1.クロスカントリースキーの走法と大衆レース


(1)走法テクニック

○クラシカル走法

テクニック
上段:概 要*1)/中段:ポイント*2)/下段:動画
ダイアゴナル
(交互滑走)
 クラシカルの最も特徴的なテクニックで、多くのレクリエーション志向のスキーヤーが使用している。また、競技会では、登り坂においてはほとんどの選手が使う。子どもたちがスキーテクニックを学ぶ際に、最初に習得すべき大切なテクニックとして、フィンランドなどの先進地でも位置づけている、クロスカントリースキーの基本テクニックである。
 このテクニックには、左右の脚と腕によるキック・アンド・プッシュの段階とこの間の滑走段階がある。ダイアゴナル滑走の要領は、
・右脚(左脚)でキックし、左腕(右腕)のポールを後方へ押す、と同時に、
・左脚(右脚)をすり出し、右腕(左腕)のポールを前方へ振り出す。
・前方へすり出した脚(支え脚)に全体重を乗せたまま滑走する。
 この動作を連続して、左右交互に繰り返す。
(注)平坦地でのダイアゴナル滑走と登り坂でのダイアゴナル登行では、リズムのちがいやポールで押す時の肘の角度がちがう(ダイアゴナル登行のほうが小さい)など、多少異なる点がある。重心は、支え足の踵の垂直線に対してダイアゴナル滑走(平坦地)では垂直線上または前方にあり、ダイアゴナル登行では後方になるなどのちがいもある。
・ポールを突き、押し切り、振り出す一連の動作のタイミングは良いか
・重心の位置が良く、支え脚への重心移動がスムーズか
・正しいポイントで左右の脚を交換できるか
ダブルポール
(推進滑走)
 クラシカル種目の大会で多く使うテクニックで、平坦地や小さな起伏地においては一番推進力を得られる。ダブルポールには、滑走とポールでの押しの2つの段階がある。滑走の要領は、
・両膝を曲げた状態から、斜め前方へつま先立ちになるくらいまですばやく伸び上がり、と同時に、
・左右のポールを一緒に前方へ振り出す。
・膝を曲げ中腰になりながらポールを後方へ強く押して滑走する。
 この動作を繰り返す。ポールは、トラックと平行に前後に動かす。
・ポールを突き、押し切り、振り出す一連の動作のタイミングは良いか
・重体全体の前方への伸びは十分か
・押す時の上体の使い方は良いか(腹筋の使い方)
ワンキック・ダブルポール(一歩滑走)  ダイアゴナルとダブルポールを組み合わせたテクニックであるが、リズムはちがう。正しいリズムをつかむと平坦地や緩い登りではスピードの出せるテクニックである。このテクニックには、キックとポールでの押し過程と、その間の2つの滑走過程がある。滑走要領は、
・右脚(左脚)でキックし、左右のポールを一緒に前方へ振り出す、と同時に、
・左脚(右脚)を前方へすり出す。
・すり出した支え脚に体重をのせ滑走する。つぎに、
・ポールをついて押しながら、キックした脚を支え脚に引きつけ両脚をそろえ、
・中腰の姿勢でポールを強く後方へ押して滑走する。
 これを繰り返す。
・キックとポールの振り出しのタイミングは良いか
・キックを左右の脚で交互にできるか
・押す時の上体の使い方は良いか(腹筋の使い方)
ターン/ダウンヒル  下り坂では、クローチング姿勢での滑降、クローチング姿勢でのキックターンによる方向転換、プルークでの制動からプルークボーゲンによる方向転換など、斜度や斜面の状況に適したテクニックで滑ることが大切である。クロスカントリースキーでは、クローチング姿勢で滑ることが最も大切である。
・スケーティングとは明らかに違うターンができるか
・中腰姿勢でバランスをとりながら滑降できるか
・クローチング姿勢で滑降できるか
・直滑降とプルークを繰り返しできるか(制動)
クラシカル総合滑走  一定の距離を滑走しきるには、地形にマッチしたテクニックを使って滑走することが大切である。そうすることで少ない疲労で快適な滑走を生むことになる。地形にマッチするとは、
  ・アンジュレーション部分のダブルポール、ワンキックダブルポール、ダイアゴナル
  ・登りでのダイアゴナル
などのテクニックを使うことを意味する。
・歩かずに滑走できるか
・スケーティングとは明らかに違うターンができるか
・地形の変化に対応したテクニックで滑走できるか

*1:競技スキー教程・クロスカントリースキー編、スキージャーナル
*2:指導員検定における採点の視点

 このほかのテクニックとしては、急な登り勾配でスキーを開脚して登走する開脚登走などがあります。体のスィングを入れながらスキーを滑走させるのは、クラシカル走法では、ルール違反となるので、開脚登滑走ではなく、開脚登走となります。


(2008年 10月 18日 (土)更新)
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