明瞭     

5.潜入・出現 画像


      潜入1





      潜入2





      潜入3




      潜入4




     出現1 出現2 出現3





              土星食

                                  西野 浩

 8cmF8の屈折望遠鏡に初めて、ビデオカメラをつけて撮影しました。鏡筒が軽いので、ビデオカメラを取りつけると見る見るバランスが崩れていきました。
しかし、「ちょっと、やってみた」試し撮りにしては、まずまずでした。

                    
                           潜入直前 

               
                           出現中

              ビクセン8cmフローライト+GP赤道儀+FUJIX Hi8 コリメート法
               (編集子注:土星・月は3〜5枚、コンポジット合成してあります)





               土星食

                                 中山 正

 20時頃から晴れてはいるのですが、薄雲があったので移動を決意しました。厚田村望来の旧道駐車場にて、80mmセミアポにより全過程を眼視で観測しました。潜入前は月が明るく大きかったため、土星が暗く感じました。出現時は、暗闇の中から突然、土星の輪が突き出てくる感じに見えました。
 夏はペルセウス流星群の観測で賑わった観測場所ですが、一晩中私一人でした。

                      
                          2001年11月8日 4:31 厚田村望来
                      ペンタックスSP SMC200mm 2倍テレプラス
                            F4→F11 コダック G800




            土星食の観測  

                                 柴田健一


  2001年10月8日早朝、東北以北で土星食が観測されるので、ビデオ撮影を行った。
夜半前から絶好のコンディションに恵まれ、透明度・シーイングともに申し分のない秋晴れの一夜になった。準備が終了してから覗いた月と土星の美しさには、暫し見取れてしまった。しかし、潜入は月齢20.7の明縁側で始まったため、明るすぎて月の地形が見えない。月に刺さるように隠れた8月16日の木星食とは違い、土星は白い壁に隠されるようにしか見えなかった。潜入の瞬間よりも、土星が月に近づいて行く様子が楽しかった。

 土星出現時の空は、いつしか薄雲がかかって、透明感がない。夜明けが美しかった、木星食に及ばなかった。

         
       10cm屈折赤道儀(f=920mm)+XP24+BO5(CCD改造)+ビデオカメラ(LX−1)
               撮影場所:札幌市清田区里塚緑ヶ丘11丁目4-16(自宅前)
                 (E=141°28′42.1″ N=42°59′15.1″EL=80m)



           今年の星見経歴書

                                              中山 正

 今年は一年間、職務経歴書を携え各地を歩き回りましたが成果は・・・。
でも、おかげさまで、自由に星を観ることが出来ました。

 まず第一は、2001年8月15日初めての木星食を全過程眼視で楽しめました。
  観測場所 茨戸ス花川団地(北3条5丁目)
  最微光星  5.4等           
  天候     雲量 70% → 50%   
          シンチレーション    4/5     
          透明度      4/5     
眼視はアストロ光学製80pセミアポ屈折赤道儀 F7.5。写真撮影はペンタックスSP f=200o+テレプラス2倍で固
定撮影。フィルムはフジフィルムのスペリア-800。レコーダー不調のため時刻計測は実施していません 。宇宙の大きさを実感する天文ショーでした。

             
                    8月15日28時03分 出現直後の木星                        
             ペンタックスSP+200mmF4+2倍テレプラス1/2秒 フジ S800


                 
                         観測終了後の筆者

 次に2001年10月8日、土星食の眼視観望が出来たことです。観測場所は望来旧道のデートスポットの駐車場。
天候:雲量 50% シンチレーション 3/5 透明度 3/5
眼視は 80pセミアポ屈折赤道儀 F7.5を使用。 写真撮影はペンタックスSP f=200o+テレプラス2倍で固定撮影 フィルム コダック G-800。結露防止にフードをカイロで保温(木星食時は、カメラレンズが結露した)。
 この日は24時ころから望来地区の旧道駐車場にて待機し、観測準備を開始。途中薄雲が発生しましたが、現象中は月の周辺だけ晴れていました。車両の通行量もとても少なく風もなくのんびりと全過程眼視で確認しました。
 出現では暗やみの中から突然土星の輪が突き出てくるようで、何か生命力を実感しました。月と土星の明るさの差が大きく土星がかなり暗く見えましたが、土星もしっかり自己主張していました。固定撮影でも現象をフィルムに記録でき、月縁に飛び出る土星の輪の光芒は感無量です。

