北国の頸髄損傷・重度脊髄障害広場
 2007年の
関連トピックス


電動式介護ベッド燃える、83歳女性が重傷…横浜

2007年12月29日 読売新聞
 29日午前5時15分ごろ、横浜市磯子区滝頭、無職神鳥ハナイさん(83)方の1階居間にある電動式介護用ベッドから出火、ベッドで寝ていた神鳥さんが下半身に重傷を負った。
 ベッドの足元裏にあるモーター付近が燃え、その上の布団が焦げており、磯子署で詳しく出火原因を調べている。同署によると、ベッドは電動で上半身が起き上がるタイプ。神鳥さんは一人暮らしで、訪問介護を受けていた。

電動ベッドの可動部にはさまれ4歳男児が窒息死

2007年12月26日 朝日新聞
 今月9日、愛知県に住む男児(4)が、中国製電動リクライニングベッドのマットレスと天板の間に首を挟まれて窒息死していたことが26日、国民生活センターの調べで分かった。同センターは事故を起こしたベッドで操作テストをして事故原因を調べている。
 同センターによると、今月9日午後2時ごろ、男児が自宅和室で、電動リクライニングベッドのマットレスと木製天板の間に首を挟まれた状態でいるのを父親が見つけた。病院搬送後、低酸素脳症で死亡した。ベッドは母親が体調不良の時に休憩用として使っていた。
 このベッドは通信販売会社「ベルーナ」(埼玉県上尾市)が中国から輸入、販売した電動式ベッド「ネオ・ユニバーサル」。今回の事故を受けて販売を中止した。05年3月以降、同タイプの製品は約9000台販売しているが、今回のケース以外に事故の報告は無いという。
 同センターによると、事故直後に、父親からセンターにメールで情報提供があった。センターによると、ベッドはリモコンでマットレスを昇降させる仕組みで、事故防止のための安全装置は付いていなかった。
 父親の説明によると、事故を起こしたベッドは、リモコン機器に震動を少し与えただけでマットレスが勝手に下がったり、リモコン操作ボタンがある面を下にして置いただけでマットレスが動いたりした。センター職員が男児宅で調査中も、リモコン操作しないのに突然、マットレスが動き始めたという。同センターは、同タイプのベッドを使用しない時はコンセントから電源コードを抜くよう呼びかけている。
 国内大手のフランスベッドの品質管理担当者によると、同社製の電動リクライニングベッドには安全装置が付いており、マットレスが下がる時に障害物があると、逆方向に動いて挟み込み事故が起きないようになっているという。

iPS細胞で脊髄損傷のマウスの症状が改善 慶大チーム

2007年12月25日 朝日新聞
 慶応大学の岡野栄之教授(生理学)は25日、京都市で開かれたシンポジウム「多能性幹細胞研究のインパクト」で講演し、京都大との共同研究で、脊髄(せきずい)を損傷したマウスに、iPS細胞から分化させた神経前駆細胞を移植し、症状を改善できたことを明らかにした。
 岡野教授らのチームは、胸髄損傷により後ろ脚がまひしたマウスに対し、マウスの体細胞を使ってつくったiPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を損傷後9日目に移植した。その結果、症状は、後ろ脚に体重をかけられるまでに回復したという。腫瘍(しゅよう)はできなかった。また、神経前駆細胞が神経細胞に分化するだけでなく、移植を受ける側の神経の再生も促していることも分かった。
 iPS細胞が実際に治療に使えるかどうかについては、マサチューセッツ工科大のチームが重症の貧血のモデルマウスを使って症状改善に成功している。脊髄損傷の再生医療をめぐっては、米国では来年にもES細胞を使った臨床試験が始まる見通しだ。

