「電気使用安全月間」にあたって

 

 

今日、電気は、家庭生活から産業活動全般に至るまで、あらゆる社会生活の基盤となるエネルギーとして必要不可欠なものとなっております。

 

また、電力システム改革に伴い、昨春からスタートした電力小売全面自由化により、一般家庭を含む全ての需要家が電力会社を自由に選べるようになる等、電気をとりまく環境は大きく変わりつつあります。

 

しかしながら、電力保安の確保は、これからも変わることなく、電力安定供給に係る電気設備の信頼性、安全性の確保は、国民生活や経済活動の根幹に位置し続けるとともに、電気保安に携わる皆様方の役割は益々重要となってきています。

 

平成28年度の電気事故の発生状況に関しては、感電等による死傷事故が7件、電気火災事故が2件、自家用電気工作物から波及して停電した事故が24件、火力設備や風力設備などの破損事故が25件発生するなど、28年度合計で事故報告件数が62件となっており、27年度の55件と比べて7件の増加となり、残念ながら1名の方が亡くなられております。

一方、波及事故の主な原因は、落雷が多くを占めていますが、その大半は避雷器の適切な設置により防ぐことができるものです。そのほか、保守不備も多く、これは高圧機器の老朽化によるもので、老朽機器については計画的な改修が必要です。

電気事故は、事故を発生させた事業者のみならず、近隣住民の生活や企業活動にも重大な影響を及ぼします。

 

北海道産業保安監督部では、こうした電気事故の発生を防止するため、産業界はもとより広く道民の方々にも、電気使用の安全に関する知識と理解を深めていただくことを目的に、毎年8月の「電気使用安全月間」において、関係機関とともに、様々な取組を集中的に実施します。

 

また、電気保安の中心的役割を担っている北海道電気安全委員会では、本年度月間の重点活動テーマとして、「日頃から電気の安全を心がけ、かしこく上手に使いましょう」、「自家用設備の電気事故は、適切な保守点検と計画的な更新で防ぎましょう」、「地震、雷、風水害などの自然災害にそなえ、日頃から電気の安全に努めましょう」の3項目を掲げ、時宜にかなう多彩な安全運動を展開します。

 

皆様におかれましても、日頃から、電気事故防止に向けご尽力をいただいているところですが、この「電気使用安全月間」を契機に、全員参加の安全運動に取り組まれるとともに、電気事故防止に向け、より一層のご尽力をお願いします。

                             

平成29年7月

                            経済産業省 北海道産業保安監督部長