 流星観測では、2001年ペルセウス座流星群観測が実施出来ました。
 観測日は2001年8月11日・12日・13日で観測場所は、厚田村嶺泊の旧道駐車場です。観測方法は北極星を中心とした ペルセウス座からりゅう座まで、地平から天頂を眼視計数観測しました。出現時に時刻と群名と等級を手書きで記録。観測者は一人。
観測結果
8月11日 雲量3/10 透明度5/5 ユラギ度 5/5
最微光星 5.6等。 
24h22m〜27h00m ペルセウス群 33個 ハクチョウ群 9個
25h40m〜26h40m ペルセウス群 24個)
確認した全流星
  0等以上   3(2個は痕有り)個
  1等     18個
  2等     13個
  3等以下   8個  総数 42個
下弦の月明かりがあり、実際はもっと出現数が多かったと思われます。

8月12日 雲量 8/10
21h50m〜22h20m ペルセウス群  3個
8月13日 雲量0/10 透明度5/5 ユラギ度 5/5
最微光星 6.2等。
22h00m〜24h00m ペルセウス群 20個 ハクチョウ群 5個
(23h00m〜24h00m ペルセウス群 11個)
 その後出現数が減り記録せず。はくちょう群の方が長く明るいものがありました。
 最後はしし座流星群です。今回は19日早朝から仕事が入り遠征を諦め自宅で観ることにしましたが、予想通りの出現で、初めてしし座らしい流星を見させてもらいました。明るく・速く・長くそ
して永続痕のある流れ星。花火のように、一点から複数の流星がほぼ同時に四方に出現する現象を実際に目で観ることが出来ました。120個までは数を数えていました。その後は雲が少なくなり固定で写真を撮り始めました。最微光星は3.8等でした。シーイングは良かっ たと思われます。雲量6でも、静止流星1個、火球3個、流星痕有6個を確認でき、総流星数200個以上を95分間で確認出来ました。
 今年は、星見の一年でした。でもやはり、定職がほしいですね・・・。



          しし座流星群の速報

                                  牛渡 聡

北海道スターウオッチャーメーリングリスト(HSW−ML)から牛渡さんの書き込みを紹介いたします。
(編集局)

しし群の観測速報です。
児玉さんの報告形式と同様としました。
ただし、5分毎!の出現数としました。
散在流星もありましたが、無視しました。
場所:北海道厚真町浜厚真(海岸)

DATE
JST TIME  aM Spo Leo Lm CL Dir
  時間 全流星 散在 しし群 最微光星 雲量 方向
--------------------------------------------Nov/2001 18/19
03:00-03:05 05 29 00 29 5 8 Leo
03:05-03:10 05 28 00 28 5 8 Leo
03:10-03:15 05 60 00 60 5 8 Leo
03:15-03:20 05 55 00 55 5 8 Leo
03:20-03:25 05 45 00 45 5 8 Leo
03:25-03:30 05 45 00 45 5 8 Leo
03:30-03:35 05 75 00 75 5 7 Leo
03:35-03:40 05 51 00 51 5.5 6 Leo
03:40-03:45 05 83 00 83 5.5 2 Leo
03:45-03:50 05 87 00 87 5.5 2 Z
03:50-03:55 05 75 00 75 5.5 4 Z
03:55-04:00 05 45 00 45 5.5 6 Z
--------------------------------------------
04:00-04:05 05 38 00 38 5.5 7 Z
04:05-04:10 05 34 00 34 5.5 7 Z
04:10-04:15 05 37 00 37 5.5 7 Z
04:15-04:20 05 34 00 34 5.5 7 Z
04:20-04:25 05 37 00 37 5.5 7 Z
04:25-04:30 05 21 00 21 5.5 7 Z
04:30-04:35 05 7 00 7 5 8 Z
04:35-04:40 05 17 00 17 5 9 Z
04:40-04:45 05 19 00 19 5 9 Z
04:45-04:50 05 10 00 10 5 9 Z
04:50-04:55 05 25 00 25 5 8 Z
04:55-05:00 05 13 00 13 5 6 Z
--------------------------------------------
05:00-05:05 05 24 00 24 5 6 Z
05:05-05:10 05 27 00 27 5 5 Z
05:10-05:15 05 17 00 17 5 2 Z
05:15-05:20 05 15 00 15 4 2 Z
05:20-05:25 05 21 00 21 3 1 Z
05:25-05:30 05 14 00 14 2 1 Z
--------------------------------------------