ハーバード大もiPS細胞作製、臨床応用へさらに一歩

(2007年12月24日 読売新聞)
 人間の皮膚からさまざまな臓器・組織の細胞に変化できる新しい万能細胞(iPS細胞)を作り出すことに米ハーバード大のチームも成功した。英科学誌ネイチャー電子版に23日掲載される。
 京都大の山中伸弥教授らが作ったiPS細胞は、研究用に市販されている大人の皮膚細胞などを材料にした。米ウィスコンシン大は新生児の皮膚を使った。ハーバード大は、成人男性の手のひらから直接採取した皮膚細胞を用いており、さらに臨床応用に一歩近づく成果という。

iPS細胞研究に5年で100億円投入 文科省

2007年12月23日 朝日新聞
 文部科学省は22日、来年度、万能細胞(iPS細胞)研究に約22億円を投入することを決めた。支援を継続して5年間で総額約100億円を投入する。
 京都大の山中伸弥教授らのチームが、人の体細胞からiPS細胞の作製に成功したことを受けたもので、今年度の約2億7000万円を大幅に上回る。同日の予算案復活折衝で、iPS細胞研究を含む「再生医療の実現化プロジェクト」に10億円上積みの計20億円が認められた。10億円が、iPS細胞を用いた治療や細胞操作技術の開発などに充てられる。
 また、科学技術振興機構が設ける「iPS細胞等の細胞リプログラミングによる幹細胞研究戦略事業プログラム」に約10億円、科学研究費補助金の特別推進研究「細胞核初期化の分子基盤」などに約2億円。
 直接的な支援の約22億円とは別に、山中教授が加わる世界トップレベル研究拠点プログラム「物質―細胞統合システム拠点」にも人件費などの研究環境整備として来年度約14億円、5年間で約70億円が投入される。

iPS細胞 京大に研究センター 文科相が支援表明

2007年12月18日 朝日新聞
 京都大の山中伸弥教授らが人の体細胞から作った万能細胞(iPS細胞)の研究支援について、渡海文部科学相は18日の会見で、京都大にセンターを設置して臨床研究も含めた研究を促進する体制が必要との考えを示した。20日の科学技術・学術審議会のライフサイエンス委員会で専門家の意見を聞き、支援策をまとめる。
 iPS細胞は、さまざまな組織の細胞に分化する能力を持つとされる。将来的に再生医療などの臨床に生かすためには、各種の細胞への分化誘導法や安全性の確認など各分野の研究者の協力が必要とされている。
 渡海文科相は、新しいセンターについて「iPS細胞を滞りなく各分野の研究者に提供していくイメージ」と述べた。iPS細胞の大学外の提供には知的所有権の問題があるが、「いろんな課題を解決してスピーディーに研究が進む体制を作りたい」と話した。
 iPS細胞の研究は、昨年夏にマウスでの成果で京大が先行した。だが、先月21日に発表した人の細胞からの作製では、米国と同着となるなど海外の研究者が激しく追い上げており、山中教授が渡海文科相に危機感を訴えていた。渡海文科相は、今年度の予算で、これからも配分が可能な競争的な資金を利用して、支援を急ぐ考えも示した。
 山中教授は、これまで文科省以外にも、内閣府、総合科学技術会議などで、共同研究の核となるセンターの必要性を繰り返し訴えてきた。

療養中の娘、高齢の母が介護 福岡・福智町の団地火災

2007年12月09日 朝日新聞
 福岡県福智町赤池で8日未明、町営伏原団地の1室が全焼し、女性2人の遺体が見つかった火事で、遺体はこの部屋に住む無職柳内美保さん(54)と近くに住む母親の田中スヱ子さん(84)の可能性が高いことが県警田川署の調べで分かった。焼死とみられ、9日に司法解剖して死因を調べる。
 調べでは、建物は鉄筋コンクリート2階建てで8世帯が入居でき、各世帯が1、2階を使う構造。実況見分の結果、2階部分の燃え方が激しいことがわかった。
 近くの住民らの話では、柳内さんは一人暮らし。10年以上前に腰を痛めて下半身が不自由になり、寝たきりのような状態だったという。田中さんも近くの別の団地で一人暮らしをしており、週5回ほど柳内さんを訪ねて買い物や掃除など身の回りの世話をしていた。柳内さん方に泊まることも多く、出火当時も一緒にいたらしい。

