report & column
川原六十夫のレポート&コラム
頸損と家族の会・北海道 北国の頸髄損傷・重度脊髄障害広場
手記二編(OTジャーナル)
北海道、冬の暮らし 雪が積もるといよいよ公共交通機関の利用は困難になり、専らクルマでの移動となりますが、とにかく冬道は時間がかかります。ひどいところになると道幅が半分以下になっていたりしますし、もちろん低速走行ですので、夏場の倍以上かかってしまうことも少なくありません。さらに路面がデコボコで激しく揺れたり跳ねたりするためバランスを保つのに必死で、乗せてもらうだけの身とはいえ相当に疲れます。寒さの影響も加わって首と肩なんかコリコリ。事故も多発しますのでドライバーもキツイです。 また家族や介助者には除雪という大仕事が加わります。これはホントに大変な作業で体を壊してしまう人もいるので、何も出来ない私などは天気予報に雪だるまマークが出ないようただひたすら念じ続ける日々を送るのです。
全国頸髄損傷者連絡会機関誌「頸損」No.87(2005年11月発行)より
音声認識ソフト使い始めました
ついに私も音声認識ソフトを使い始めました。発売当初から使ってみよう、使ってみようと思いつつ、なかなかパソコンショップまで足を運ぶ機会がなかったので、いつものように延び延びになっていました。 私が使用しているのは、IBMのViaVoiceミレニアムです。実際に使用してみた感想としては、これがまぁ、とっても便利!!!特に私のように上肢の機能障害が顕著で、キーボードからの入力に結構苦労している者にとっては、とても強い味方になってくれるように感じています。ただし、キーボード入力が不自由なくこなせる人には、まどろっこしいかもしれません。 最初のセッティングが少々面倒ではあるものの、使うごとに内蔵辞書が学習していくので認識率もどんどん向上していきます。もちろん、ひとつの間違いもなく思った通りに入力するというのはまず無理ですが、それでもコツさえつかめば、8割ぐらいは正確に入力することができると思います。
店頭価格で約8,000円(マイク付き)〜使用する機種により対応する製品と価格が異なります〜でした。
2001年3月、北国の頸損かわら版への投稿から
筏義人京大名誉教授の講演を聞いて
7月21日、札幌市教育文化会館で行われた京都大学再生医科学研究所名誉教授・筏義人氏の講演会「人のからだはどこまで再生できる?」に行って来ました。 講演では50枚以上のスライドを使い、再生医学の歩みから現状、未来への展望などについて語られました。中枢神経については言及されませんでしたが、ほんの数ヶ月前に米国の研究者が手指の関節の再生に成功したとの紹介があり、再生は単一の器官ごとでという漠然とした認識しか持ち合わせていなかった私には、複数の器官によって構成される関節が再生されたことは大きな驚きでした。 教授は、この分野における進歩は確かに目覚ましいものがあり、この先どうなっていくのか予測は難しいが、基礎的な研究の成果が臨床応用に直結するわけではなく、再生医学に対する過度の期待は禁物であると強調されていました。 我々もクールに注目していきましょう。
1999年7月、せきずい基金ニュースより
「切断脊髄接合手術〜自家末梢神経移植法」
埼玉医科大学脳神経外科(長島親男教授)は、前ジョージタウン大学脳神経外科学教授カール・シー・ケイオー医師と共同で、アメリカンフットボール試合中の事故で頸髄を損傷、四肢麻痺となったラルフ・モンテマロさん(29歳、米ニューヨーク州ロチェスター市)に切断脊髄接合手術を施行しました。 この手術は、切断された脊髄の両断端部を切除し、両断面に患者自身の腹部から採取した10数本の末梢神経を移植して接合させた後、同部に大網膜を移植するというもので、これが世界初の症例です。 切断脊髄接合手術(自家末梢神経移植法)その後の経過 埼玉医科大学付属病院脳神経外科で行なわれた切断脊髄接合手術(第8号にて報告)の経過と予後について、手術当時の主任教授であった長島親男先生にお尋ねしました。 移植部に電位差は認められたが、現在のところ臨床的には変化は見られないということでした。長島先生は既に退官されており、その後はこの手術も行われていませんが、ワシントンDCのDR.カウが同じような研究をしているそうです。 何か新しい知見が得られれば、お聞きしたい旨お願いしました。
1998年10月、北国の頸損かわら版より