今朝の報告の補足です。
今朝は1時半に曇り空の札幌を出て、3時前に浜厚真橋に到着。車の窓から薄雲を通して火球クラスが見えているので、いつもの鵡川はあきらめて、とにかく早く観測することにして海岸線に出ることにした。空のほとんどが雲に覆われているものの、しし座あたりが透けて見えるようなあいにく天候だった。それでも火球がたくさん飛ぶので、5分毎の計数観測に切り替えることにした。輻射点がよくわかるのが凄い!豆まき現象も多かった。3:30頃にはようやく8割方晴れてきたので、微光の流星もたくさん見ることができた。圧巻は05h02m頃のマイナス7-8等級の火球で、フラッシュ
状にオレンジ色に光り、痕も数秒間はオレンジ色に輝いていた。7x50双眼鏡で痕を見ると、煙草の環のような螺旋?が続いているように感じた。流星体がコイルの芯のように高層大気の粒子を押しのけたのかも?痕はその後10分以上も見え続け、最初と最後が大きな環となって、やがて薄くなっていった。・・・初めて見た光景だった。
今朝は火球と流星痕のバーゲンセールだったが、雲量ゼロの空で見たかったものだ・・・。
多忙のためカメラを持参しなかったが、通常群の50年分くらいの数は写っただろうに・・・。
各地の様子は如何に?



           しし座流星群観望記

                                   越後恵子

 11月18日、午前2時頃外に出て見ると、雲の切れ間にしし座が見え、明るい流星が1つ流れるのが見えました。明日は期待できそうです。
 19日、札幌は夕方から雪が降ったので、午前2時頃、苫小牧方向に行きました。雲がかかってるので、厚真方面に車を走らせていると、徐々に雲が切れて流星が見えたので、すぐ脇道に入って観望する事にしました。周りに数台の車が止まっていました。晴れていた地平線30度くらいは細く雨のように流れています。絶えずどこかに流れているので目が離せません。しし座の周りは雲がかかったり切れたりでしたが、全天、雲を通しても多くの流星が見えました。周りの人たちも歓声をあげています。たまには、稲光かと思うような明るい火球もあり夜空がパッと明るくなりました。3時くらいには、しし座を中心に晴れたので放射点から四方八方に流れていくのが良く見え、本当に素晴らしい眺めでした。一ヶ所から2、3個同時に流れたり、前後左右に飛ぶので目で追いきれず、只ただ歓声とともに見上げていました。大きなオリオン座を横切る流星は特に素敵でした。朝4時に札幌に向かって出発しましたが、5時30分くらいまで車の中からずっと見え、目を楽しませてくれました。私も、家族もこの目でしっかり見る事が出来たので、しばらくは「すごかったね!」と話に花が咲きました。

               
                       11月19日 03時10分ころ白老町森野で撮影
                               f=28mm F3.5
                           ISO800のフイルムで、約35秒露出
                             写真提供:豊田和規氏




        ’01しし座流星群の観測

                                  柴田健一

2001年11月17/18日および18/19日、しし座流星群を観測したので途中経過を報告する(数値は全て暫定値)。FRO・HROは別途報告する。

1.観測地
(1)観測地A(17/18):北海道中川郡池田町高島小 学校付近
 (43°01′11.2″N,143°26′27.6″E,海抜40m)
(2)観測地B(18/19):北海道広尾郡大樹町町営晩 成牧場
 (42°33′11.8″N,143°28′26.4″E,海抜10m)

