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カルド雑記(mixiより抜粋)


2006年11月16日 21:23

【カルド】コンセプトブック(1)

 今までmixiの日記でやってたカルド雑記ですが、サーガ発売を期に終了しようと思います。いやね、mixiの日記は議論するのに向いてないし、CRA掲示板とで話題が分散するのもどうかと思ってたので。
 というわけで、サーガ発売後はカルドの話題はほぼCRA掲示板の方だけでしていくことにします。別に今までと何か変わるわけじゃないんで、ご安心ください。

 というわけで最後だから何かまとまった文章でも書こうかということで、以前マネさんから要望のあった「ボイラーズ流コンセプトブックの構築」でも語っていこうと思います。
 たぶん普通のブックで普通に勝とうと思ったら全く必要のない思考法なので、余計な苦労ばかりで無駄が多い点についてはご了承ください。

 さて、コンセプトブックの構築ですが、基本的な考え方としては「コンセプトカードを抜いて普通のカードを入れた方が強い、なんてことにならないようにする」ということになるかと思います。

「これ要らないんじゃない?」「いやネタだから」

 これではお話になりません。最低限、「普通のカードにした方が強いとは言い切れない」というレベルは維持したいものです。
 そのためには、まず普段なんとなく組んでいる普通のブックの戦力を正確に知る必要があります。比較対象のことを知らなければブックの強さを比べられるはずもありませんので。

 次回は普通のブックの構成要素を分析していきます。


※なんとなく論理的で難しいことを書いているように思えるかもしれませんが、私は普段こんなことは考えてません。経験と勘で適当に構築してます。ただ、文章で説明しようとすると難しくなってしまうだけで。逆に言えば、文章を読んだだけではあまり役に立たないと思います。教科書を一通り読んだだけではテストで満点は取れないのと同じですな。


2006年11月17日 19:26

【カルド】コンセプトブック(2)

ダムウッド4人対戦における標準的なブックの構成要素

クリーチャー 18枚
アイテム 6枚
移動・収入系スペル 12枚
地形変化スペル 4枚
ドローサポート 4枚
その他 6枚


 いわゆる普通のブックならだいたいこんな感じだと思います。それほど厳密に決まってるわけではなく枚数に若干の差が出てくることもありますが、対戦経験豊富なプレイヤーが適当にブックを組んだらこれに近い構成になるんじゃないかと。初心者がネット上でブックを晒してダメ出しされるのは、この構成から大きく逸脱している場合が多いですね。

「その他」の部分ですが、ここはブックの方向性が決まる重要なスペースで、手札干渉、土地呪い、各種単瞬、全体妨害など多種多様なカードが入ります。このスペースで手を抜くとプレイングの選択肢が狭くなってしまい、劣勢に回ったときに何もできなくなったり、優勢でも決め手を欠いたまま勝ち切れなかったりと、様々な不具合を起こします。
 他のカードゲームでいうところのサイドボードに近いですね。ここが弱いブックで勝てと言うのはサイドボードを使わないで勝てと言っているようなものなので、特に実力が同じ程度のプレイヤーとの対戦では致命的な差がつく部分ともなり得ます。
 それでは、この「その他」の部分で具体的にどのような構成が考えられるか、いくつか例を見てみましょう。


▼3分ブック
メズマ2 ランプロ2 追加クリ2

▼ラントラサンド型
サプレ2 クイサン2 ラントラ2 アイテム1削って追加地変1

▼侵略型
シャッター2 バイミス2 チャリ1 追加クリ1 収入1削って追加アイテム1


 どうでしょうか。もちろんこの部分だけを入れ替えれば良いというわけではなく、全体のバランスは大事です。例えば侵略型では、収入系はマナよりもドレインが優先されますし、クリーチャーの平均STも当然重要になってきます。
 しかし、このように構成要素別に抜き出してみると様々なタイプのブックを組むのもずいぶん楽になるんじゃないでしょうか。


 さて、それではこのような構築の方法論を踏まえた上で、コンセプトブックの構築に入りたいと思います。とりあえず、今回は多くのセプターに愛されて止まない(?)ウサギブックの構築を軸に話を展開していくことにします。

 ここまでの話の流れでは、「じゃあ『その他』の6枚にクランプとかウィークネスとか入れたらいいんじゃね?」ということになりそうです。私も昔はそのように考えていました。
 しかし、残念ながらそれでは普通のブックよりも弱くなってしまうのです。次回は、その辺りのことについて説明します。


