A BREAK TIME
チョット 一服


2000/7/25地元誌 「フロンティアタイムス」 亜熱帯に掲載

平成元年以来恒例になった「海からの贈り物」展示会を、札幌西郵便局の好意で、「海の日」をはさんで1週間開かせていただいた。
今年は貝の展示に添えるために、自分をモデルにした人形を作ったが、これが快心の作で、ヒット版疑い無しと自負している。
戦前の話にさかのぼるが、その頃「モク拾い」という職業(?)があった。人はそれを蔑(さげす)んで「ああはなりたくない」と考えていた。
煙草をたしなまない私は拾うことはなかった。が、利用できるものを拾って何が悪い。まだ吸えるものをところ構わず捨ててしまうほうが、よほどどうかしていると思っていた。拾得物として届け出る必要のないもんで、気に入ったものが落ちていたら、私は絶対に拾う。
海辺には沢山の漂流物が打ち上げられている。まさに、お宝である。
「モク拾い」と「貝拾い」の共通した醍醐味・・・。それはその時の自分にとって心を満たしてくれるものがタダで手に入るってことに尽きる。
貝拾いの人間を我々の専門用語(?)で「磯乞食」という。今では差別用語として禁じられているらしいのだが、私個人の意見としては、心温まる和やかな、そしてユニークな人物を想像する。やっぱり私は変な人間なのだろうか。
炎天下で貝拾いに夢中になっていると、汗臭くはた迷惑になって申し訳ない。それで人形には、オーデコロンの少し残っている小びんに「ボロは着てても心は錦」との茶目っ気コメントを添えて立てかけた。
二千年のヒット版として登場した人形の名は「磯乞食」。これが私の本来の姿なのである。


『磯乞食』
収穫物


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