iPS細胞から作る卵子や精子 受精など禁止の方針
2007年12月07日 朝日新聞
 胚(はい)性幹(ES)細胞による基礎研究のあり方を検討している文部科学省の専門委員会は7日、京都大が作製に成功した人工多能性幹(iPS)細胞からできる精子や卵子を受精させて胎内に戻したりすることを、ES細胞同様、禁止する方針を確認した。次世代に影響を残し、社会にも不安があることから行うべきではない、と意見が一致した。
 一方、iPS細胞からできる精子や卵子を使って不妊症などの基礎研究を進めることには、認めるべきだとの意見と慎重にすべきだとの意見が出て、引き続き議論していくことになった。

関節リウマチ薬79人死亡 「エンブレル」投与後

(12/06 北海道新聞) 関節リウマチの治療薬エンブレル(一般名エタネルセプト)の投与後に死亡、薬との因果関係が否定できないとされた患者が79人に上ることが、製造販売元のワイス(東京都品川区)の調査で6日、分かった。
 エンブレルは関節リウマチの痛みや炎症を抑える薬で、ほかの治療薬で効果がない場合に使う。免疫抑制作用があり、添付文書で、結核や敗血症などの感染症が悪化するなどして、致命的な経過をたどる恐れがあると警告している。厚生労働省安全対策課は「情報収集し、必要な対策を検討する」としている。
 ワイスによると、2005年3月の販売開始後からこれまでに約2万人が使用、約840件の副作用報告が寄せられた。因果関係が否定できない死者は、11月30日までの報告で79人。20−80代の男女で大半は60代以上だった。

障害年金引き上げを検討へ 与党PT 数千億円の財源は示さず

(12/05  北海道新聞) 障害者の自立支援策を検討している与党のプロジェクトチーム(PT)は4日、障害者に支給する障害基礎年金を早ければ2009年度にも引き上げることを検討する方針を固めた。近くまとめる報告書に盛り込みたい考え。
 障害基礎年金は障害の程度に応じて1級で年約99万円、2級で年約79万円が支給される。PT案では「例えば、2級の支給額を1級の水準まで引き上げ、1級もさらに引き上げる」としている。その場合、給付額は年間数1000億円増えるとみられ、消費税増税など財源の確保が必要となるが、具体的な財源の見通しは示されていない。次期衆院選を意識したアピールの側面も強く、実現するかどうかは不透明だ。
 06年に施行された障害者自立支援法では、3年後に当たる09年度に制度を見直すことになっており、PTは検討項目の一つに「障害者の所得保障」を挙げている。

障害者雇用 北大が法定数不足32人 国立大でワースト2位

(12/04  北海道新聞) 北海道労働局は、道内の企業や自治体などに一年以上雇用されている障害者の雇用状況(六月一日現在)をまとめた。北大は、法定雇用人数の七十七人を三十二人下回り、不足数が全国の国立大学法人のうち大阪大に続き二番目に多かった。障害者雇用が義務付けられる従業員五十六人以上の道内企業二千四百八十三社と自治体、国立大学法人を対象に調べた。道内で雇用されている障害者数は昨年より三百三十六人多い七千四百十九人。
 国立大など特殊法人の法定雇用率は2・1%。北大は労働者数三千七百七人のうち、障害者数は四十五人で1・21%だった。札医大も法定数より十四人少ない二人だった。道内国立大の平均は1・3%で、法定率を大きく下回った。民間企業は1・7%と法定率(1・8%)を九年連続で下回ったが、全国平均の1・55%を上回った。自治体のうち道や市町村は2・4%と法定率(2・1%)を上回ったが、教育委員会は1・56%と法定率の2%に届かなかった。

