『歌謡ショウ・ストーリーダイジェスト』
帝国歌劇団、花組、星組、大神隊長が揃っていて、夏祭りの季節という事は太正14年8月頃のお話らしい。
米田支配人の不在を預かるかえでと次回公演の練習に励む歌劇団の団員達。
ステージでは次回公演『紅蜥蜴』の練習に余念の無い歌劇団。
初めて主役を獲得したすみれが練習中に上手く動けない事に不満を抱き大道具の柱を倒す所からストーリーが始まる。
かえでに不満をぶつけながらすみれが思い付いた仮病が意外にも大事件へと発展。
大道具の親方の進退問題にまで及んでしまう。
歌劇団のメンバーが精一杯各々のやり方で一番よかれと思う方法ですみれに対しての思いやりを伝えていく。
最初にすみれの様子の不自然さに気付くかえでとマリアの思慮深い対応。
きつい言葉で相手を責めているようでよく聞くとすみれの事を励ましている織姫。
足が不自由なすみれの為になんとか便利な松葉杖をと発明しまくる紅蘭。
持ち前の純真な可愛らしさで「お兄ちゃん」と一緒にお見舞いをするアイリス。
付きっきりで看病していた結果仮病を知った後も暖かくすみれを励ますレニ。
遅れている台本さえ出来なければ公演延期ですみれの為によかれと画策するカンナとさくら。
皆の力ですみれの心が解きほぐされ、親方もマリアの説得で無事帝劇に戻り、紅蘭の発明によって完成した舞台の台本。
改めて次回公演へ全員の心が一つになって大団円を迎える。
というお話。
☆舞台について
サクラ大戦自体が帝國華撃団という対降魔部隊の少女達が歌劇団としてのステージを演じるという二重構造になっており、それが更に歌謡ショウにおいては、ゲーム本編を踏まえた上で各々のキャラクターを演じている声優さん達によって繰り広げられるという入り組んだ世界になっている。
更には過去に出されたドラマCDや去年の歌謡ショウから引き続きのネタが全編にふんだんに盛り込まれている。
狂言まわしとしての薔薇組とダンディ団の登場で場面転換中のテンポも軽快。
ステージから目をはなせないうちにあっという間の3時間だった。
お約束の世界が繰り返される事によりいつのまにか「さあ、レビュウ素敵な夢の世界へ……」と誘われて行く。
☆流れ
開演前、非常口から大帝国劇場のはんてん姿でナグリ(金槌)と木箱を抱えた広井王子氏が現われる。
通路の観客達に戯れ言めいた言葉をかけながらステージ上へあがる。
軽妙洒脱な語り口で舞台初日の挨拶。
初日のみあかほりさとる氏も登場。
コラムス2の話。
親方とダンディ団による檄帝・改の振りの変更の説明と練習。
会場の明かりがついたままオーケストラボックスから楽器の音合わせが聞こえてくる。
すでにこの時からステージは始められているらしい。
少しずつ気付いた観客が席につく。
開演ブザーとさくらによるアナウンス、会場の照明が落とされ期待感高まる声援の中、田中公平氏登場。
一瞬の沈黙の後タクトを振り下ろす。
ステージの上に照らし出されていた桜の花びらの照明がミラーボールとスポットライトの眩い輝きへと変わる。
「これがレビュウ!」のイントロにあわせて幕があがり、ステージ上にはレビュウ用の煌めく衣装を身につけた歌劇団の姿が。
やがて曲が進んでいくうちにこれが舞台の練習中の様子であった事が判り、観客はお芝居の世界へと引きずり込まれて行く。
すみれのついた嘘で歌劇団のメンバーは心配し、なんとかよい方向へと画策する。
しかし言葉のはずみですみれは自分の怪我を大道具の所為にしてしまい大道具の親方は辞表を提出して帝劇を去ってしまう。
公演の延期を申し込みに行ったかえでの部屋でカンナが妄想するシーンのすみれのダンス。
妖しいライトに照らされて幕が開くと会場が騒然となる。
彼女がここまでやるとはさすが役者さんはすごいなぁと感動。
すみれの部屋ではレニが看病しているが、様子を見に来るメンバー。
アイリスは大神と一緒に『チチンのプイ』を歌う。
大神のギクシャクした感じの踊りが曲にぴったりで楽しい。
だんだん、自分の事を本当に皆が心配しているのか不安になるすみれに対しレニが『素晴らしき舞台』を歌う。
レニの「さあ、スポットライトを!」の一言で照らし出され自信に満ちた踊りをするすみれ。
公演延期を目論んだカンナとさくらは脚本家金田を浅草に誘い出す。
浅草でダンディのボスと『カモナ浅草!』を歌うさくら。
ボスのタップダンスと後ろの群舞のダンサーが見ごたえあった。
20分休憩のアナウンス。
場内明るくなりグッズを買いに走る人達の中で交わされる「やっぱり今年もあるよね?」という囁き。
10分後「いっちに、いっちに」というかけ声と供にアイリスと大神が登場。
冬服のアイリスと戦闘服姿の大神がお約束のネタを振ってから『この世は楽し』を歌う。
薔薇組、ダンディ団、広井氏などその日ごとにゲストが変わって登場。
オチもその日ごとに違う。