※構成要素別に抜き出してみると、やはり一番重要なのはクリーチャーだということがわかりますね。スペルをスペルとして一括りに扱ってしまうから、スペルが実際以上に強く感じられてしまうのではないでしょうか。


2006年11月18日 20:37

【カルド】コンセプトブック(3)

 ウサギブックが最高にうまく機能したときのことを想像してみましょう。

 対戦相手はウサギが見えている場なのでデコイやアイスウォールを上げられず、かといってゴミ同然とわかってはいてもこれらのクリを配置しないわけにはいかず、配置した端からウサギに落とされまくり。トドメにクランプでST0にされたレベル5マッドマンを落とされてジ・エンド。レベル5を落としたウサギ使いは華麗に達成。ウサギ最高、ウサギ万歳、ウサギに栄光あれ、ウサギよ永遠なれ。


 自分で書いてて情けなくなってきたわけですが、このような展開になる可能性は極めて低いと言わざるを得ません。つーか皆無です。ドリームは寝て見ろと言いたいです。いつまでも青臭い夢を見ていないで、現実を直視するべきです。






 ただ、クランプ+ウサギというコンセプトを実現させて勝った試合というものを想像したら、こういう展開しか思い浮かばないのも事実です。しかし現実は厳しく、なかなかこのような展開にはなりません。
 では、なぜこのような展開にはならないのでしょうか。それを知るためには、クランプ+ウサギというコンセプトがカルドのブック構築においてどのような意味があるのか、正確に理解する必要があります。

 注目すべきは、「土地1個を落とすのにクランプ1枚とウサギ1枚を使っている」という点です。
 他のカードで似たようなことはできないでしょうか。例えばスチームギアならマッドマンを落とすのは無理かもしれませんが、他の土地ならギア1枚で落とせるかもしれません。さらに武器を持たせれば大抵の土地は落とせるでしょう。落とした後もHPが50あるので、ウサギよりも遥かに落ちにくいです。

 比較すると、クランプ+ウサギの2枚よりも、ギア1枚の方が強い場合が多いでしょう。ギア+武器の2枚なら、ほぼ確実にクランプ+ウサギよりも強いです(ここで言う「強さ」とは、侵略能力だけではなく土地を維持する防衛能力も含めています)。クランプ+ウサギはギアなら1枚でできることを2枚でやっている(できないこともある)わけですね。

 昨日書いた「その他の6枚」の話になりますが、貴重な「その他の6枚」でこんな無駄なことをやっていたら、弱いブックになるに決まっています。どうしてもウサギを入れたいなら、ウサギが死ぬことを前提にクランプを抜いてグースを入れた方がまだ強いブックになるでしょう。普通のブックにクランプ+ウサギを入れると弱くなってしまう理由がお分かりいただけたでしょうか。


 次回は「ウサギはゴブリンだと思え」という話です。


2006年11月19日 22:29

【カルド】コンセプトブック(4)

 ごく標準的な、連鎖を作って土地に増資して勝つ戦略のブックを評価する際、私はだいたい以下の4項目を見て判断しています。

(1)連鎖の形成
 土地を取って連鎖を形成する能力のことです。クリーチャー数、レベル1戦闘力、エスケープ・リープ、地形変化スペルの枚数などに関係してきます。ラントラ戦略には特に重要です。

(2)収入
 現魔力を得る能力のことです。マナ、ミスルト、グースはもちろん、HWX、ヘイスト、フライなどの移動スペルも、周回ボーナスまでの道程を短縮できるためこれに含まれます。忘れてはいけないのがドレインマジック。一番他のブックと比較しやすい項目です。

(3)コントロール
 他人に干渉して試合展開をコントロールする能力のことです。どれだけ侵略や妨害などを行えるかということを指します。焼きなどの全体妨害のように派手なものから、手札干渉のような地味なものまで、種類は様々。地変スペル打ち込みも含まれます。
 コンセプトブックはここで特徴的な手段を用いているものが多いですね。失敗して他人に迷惑をかけているだけの場合も多々ありますが、カルドをダイス運ドロー運任せの運ゲーで終わらせないための、重要な項目です。

(4)コントロール耐性
 上記のコントロールに対する耐性能力のことです。ランプロ、防御アイテムの枚数、平均HPなどが関係してきます。一番ブック相性に影響を受けやすい項目です。対戦環境次第ではそれほど重要ではありません。