ILO、障害者雇用で勧告検討 国内法定基準に満たず
2007年12月03日 朝日新聞
 一定割合の障害者の雇用を義務づける法定雇用率を日本企業が下回り続けている状況について、国際労働機関(ILO)が是正勧告を出すかどうかの検討に入ったことが2日、わかった。勧告に強制力はないが、日本政府は国際的な批判を受けかねず、対応が求められそうだ。
 ILOは、全国福祉保育労働組合が障害者の雇用促進を求めて行った是正勧告の申し立てを先月、正式に受理。労使代表らが加わる審査委員会も設置した。日本政府や組合が提出する障害者雇用に関する資料をもとに、勧告について判断する。
 ILOの「障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約」は、批准国に障害者の雇用機会の増進に努めるよう求めており、日本は92年に批准した。しかし、日本の民間企業(従業員56人以上)の07年の障害者雇用率は1.55%で、76年に障害者雇用が義務化されて以来最高だったが、法定雇用率(1.8%)は未達成となっている。同労組は是正勧告を求めた申し立てでこれを批判。障害者に福祉サービス利用料の原則1割負担を求める障害者自立支援法も条約違反だと、撤廃を求めている。
 日本障害者協議会の藤井克徳常務理事は「国際機関の評価を得て政府に是正を求めたい」と話す。厚労省は「今後、政府の見解を審査委員会に提出する。現時点ではコメントできない」としている。

診療報酬 リハビリに成果主義 回復期病棟で 厚労省案

2007年12月01日 朝日新聞
 厚生労働省は30日、脳卒中などの後遺症を改善するために集中的にリハビリテーションをする「回復期リハビリ病棟」の診療報酬について、成果主義導入の方針を中央社会保険医療協議会に提案した。患者の回復度に応じて医療機関が受け取る報酬に差をつける。リハビリの質向上と医療費削減の両立が狙い。厚労省は今後同様の方式を広げていくことを検討する。
 現行では、医療の質は、施設面積や専門職の数など外形的に判断、基準以上なら診療報酬に加算する方式。治療結果は反映されていない。
 回復期リハ病棟は、脳卒中や骨折などで後遺症が出た患者に対し、生活動作の向上や社会復帰のためにリハビリを集中して行う。改善が見込める患者が集まるため、同省は、改善度合いを測りやすいとみている。
 厚労省の案によると、病棟ごとに全入院患者の平均データをとり、一定の数値を満たした病棟には報酬を上乗せし、未達成なら現行より引き下げる。指標に(1)在宅復帰率(2)重症度の高い患者の入院率(3)退院時と入院時での日常生活機能の改善率などが検討されている。
 だが、医療機関の中には、数値を重視するあまり、回復が遅い認知症高齢者などの入院を拒むところが出る恐れもある。患者選別の懸念について、厚労省は「重症者を入れることを条件にすれば起きない」。今後は、療養病棟でケアの質に応じて報酬を上乗せすることも検討している。
 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会の石川誠会長は「質を高めるためには成果主義の導入は一つの手法だ。各病院がデータをごまかすことがないような仕組みをどうつくるかが成功のカギになるだろう」。一方、日本福祉大学の二木立教授(医療経済学)は「入院拒否の可能性を考えれば、専門職を増やした施設への加算を高くして質を担保するのが現実的」と話す。