2.観測機器
(1)固定写真撮影:@レンズ1:18mm F2.8対角
 魚眼 Aレンズ2:55mm F1.8 Bフイルム: フジASA1600 C露出:3分程度
 対角魚眼では18/19日 2時20分11秒シリウス近  くに出現した大火球の痕が90分以上にわたり輝 いていた様子を捉えた。
 写真は11月20日17:40から、テレビ北海道で紹 介された。

                
                  19日2:20:11、北海道の各地で観測された大流星
             「流星痕」は1時間半以上にわたり輝き、もう一枚の写真左の右下に写っている


            
                  19日4時ころ、25個の「しし座流星」が撮影されている
    左に北極星、中央下に北斗七星、右下に「しし座」があり、流星は「しし座」の頭部を中心として、降りそそいでいる


                              写真共通データ
                      2001年11月19日 北海道広尾郡大樹町晩成にて
                      f=16mm F=2.8 露出3分程度 フジカラー1600 
                               柴田雅彦


(2)ビデオ撮影
@ビクセンBO5(CCDチップ交換ICX25 4AL)+レンズ(6mmF1.2)+キャノンLX1 (Hi8)
 対角=49° 最微等級=5.0
 輻射点方向を撮影し、以下の観測を行った。
 (a)ビデオによるピーク時間帯の決定
 (b)1699年と1866年のトレイルによる輻射点の相違

 これまでの集計
 ○18/19日3時ころ肉眼でHR2500をカウントした。
 ○ビデオでは2:00〜3:00に168個の流星を観測した。

AWATEC-N100+レンズ(6mm F0.8)+FUJIX‐Hi8(FH101)
 ビデオカメラは、西野会員から借用した。
 対角=63° 最微等級=5.2

 日本上空に出現する全ての流星をとらえる「高 校生天体観測ネットワーク( Astro-HS )」に札 幌天文同好会として参加し、1507個の流星を 捉えた。現在、アーカイブセンターで流星画像 の自動解析装置により、出現時刻・発光点・消滅点の赤経・赤緯・最輝点について解析中である。
なお、19日3時台1分単位における人間系の読みとりは、下記のグラフのとおりである。

              
                     ビデオカメラによる19日3時台出現状況



'    01年しし座流星群オリエンテーション

                                   柴田健一

 北海道在住の日本流星研究会会員により標記の集会が11月4日厚別区民センターで開催されました。
しし座流星群をどこで観るか・どのように観るか・そのための準備は、などについて野勢國雄氏・児玉広幸氏・柴田健一氏から説明がありました。
 札幌市内の中学校・高校合わせて35校に案内を出しましたが、開成高校と清田高校からだけの参加で少々残念でしたが、北海学園大学の岡崎先生のゼミと北大天文同好会を中心として30名の参加があり、観測に向けて参考になったことと思います。
なお、当会からは、西野・中山のお二人が参加されました。                    
  
                                熱心に聴講する参加者
                        左は家族で参加の堀江さん親子。
            オリに参加したお陰?で札幌市内でも朝方多数の流星を観たそうです。




           第7回北海道地区流星観測者会
           「定山渓冬の陣」開催のお知らせ


                           定山渓冬の陣 実行委員長 柴田健一
                                    後援:日本流星研究会

世紀の大出現となった「2001年しし座流星群」。
写真・ビデオ・電波で再現します。「流星嵐」の感動を朝まで語り明かしましょう。
この集会は来年から新しい会に生まれ変わります。温泉に浸かり、膝を交え、酒を酌みながら
の発表スタイルは、これが最後になります。多数に方の参加をお待ちしております。

                      記

日時 :2002年2月9日(土)15時30分から10日(日)10時20分まで
場所 :札幌市南区定山渓温泉東3丁目(北海道電力健康保険組合)渓水荘
 定鉄バス(JR札幌駅より定山渓行き乗車,定山渓神社前下車)徒歩3分(ホテル章月右下)
電話 :011-598-2036
参加費:6,500円(二食付き)大学生以下 5,000円(当日徴収)
申込先:2月3日(日)まで 柴田健一 Shibata@mb.snowman.ne.jp(Shibataの”S”は大文字)
または、090-6215-0033 柴田まで