 コンセプトブックの失敗例としてありがちなのが、コントロールを重要視する余り、連鎖の形成と収入が疎かになってしまっていることです。
 ウサギブックを例にあげると、コントロールのためにウサギを入れていることによってレベル1戦闘力が下がり、連鎖の形成がうまくいかなくなる可能性が高くなっているわけですね。ウサギで侵略に成功したとしても、それは試合全体の流れから見れば、空き地にゴブリンを配置したのとたいして変わらないのです。
 また、クランプ+ウサギのコントロール能力はそれほど高くはありません。対戦相手は高STのクリを上げればいいだけですし、価値が下がった低STのクリも連鎖要員としては十分使えます。

 さて、それでは、連鎖の形成及びレベル1戦闘力を犠牲にしないでクランプ+ウサギのコンセプトで強いブックにするためには、どうすればいいのでしょうか。合格ラインは、「クランプ+ウサギでスチームギア+武器と同じ程度のパフォーマンスを発揮すること」です。果たしてそんなことができるのでしょうか。

 結論から言うと、ボージェスとヌエを配置すればだいたい可能です。この両方のクリの応援があればウサギのHPは実質60となり、十分なレベル1戦闘力が保証されます。また、ヌエは単体で拠点にできる優秀なクリですし、ボージェスも2体配置できればウサギ同様実質HP60となります。さらに対戦相手はヌエの応援のせいで思うように侵略できない中、自分だけはSTとは無関係なウサギ侵略で一方的にアドバンテージを取ることもできます。うまくいけばウサギで完全に場をコントロールして勝つことも夢ではありません。おや、これでこの連載も終わりですか。




 次回はこの戦術の落とし穴についてです。


2006年11月20日 21:33

【カルド】コンセプトブック(5)

▼ヌエ・ボージェス型ウサギブックの欠陥その1
「クランプの汎用性が低い」

 前回「合格ラインはクランプ+ウサギでスチームギア+武器と同じ程度のパフォーマンスを発揮すること」と書いたのですが、実はこの条件を満たすにはヌエとボージェスを置いただけでは不十分です。なぜならば、スチームギア+武器の武器は他のクリでも使えるのに対して、クランプ+ウサギのクランプはほぼウサギとしかコンボになっていないからです。つまりコンボだけで考えれば同じ程度の強さ※でも、ブック全体として考えてみると同じ程度の強さを発揮しているとは言い難いのです。

※同じ程度かどうかは知りませんが、ここでは同じ程度ということで話を進めていきます。というか、そうでも思わないとやってられません。


▼ヌエ・ボージェス型ウサギブックの欠陥その2
「態勢を作るまでに時間がかかる」

 ブック構成でクランプ+ウサギの弱さを補ったとしても、それはヌエとボージェスの両方が配置されてからの話です。ヌエとボージェスが配置されていて初めて普通のブックと互角になるような構成では、ブックの回りがちょっと悪かっただけで苦しい戦いを強いられることになります。
 それでもリンカネが強かったDC版ではなんとかなっていたのですが、リンカネが弱体化したPS2版では、ヌエ・ボージェス態勢を作るまでにかかる時間は確実に長くなっており、このようなコンセプトブックで勝つのは難しくなっていると言わざるを得ません。



 それでは、これらの問題を解決するにはどうすればいいのでしょうか。

 ここから先は、後先考えずに強引に可能性を検討するモードに入ります。


 まずクランプの汎用性が低い件ですが、ここは発想を変えて、「クランプの目的はクリ交換を強制させることである」と考えることにします。つまり武器のように直接侵略に役立てようとするのではなく、ウサギをバックにプレッシャーをかけてクリ交換させて、場を遅くするのが目的と考えるわけです。

 しかし、現実的にはリンカネ弱体化環境ではドローが弱いため、クランプを使いたいときに引くのが難しく、十分なプレッシャーをかけることができません。ならばクランプの枚数を増やすしかありませんが、あまり枚数を増やすとブックを圧迫して、他のカードを削らなくてはならなくなります。
 しかし、とりあえずここでは後先考えずに可能性を検討することに決めたので、枚数を増やすという方向で考えてみます。

 ちなみに個人的には、クランプだけを増やすのではなく、種類を散らしてウィークネスやターンウォールを入れた方が良いと思っています。ターンウォールはともかくウィークネスはクランプの下位互換と考えている人が多いかもしれませんが、クランプだけではSTの高いクリに十分なプレッシャーをかけることができないため、突然死が起こり得るプレイングでは対処しにくいウィークネスも、決して捨てたものではないのではないでしょうか。