環境制御装置(ECS)の活用について
北海道頸髄損傷者連絡会レポート集(1997年)に掲載したものから情報として古くなった部分を削除しました。(2010-11-3)
環境制御装置ECSは、その名の通り温度・明暗・体位といった基本的な生活環境を自らの操作でコントロールできるようにするための装置です。いくら麻痺が高度な四肢麻痺者であっても、他者の手を借りずに自分自身で行える動作はひとつでも多い方が良いと考えるのは私だけではないでしょう。 現在のECSにおいてその適応と考えられるのは、自力によるトランスファーや体位の変換が行えず、通常の操作方法では身の回りの電化製品を操作する事ができない、または体位によって操作不能になってしまうといった重度の四肢麻痺者です。 私自身も頸髄損傷による重度四肢麻痺で、環境制御装置を利用している1人です。生活の全てに全介助を要しますが、ECS導入後は単独で過ごす事が苦ではなくなり、その時間も大幅に増えました。 ECSによって制御可能となる動作の具体例としては、テレビ・ビデオ・オーディオ・扇風機等の一般的な家電製品の操作全般、電動ベッドの操作(背・膝部分の上げ下げ、高さ調整、体交補助機能等)、電話(かける・受ける)、インターホン通話、電気錠(解・施錠)、冷暖房(ON/OFF、温度・強弱の設定)、室内照明(ON/OFF、明るさ調整)、電動カーテン・ブラインドの開閉等が挙げられます。またECSとHA(ホームオートメーション)システムとを組み合わせる事により、玄関の呼び鈴にハンズフリーのインターフォンで応答し、テレビの画面で来客を確認して玄関ドアの電磁ロックを開/施錠させる等という一連の動作を、呼(吸)気スイッチやタッチ・センサーを介して四肢麻痺者自身がベッドにいながらにして行えるようになります。 ECSはまだまだ高価であるうえに重度障害者に対する日常生活用具の給付対象に指定されていないという問題はありますが、高度の麻痺を有する当事者自らが基本的な生活環境を制御する事を可能にし、その結果として介助者の負担を軽減させられるという事によって得られる精神的充足感には計り知れないものがあるように思います。 ●呼気スイッチ設置の工夫 現実の問題としてECSを必要とするようなレベルにある四肢麻痺者では、どうしてもベッド上での生活が中心になってしまいます。したがって呼気スイッチはベッドあるいはベッドサイドに設置する事になります。ECSによって電動ベッドを自分で操作できる訳ですから、いかなる体勢にあっても口元に呼気スイッチが位置するように設置する必要がありますが、不随意運動等によって身体自体が変位してしまうとスイッチが口元から離れてしまう恐れがあります。マットに呼気スイッチを固定させるためのステーが用意されていますが、ベッドメイキングの度に取り外さなくてはならず面倒です。
私は適当な長さに切断した直径6mmのビニールチューブを呼気スイッチの吹き込み口に差し込み、もう一方の先端をマジックテープのついた布製ベルトで手背に固定して必要に応じて口元に運び操作しています。私の場合にはベッド上における全ての体位で呼気スイッチの操作が可能で、パソコンのキーボード入力等をする際に手首に装着するデヴァイスもこのベルトで固定しており、キーボードを叩きながらECSを作動させています。 チューブの長さの調節によっては車椅子に乗った状態でもECSの操作が可能になるので、片手だけでも顎部まで動かす事のできる人には便利な方法だと思います。また手の可動域に制限のある人の場合でも、チューブをヘッドセットに固定する等して応用できます。ビニールチューブはホームセンターで購入し、汚れる度に交換しています。
「重度四肢麻痺者、特に高位頚髄損傷者がMacを操作するためのデバイス・アクセシビリティ」(北海道頸髄損傷者連絡会レポート集、1997年)は、情報としては内容が古くなったため削除しました。(2010-11-3)
環境制御装置以外の生活支援機器(2002)

電動リクライニング車椅子 
電動車椅子のコントロールボックス スティックレバー 左:速度調節 中央:主電源 右:リクライニング 
デバイスその1 ポインティング用 
デバイスその2 ブラッシング(電動歯ブラシ)用 
デバイスその3 水分補給用 
ブックホルダー
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