          B. Murray博士に同行して

                                   牛渡 聡

 北海道スターウオッチャーメーリングリスト(HSW−ML)から牛渡さんの書き込みを紹介いたします。
この記事については牛渡さんのHP”http://www3.snowman.ne.jp/~s-ussy/murray/murray1.Html”に詳細がありますのでご覧下さい。(編集局)

 昨日(9月6日)、札幌のカデル27にて、元JPL所長のB. Murray博士の講演会がありました。これについては、いずれどなたかの報告があるものと思います。
(編集子注:当会からの参加者は後藤・生田・牛渡・柴田でした)

                     
                    火星について講演するB. Murray博士

 本日は、Murray博士のお供で、上砂川の無重力実験センターと道立地質研究所、北大理学部の講演会に行って来ました。上砂川のセンターは、経済産業省(旧通産省)の方針により、再来年廃止とのことです(予算がつかないらしい)。皆さん、たいへん残念がっておりました。地質研究所では、博士が地質学者でもあり、たいへん興味を持った
ところでした。特に有珠山の噴火についてはよくご存じでした。研究所から北海道の地質図を贈呈されて、たいへん喜んでおられました。

 火星に関する質問は、
Q:南極で発見された火星から来たという隕石の証 拠は何か?
A:隕石に含まれるアルゴンなどのガスの同位体を 調べたところ、地球のものではなく、火星探査機の大気のデータと一致したから。
北大理学部では、昨日の一般講演と同じ資料を使って、より専門的な説明を加えたものでした。特に北極冠の詳細な画像は印象的でした。その中で印象的だったのは、火星の自転軸がふらついているが、もし北極が太陽の方を向けば、氷が溶けてしまい、異変が起きるかもしれない、とのことでした。

 最後はサッポロビール園にて道経連主催のパーティーが開催されました。博士は木彫りのクマを見て、ベア・ガーデンとのジョークをとばされていました。私は隣の席だったので、博士にいろいろと質問させていただきました。
Q:火星に生命体の存在する可能性はあるのか?
A:私は悲観的に見ている。
Q:もし生命体がいるとすればどんなものか?
A:地表ではなく、バクテリアのようなものが地下 にいるかもしれない。
Q:火星の岩石は何か?
A:探査機によると長石と輝石の存在が確認された。
Q:火星にはジェット気流のようなものはあるのか?
A:探査機の観測結果では認められない。
Q:最近発生した大黄雲は知っているか?
A:知人から聞いて知っている。砂嵐ではなく、ダ スト・ストーム(塵の嵐)だと思う。
Q:火星の大気の密度は薄いのに、ダストを巻き上 げられるのか?
A:ダストの大きさは2ミクロン程度であり、火星 の大気でも巻き上げることができる。

などなど、でした。



     2001年のムーンライトウオッチング

                                    西野 浩

7年目を迎えることになるムーンライトウオッチングは、今年も多くの人たちに宇宙の神秘にふれ、驚きと感動を与えることができました。

今年は、6月から10月にかけて5回の ムーンライトウオッチングを予定していましたが、天候不順にもかかわらず4回実施することが出来ました。
使用機材は、10p早川記念双眼鏡と20p反射赤道儀、そして新しく福島基金の補助を受け、購入したビクセンGP−FL80Sが仲間入りしました。この望遠鏡はフローライトレンズということもあって星像のヌケが良く、見る人にも好評でした。

                      
                     
 子供達に火星を見せる筆者

今年の観望対象は、定番の月と中接近した火星、木星そしてアルビレオやベガ、アルタイルでしたが、火星は高度が低いため、札幌の中心部にある大通りで見るには難儀しました。
大通りの両側には高いビルがそびえており、
ビルとビルのすき間から顔をだす火星に望遠鏡を向けるのですが時間が経つとビルの陰に入ってしまい、望遠鏡を抱えて移動しながら観望をするというありさまでした。

今年は、中山さん、石塚さん、越後さんと筆者の4名と7月の1回目には北村さんにもお手伝いいただきました。北村さんにはエイコー製8p反射経緯台の望遠鏡をご持参いただきました。私は、この望遠鏡を中学生の時、天文雑誌「天文と気象」の広告でいつもながめておりましたが、実物を見るのは初めてでした。北村さんには機会があればまたお手伝いいただき、望遠鏡を見せていただきたいと思います。