 次に態勢を作るまでに時間がかかる件ですが、これについてはいくつかの解決法を考えました。

・ボージェスとクランプをあきらめる
 これらを抜いてしまえばコンセプトが機能するかどうかはブックの回り方次第ということも少なくなるため、ブックの強さが安定すると思われます。このタイプのウサギブックはハーミットさんがすでに作っていますね。
http://n-zephyr.hp.infoseek.co.jp/to-ko/ubooks/ub03_wind01.html

 ただし、今更こんな手垢まみれのコンセプトを紹介しても意味がないため、ここはオリジナル路線を目指すことにします。

・アースシェイカーを入れる
 一見何の関係もないように思えますが、試合が長引けばその分多くのカードを引けるため、私は確実にボージェスを配置したいブックにはよく入れています。ある意味リンカネの代用品ですね。クランプを引かずに試合が終わるなんてことも少なくなりますし。
 ただし、ウサギブックとはそれほど相性が良いわけではないと思いました。シェイカーは土地への増資をキャンセルできるため、シェイカー場では信頼できる資産は土地数ということになります。したがって大量に土地が取るのが狙いのコロッサス・ギア・ニンジャなどが主力の無属性ブックとは相性が良いのですが、ウサギブックは土地数で圧倒するようなコンセプトではないので、相性はいまいちです。また、ヌエの応援が他人同士の戦闘を抑制してしまうことも、試合を長引かせるのが目的のシェイカーとはミスマッチです。

・ブラスアイドルを入れる
 もはや最後の手段といった感がありますが、結局ヌエ・ボージェスと同じで「ブラスが置けないと機能しない」構成になってしまうことが問題です。クリの質が下がってレベル1戦闘力が落ちてしまうのも痛いですね。
 一応、だいぶ前にブラス入りでウサギ+コインのブックを使って勝ったことがありますが、そのときは65R制限でした。対人戦で主流のレギュレーションである40R制限ではあまり強くないでしょう。

・クリの種類を絞ってプロフェシーで強引に引く
 クリの大半をキーカードのヌエ・ボージェス・ウサギで構成して、プロフェシーでヌエやボージェスを序盤に引く確率を強引に上げようという狙いです。クリの絶対数が不足する恐れがあり、つーか間違いなく不足してますが、この構成はまだ試したことがないので(←重要)、今回はこれで調整してみることにします。


 次回は最終回です。


2006年11月21日 22:07

【カルド】コンセプトブック(6)

前回で決まった方針
(1)クランプ、ウィークネス、ターンウォールをたくさん入れる
(2)クリの大半をヌエ、ボージェス、ウサギで構成してプロフェシーで強引に引く

 とりあえず(1)の方は後で考えるとして、(2)の構成ではクリの絶対数が足りません。数学的に考えてプロフェシーをクリ数に数えてしまっていいのかどうかは数学が苦手なのでよくわかりませんが、元々普通のブックの構成はドロサポを4枚入れた上でクリ18枚ですので、やはりどう考えても足りてません。かといって他のクリを増やすと、プロフェシーでキークリーチャーを引きにくくなってしまいます。

 そこで、クリ数を補うためにスパルトイを4枚突っ込むことにしました。スケルトンは無属性なので、ボージェスとの相性も良いです。ただしスパルトイは生け贄がきついので、ドロサポがプロフェシーだけでは心許ないかもしれません。ホープも目いっぱい突っ込みたいところです。
 しかし、この辺りでブックの構成にかなり無理が出てきます。連載の2回目で書いた、「普通のブックの構成要素」を思い出してみましょう。


クリーチャー 18枚
アイテム 6枚
移動・収入系スペル 12枚
地形変化スペル 4枚
ドローサポート 4枚
その他 6枚


 ブックの戦力を比較検討するために、これらの構成要素の一つ一つを現在構想中のウサギブックと対比させていきます。現在ドロサポが過剰気味なので、なんとか他に削れる要素がないか考えていきます。

▼クリーチャー 18枚
 ヌエ4ボージェス4ウサギ4+スパルトイ4といきたいところですが、ヌエは土地コストがあるので1枚ぐらい減らした方が事故率が下がっていいかもしれません。しかしこれだと合計15枚にしかならないので、他に適当な無属性クリを3枚ほど追加することにします。本当はあまり入れたくないのですが、仕方がありません。

