Marialbum2000
1923・6・19
大帝國劇場花組
マリア・タチバナ様
突然お手紙差し上げる御無礼を御許し下さい。
この6月19日がマリア様のお誕生日と知り
是非とも一言お祝いの言葉をお伝えしたく
意を決して筆を走らせた次第でございます。
マリア様お誕生日おめでとうございます。
末長い幸せがマリア様にございますようお祈り申し上げます。
マリア様の出演される花組の舞台、いつも素晴らしく
劇場からの帰り道は雲の上を歩む心地がいたします。
マリア様の凛とした立ち姿、包み込むような歌声。
台詞の一つ一つが脳裏を離れずうっかり蒸気鉄道を
乗り過ごしそうになった事も何度かあります。
特にこの4月よりの「椿姫の夕」「愛ゆえに」「シンデレラ」と
3ヶ月連続での主役、劇場へ通うのが殊の外楽しみでございます。
ただ一つ気掛かりなのは先日の「シンデレラ」の舞台を拝見した際、
マリア様のお顔色がすぐれなかった事です。
心無しか台詞もお辛そうに見受けられました。
もしや舞台が続いて少しお疲れなのではと客席より
要らぬ心配をしておりました。
お節介者の取り越し苦労と御苦笑なさるやもしれませんが
お身体を壊してはいけませんのでくれぐれも御自愛ください。
母の実家の果樹園から届いた今年一番の桜桃を
お見舞いかたがたこの手紙と一緒にお届けしますので
花組の皆様と召し上がってください。
帝都の片隅、マリア様のフアンより
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