                
            
       サービス終了後、市民とともにワンショット
                左から、越後(夫)、中山、市民×2・越後家族×2・筆者

                      撮影:越後会員


さて、今年の場合初めての試みで、観望者が少ない時に、高倍率で月面散歩を堪能していただくために観望者にモータードライブのコントローラーを自分で操作してもらいましたが、多くの人に月面の複雑な地形に感動し、望遠鏡を自分で操作していることに感激していただきました。
札幌の中心部の、しかも人工の光の洪水の中にある大通りでも、多くの通行人の人たちに自然の光である「星」を身近に感じ、感動を味わっていただきましたが、少なからずも天文普及に貢献できたのではないかと思っております。
ムーンライトウオッチングを行うにはいろいろな制約がありますが、来年はより充実した内容を検討して続けていきたいと考えております。会員皆様のご協力を感謝申し上げますとともに来年もよろしくお願いいたします。

                   ムーンライトウオッチング 実施状況と参加人数
               



     ムーンライトウオッチングの楽しみ方

                                  中山 正

 今回初めて活動に参加させていただきました。とても楽しくそして無事に今年度の予定を終了でき、有意義な経験をさせていただきました。参加してみて、驚いたことは望遠鏡を覗くのが『初めての体験です』と言って感動してくれたことでした。PRなしの開催で、平均2時間の間に70名ほどの観光客(外国人・日本人)や市民の方が望遠鏡を覗かれていかれました。場所が札幌中心部の大通り公園ということで、年齢層も幅広く幼稚園児から学生さんやOLさんそして年配の方まで色々な方々に楽しんでいただけました。その一場面をここに紹介いたします。
 20p反射赤道儀で火星を見てもらった時には、『この小さく赤いのがそうですか?』と聞かれることがほとんどでしたが、月面を 20〜150倍でセッティングした時には、皆さん『すごい!』とか『こんなに凸凹がはっきり見えるなんて!』とおどろかれていました。織姫やアルビレオを見てもらつた時には、『きれい!・・・』と言われたまましばらくの間黙って覗かれていた方も多数おられ
ました。リピーターも何人かおられとても嬉しく思いました。女性の方で、携帯電話で実況中継しながら楽しまれていた方もおられました。
デジカメで月面をご自分で撮影しようとしていた方に、『どうやったら写りますか』と聞かれ、手持ちコリメートで撮影してあげました。写った映像を見て、『お土産が出来ました』と喜んでくれた旅行者の方々も何人かおられました。中には、『望遠鏡を持っているのですが、星がうまく入らなくて押入に眠っています』という方もおられ、『今日家に帰ったら出して見てみようかな!』と言って帰って行かれました。
 残念だったのは、途中で雲が出てきて十分に月面や星を見せてあげれなかった時があったことと、中心街のビルに隠れて火星や月面などが晴れているのに見せられなかったことでした。私としては、今回の観望会で天文普及に微力ではありますが、貢献できたような気がします。不特定多数の方々を対象にした催しの場合、いかに天文に対する動機づけを出来るかが大変難しいと思います。今回、スターウィークのTシャツを着て、参加させていただきました。使用器材も双眼鏡と小型屈折望遠鏡と反射望遠鏡が各一台づつでした。それぞれ対象物を変えたり、倍率を変えたりして、

                
                  
  ウオッチングの様子 右側が筆者

違ったアプローチで参加者の方々に天文に対して興味を持ってもらおうと試みてみました。『今度いつ来てくれます?』という質問も多数聞かれました。月一回ぐらいで晴れてれば来ますと答えられるだけでしたので、もう少し回数を増やせればと思いますが・・・。とても嬉しく思いました。