がん遺伝子なしで万能細胞作製 京大チーム、応用に一歩
2007年12月01日 朝日新聞
 体の細胞から万能細胞(iPS細胞)をつくる際に使う「がん関連遺伝子」なしでも万能細胞をつくることに、京都大・再生医科学研究所の山中伸弥教授らが成功した。この万能細胞をもとに生まれたマウスを育ててもがんにならないことを確認。同じ方法で人の万能細胞もつくったという。同グループは先月、世界で初めての人のiPS細胞づくりを公表したばかりだが、臨床応用に向け課題といわれた安全性の問題を一つ解消したことになる。1日発行の米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に発表する。
 山中教授らは、皮膚の細胞に四つの遺伝子を組み込み、万能細胞をつくる手法を確立した。ただ、がん発生にかかわるとされる遺伝子c―Mycを含んでいた。この手法でつくった万能細胞をもとに生まれたマウスでは2割に腫瘍(しゅよう)ができた。
 今回、c―Mycを除いた残りの3遺伝子だけを皮膚細胞に入れる実験を実施。培養条件を見直し、新しい万能細胞をつくった。この万能細胞を使って生まれたマウス26匹を100日間育てたが、1匹もがんにならなかった。一方、c―Mycを含む場合では、37匹中6匹にがんができた。
 ただ、今回の手法でも安全性の問題が解決されたわけではない。山中教授は「皮膚の細胞に遺伝子を送り込むのにウイルスを使うので、がんを引き起こす可能性は残っている」と話している。

万能細胞、再生医療研究を加速 文科相

2007年11月27日 朝日新聞
 京都大のチームが人工多能性幹細胞(iPS細胞)を生み出した研究成果を受けて、渡海文部科学相は27日の閣議後会見で、「科学技術・学術審議会のライフサイエンス委員会を早急に開き、研究体制について議論していただきたい」と述べ、研究加速のための検討に着手する考えを示した。
 文科省によると、再生医学研究の加速のために、効率的に推進する体制作りや、どのような研究資金や国の支援のあり方が求められるかを速やかに検討することが必要だという。 渡海文科相は「ゲノム解読の時のように、日本が走っていながら、アメリカに追い越されたような轍(てつ)を踏まないように、しっかりと研究体制を整えたい」と話した。

道内6億5000万円 生活保護費不正受給 昨年度 道、調査強化を検討
(11/25 北海道新聞) 二○○六年度の道内の生活保護費不正受給額が過去五年で最高の約六億五千万円に上ったことが、道などの調べでわかった。最近発覚した、滝川市内の夫婦らが生活保護受給者の交通費補助制度を悪用して同市から介護タクシー料金などをだまし取っていた巨額不正受給のケースは含まれていないが、それでも○五年度より一億七千万円増えており、給与と保護費を二重取りしようとした例が多かった。
 道は滝川市の事件を受け、受領額の多い世帯を重点的に抽出調査する検討に着手した。生活保護費は、道のほか、札幌、旭川、函館の三市が独自に集計している。昨年度の生活保護受給世帯は計約九万千二百世帯。不正件数は千三百四十件で、額は六億五千百五十九万円に達した。
 不正受給額は、福祉事務所が受給者の納税調査などを進めている効果などから、○二年度以降三年連続で減少していた。昨年度、不正額が増加した理由について、道は、函館市の医療法人が医療扶助費約九千八百万円を過大に請求していたケースなど、「医療扶助費を悪用した不正で増加した可能性がある」(保健福祉部)としている。
 道所管分の内訳は、所得がありながら申告しなかったケースが約六割と最も多く、所得の過少申請と、年金を受給しているのに金額を報告しなかった例がそれぞれ約一割だった。
 滝川市の事件では、不正受給額は○六、○七年度で二億円を超えると滝川署はみているが、道は「滝川の不正受給のように、受給世帯と業者が結託して多額の保護費をだまし取る極端な例は少ない」とし、介護タクシーをめぐる不正受給も他にほとんど例はないとしている。
 不正受給は発覚した年度に統計に計上するため、滝川市の事件の不正受給額は○七年度の統計に入る見通しだ。
 道は滝川市の事件を受け、福祉事務所を対象に行っている従来の監査に加え、受領額の多い世帯を重点的に調べることを検討。札幌市なども、悪質な場合、警察への被害届提出や告発を迅速に行うよう徹底していく考えだ。