▼アイテム 6枚
 これはそのままで良いと思います。クリ構成が貧弱なので、これ以上減らしてしまうと土地の維持が苦しくなりますし。

▼移動・収入系スペル 12枚
 基本的にあればあるだけいいのですが、クリのコストが安いので多少削れるかもしれません。要検討。

▼地形変化スペル 4枚
 今回削る候補筆頭。「えー?」とか言わないこと。詳しくは後述。

▼ドローサポート 4枚
 構想ではホープ、プロフェシー共に3枚〜4枚欲しいところです。他を削らないと入り切らないでしょう。

▼その他 6枚
 クランプ2ウィークネス2ターンウォール2といきたいところですが、個人的なポリシーとして手札干渉も削りたくはないところ。とりあえず他に何か削らないと入り切りません。



 というわけで、今回のウサギブックでは思い切って地変スペルを全切りすることにします。ついに普通のブックの構成を逸脱してしまいました。これでこそコンセプトブックです。おういえー。
 まあ、地変全切りというのは通常考えにくい構成なので、一応なぜ地変を切ることになったのか説明しておきます。

 地変スペルの役割は、連載4回目に書いた「ブック評価の4項目」の「連鎖の形成」「コントロール」に当たります。
 連鎖の形成についてはそのまんまですね。コントロールについては、他人の土地に打ち込んで連鎖を切るという使い方の他に、アンチエレメントのように地形効果をカットする「武器の一種」としての使い方もあります。

 さて、地変スペルを抜くと、連鎖の形成に支障をきたすのではないか?という不安がありますね。これについては無属性ブックの場合、それほど問題にはならないと私は考えています。
 例えばダムウッドでは、土地数24なので4人対戦なら1人平均6個の土地を取れる計算になりますが、土地を6個持っているなら、色さえ選ばなければ経験上3連鎖ぐらいは勝手にできていることが多いです。数学が得意な人は、土地を6個持っているときに3連鎖ができる確率を計算してみましょう。私には無理です。
 要は、ちゃんと土地を取れさえすれば、地変スペルがなくても連鎖を作るのに支障はないということです。

 次に、コントロールについてです。これについては地変スペルにしたところで必ずしも妨害目的に使うわけではないのですが、やはりいざというときに仕事ができるという点は確かに強いです。よく妨害はなるべくしない方が良いと言いますが、優勢時はそれで良くても、劣勢時に妨害で試合を引き伸ばすという選択肢が持てないことは問題視するべきでしょう。
 今回のウサギブックでは、このコントロールにはコンセプトブックらしくクランプ、ウィークネス、ターンウォールといったウサギとのコンボカードを充てることになります。実際にウサギで侵略できなくてもいいので、とにかくこれらのスペルで牽制してクリ交換を強制して、試合展開をコントロールしようというわけです。
 地変打ち込みと違って直接総魔力を下げるわけではないので地味に思えるかもしれませんが、本来なら増資という場面でクリ交換を強制させると、通行料期待値にして数百Gの損害を与えることもあるため、決して馬鹿にできません。ただし展開の先読みが必要で、地変打ち込みのように「後から止める」ということはできないので、プレイングはやや難しくなりますが。

 ついでに、地変スペルを抜くと地変スペルの使用コストが浮くというメリットも発生します。これは意外に大きく、特に序盤の資金繰りは非常に楽になります。多少収入系のスペルを削ってもいいかもしれません。
 例えば初期ブックは収入系のカードが少ない割に達成速度だけならかなり速いですが、これはクリのコストの安さと、地変スペルが入っていないことが大きいのではないかと思っています。


 このように、コンセプトブックを組むには普通のブックには必要な要素を削ってコンセプト内の要素で補うという、ブック圧縮技術が重要になってきます。
 ここまで書いてなぜか連想したのが、対決料理マンガの対決シーンにおける審査員のアドバンテージ比較合戦でした。あれは料理マンガではほとんどギャグシーンになってますが、あの手法で料理をブックに置き換えたら、かなりわかりやすくて参考になる攻略記事になりそうな気がします。

 というわけで、ついに完成したウサギブックがこちら。




ダムウッド4人対戦用ブック「殺意の黄金比」

クリーチャー14
サイクロプス2 ボージェス4 ホーンカメレオン1
ルナティックヘア4 ヌエ3

アイテム6
ガセアスフォーム2 サキュバスリング2 ベストメント2

スペル30
ウィークネス2 クランプ2 サプレッション1 スパルトイ4
ターンウォール2 ドレインマジック2 プロフェシー3
ホープ4 HWX4 マナ4 メズマライズ2



 強いかどうかは知りません。





終わり


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