休憩時間終了のアナウンス。
暗くなった会場に再び田中公平氏が登場。
幕が開くと夕焼け空の土手にハモニカのメロディーが流れる。
大道具の親方に帝劇に戻るようにと説得に来たマリア。
マリアらしい台詞が続く中チンピラとの立ち回りのシーン。
ゆっくりと上着のボタンを外し華麗に踊りながら腰のベルトからエンフィールドを抜くマリアの恰好良さ。
親方と縁台に腰掛けちょっと頬を寄せてボーカルから入る『夕焼けの向こうに』。
低めの腰位置でスイングしながら歌うマリアに陶然としてしまう。
後半歌い上げるあたりはクリスマスコンサートのオンリーマンのラストでシャウトする姿を彷佛させる。
マリア(高乃麗さん)の歌の上手さを堪能させてくれるシーン。
一方すみれの部屋ではレニを通じてかえでの真意を察するすみれの横でモノローグするかえで。
薄幕が下がり暗転後『信じられること』を歌い始める。
転調と同時に再び幕が上がり大神、マリア、アイリス、紅蘭、レニ、織姫達が後ろで踊る。
振り付けが楽しい。
ラインダンスになる所でマリアと大神が並んで腕を組んでいた。
カンナ、さくらに帝劇まで連れてこられた脚本家金田が紅蘭の発明で原稿を書き上げる。
紅蘭の歌う『ひらめきの歌』
後ろで踊る全員の振り付けがロボットっぽくてとっても可愛くて楽しい。
最後紅蘭のお約束に入って行く為に全員で後ずさりしながら踊る振り付けも印象的で良かった。
場面は変わって花火の上がる音がし、浅草夏祭りの夜。
かえで、マリア、さくらが浴衣に風呂桶団扇を手に舞台に登場。
客席から歓声があがる。
よもやマリアの浴衣姿が見れるとは思っていなかったので感激。
3人が一度引っ込んだ後、織姫が登場。
更にカンナを除く全員が浴衣姿で登場。
各キャラのファンも私と同じ気持ちだったようで一段と声援があがる。
マリア達も再登場し神輿を担いでいる一団の中に法被姿のカンナも登場。
織姫の『私の夏』にあわせて花組の盆踊り風の振り付け、群舞のダンサーのヨサコイ風の振り付けでステージ上が盛り上がる。
日舞をやっているだけあって、かえでの団扇の返し方がとても綺麗でついつい目線がそちらに行ってしまった。
紅蜥蜴公演前日の夜という設定で、浅草から銀座まで歩いて帰る事となる。
ステージ上手の階段からすみれを先頭に、最後かえでの順で全員が降りてくる。
オーケストラボックスと客席の間で一列に並び、去年もやったお約束の「本所吾妻橋」をする。
今年はひとひねりしてあったのとオチは毎回かえでがつけていた。
千秋楽夜は更にもうひとつひねってあったのが遊び心で楽しい。
帝国歌劇団花組公演「紅蜥蜴」も最終シーンをむかえ悪の化身となった怪盗紅蜥蜴に扮するすみれと名探偵明智小次郎に扮するカンナの対決シーン。
湯川マサエに扮するさくらが捕われているのを紅蘭扮する少年レッドが救出するシーンとその後、マリア扮する紅蜥蜴の手下、怪紳士ドクロXがステージ上に現われる仕掛けがすごい。
どうやっているのか公演4回目でやっと判る。
とにかくすごいなぁと見入ってしまう。
最後、カンナとすみれの歌う『愛は永久に』は最後を締めくくるに相応しい素晴らしい出来だった。
特にカンナの歌い上げる所は背筋がゾクゾクして思わず涙ぐみそうになるほど良かった。
幕が降り、田中氏による演奏者の紹介に拍手が続く。
田中氏が舞台袖に引っ込むと歓声がアンコールに変わる。
幕が上がり『これがレビュウ!』が始まる。
CDではさくら、すみれ、マリアのみだったパートは全員分用意されている。
さくらのチャチャチャ、すみれのマンボ、紅蘭のマーチ、アイリスのフォークダンス、織姫のカンツォーネ、レニのボレロ、マリアのリズム&ブルース、カンナのユンタ、かえでのルンバ。
衣装はマリア、カンナ、レニの3人がタキシード、残りのメンバーがドレス。
幕が降りて再びアンコール。
ダンサーのカーテンコールから始まり、ダンディ団、親方達、薔薇組、大神とかえで、星組、花組の順にステージに登場。
夏服に着替えて来ている。
全員でのカーテンコール後『檄!帝國華撃団・改』が始まる。
観客も総立ちで声援が上がる。
かえでの口切りですみれの挨拶。
さくらの「これをやらなければ歌謡ショウは終われません!」のかけ声で『全国の大神中尉に敬礼!』
深々と頭を下げるメンバーの上に幕が降りる。
再び幕が上がり、声援に応えた後本当に最後の幕が降りる。
会場が明るくなり終了のアナウンスが入る。
初日はマリアの終了アナウンスだった。
それでは気をつけてお帰り下さいという気遣いがマリアらしくて嬉しい。
これは6公演全部人が違ってキャラクターの持ち味を出したアナウンスだった。
二日目昼はレニ。夜は織姫。三日目紅蘭。千秋楽昼カンナ。千秋楽夜すみれ。
初日
2日目昼
2日目夜
3日目
千秋楽昼
千秋楽夜
についてのそれぞれの感想はまた次回、書きます。お楽しみに(^^)