 次に、今回の成果と言えるエピソードを紹介します。
 しし座流星群の当日夜8時ごろ、女性の方から電話がありました。突然、『獅子座流星群をこれから見にいきたいのですが、どこへ行ったら見えますか?』と聞かれました。今からなら高速道路で千歳から苫小牧方面に出かけてはどうですかと答えました。ところで・・・、よく聞いてみると、大通り公園で星を見せてもらったものですということでした。その後、連絡はありませんが、無事、しし座流星群の流星雨は見られたのでしょうか?
私は自宅で運よく晴れ間が広がり、一部ですが流星雨を観ることが出来ました。
 2001年のしし座流星群は予想に近い大出現を見せてくれました。これを契機に天文ファンが増えることを願っております。空の暗い所で、打ち上げ花火のような今回の流れ星をご覧になった方は、きっと一生の思い出になつたことと思います。

 来年もたくさんのムーンライトウオッチングを開催して、一人でも多くの人に「星」の感動を味わっていただくお手伝いが出来ればと、思っています。



         福島基金を申請して

                                 石塚宣充

 以前から20cm反射経緯台望遠鏡の主鏡と斜鏡の再メッキをしたかったので、福島基金を申請しました。申請にはセンターリングアイピースも含めて出したところ受理されましたので、さっそく注文しました。
 再メッキは、この望遠鏡メーカーの西村製作所にお願いすることにしました。費用が少し高かったのですが、鏡面の状態が良くないのでカビなどが出来ていた時、対処してくれるのではないかと期待して依頼しました。送ってから1ヶ月後、主鏡と斜鏡は「新品状態」になって返送されて来ました。再メッキ後は、明るさが増しコントラストが良くなったと感じました。また、メッキの表面にシリコンをかけてあるので長持ちするのではないかと思います。
 センターリングアイピースは高橋製で外観は黒っぽくなっており側面に穴が空いております。内面は鏡面状態になっており、ピカピカです。覗き穴は円錐の頂点の少し凹んでいるところにある1mmの穴です。望遠鏡に取り付けて覗くと、斜鏡に黒・白・黒と円形リングが見えてきます。これが最終的に主鏡・斜鏡の中心にくると、光軸が合うことになります。ニュートン式の望遠鏡を持っている人は仲々便利です。
 以上、感想を述べさせていただきましたが、基金を利用させていただき、どうもありがとうございました。




          2001年大忘年会開催


 去る、12月22日(土)恒例となっている忘年会が、「居酒屋 留玖」で開かれました。
 参加予定者は11名おりましたが、都合により、伊藤・西野・牛渡の3名の方が欠席され、たいへん残念でし た。しかし、木星食・土星食・しし座流星嵐などが好天にに恵まれ、話題は豊富でした。
 また、久しぶりに由水さんが見えられ、ITの話に花が咲きました。
 来年は、天文台のある「名水亭」で、との声も聞かれました。

                   
              
 左から 越後・鈴木・上西・大畑・後藤・生田・由水(撮影:柴田)




                    

  期待した「しし座流星群」は大出現し、世紀の流星嵐になりました。日本中が好天に恵まれたことで、歴史 上最も多くの人に見られた流星嵐になったことは間違いないでしょう。この季節、天候の悪い札幌市内でも 3時以降雲が切れ、空が明るくなるまで見えたのは、会員にとってたいへん幸運なことでした。

 昨年1月28日、青少年科学館で講演された国立天文台の渡辺先生は、「出る」と言いながら「出なかった」 過去の大出現予測のジレンマに陥りながら「出ない」と言って、遠回しに「出る」ことを臭わしていました。
 しかし、アッシャー博士が10月7日の講演会において「確実に出る」と言い切ったのは、大きな希望でした。

 さて、11月19日を迎え多くの会員が「しし座流星群」を観測・観望されたことと思いますが、原稿の集まりは ご覧のとおりです。次号でも遅くありません。一言の感想をお願いします。ちなみに編集子は次号に電波観 測の結果や、ビデオ観測の詳細を掲載予定です。

  一方、木星食は臨時増刊号を発行、土星食には四編の投稿がありました。「世紀の流星嵐」より星食の  ほうが記事になりやすかったようです。編集子としては意外でした。

 ともあれ、新しい年が始まりました。今年も仲良く、楽しい会の運営に会報の「プレアデス」がお役に立てば幸いです。
                                                          柴 田 健 一