人間の皮膚から万能細胞 京大教授ら、再生医療へ前進

2007年11月20日 朝日新聞
 人の皮膚細胞などに複数の遺伝子を組み込み、各種の組織のもとになる万能細胞(人工多能性幹細胞=iPS細胞)をつくることに、京都大・再生医科学研究所の山中伸弥教授らが成功した。21日、米科学誌セル(電子版)に発表する。米ウィスコンシン大も同日、米科学誌サイエンス(電子版)に同様の成果を発表する。人間の体細胞から万能細胞ができたことで、臓器や組織を補う再生医療が現実味を帯びてきた。
 代表的な万能細胞の胚(はい)性幹(ES)細胞は、生命の萌芽(ほうが)である受精卵を壊してつくるので批判が根強い。山中教授と高橋和利助教らは昨年8月、マウスの皮膚の細胞に四つの遺伝子を組み込み、世界で初めてiPS細胞を作製。受精卵を壊す必要がなく、倫理問題が少ないとして注目された。
 山中教授らは今回、成人の顔の皮膚の細胞や関節にある滑膜の細胞に、マウスの場合と同じ四つの遺伝子を導入。人やサルのES細胞の培養用の増殖因子を使ったり、マウスより長く培養したりして、人間のiPS細胞をつくるのに成功した。この細胞が、神経細胞や心筋細胞、軟骨などへ分化できることも確認したという。山中教授は「再生医療の実現にはまだ少し時間がかかるが、ねらった細胞に効率よく分化させたり、安全性を高めたりして、臨床応用につなげたい」と話している。
 一方、米ウィスコンシン大のチームは、山中教授らの4遺伝子のうち二つを別の遺伝子にして、新生児の皮膚細胞からiPS細胞をつくった。

架空のタクシー通院1億円 滝川 保護費詐取3人逮捕 道警
(11/20 北海道新聞) 生活保護受給者が通院時に利用できるタクシー代の補助制度を悪用し、滝川市から多額の交通費を不正に受け取っていたとして、滝川署は十九日、詐欺の疑いで、札幌市北区北三二西六、介護タクシー会社役員板倉信博(57)ら三容疑者を逮捕した。同署などは、板倉容疑者らが総額約一億円をだまし取ったとみて、全容解明を進める。ほかに逮捕されたのは滝川市黄金町東三、無職片倉ひとみ(37)、札幌市白石区東札幌二の六、介護タクシー会社社員小向敏彦(40)の両容疑者。
 調べでは、板倉容疑者らは共謀、十月二十六日から今月一日まで、生活保護を受けていた片倉容疑者が通院のために、滝川市の自宅から札幌市内の病院まで介護タクシーを利用したと偽り、滝川市福祉事務所から総額百五十万円をだましとった疑い。滝川から札幌までは片道で約百キロあり、一往復につき二十五万円を不正に受け取っていた。
 生活保護受給者は、自家用車の所有が認められていないため、通院の際にタクシーを利用した場合、費用全額の補助を自治体に請求できる。自治体は病院とタクシー会社の双方から利用した事実を確認し、タクシー会社に代金を支払うことになっている。
 板倉容疑者らはこの制度を悪用。片倉容疑者は実際は今秋から札幌市中央区のアパートに住み、同市内の病院に通っていたが、板倉容疑者が役員を務める介護タクシー会社「飛鳥緑誠介(あすかりょくせいかい)」(札幌市北区)の車で、滝川−札幌間を往復したように見せかけ、市側に交通費を請求していた。
 片倉容疑者の夫と知り合いだった板倉容疑者が、小向容疑者に指示し、滝川市福祉事務所への申請業務を行っていたという。片倉容疑者は昨年三月に札幌市から滝川市に転居、同市から生活保護を受ける一方、同年十月から内臓などの病気で札幌市の病院に通院していたが、今秋に札幌に再び引っ越したらしい。

脊髄損傷の回復へ脳がんばる 生理学研、画像で初確認

2007年11月16日 朝日新聞
 脊髄(せきずい)の一部が傷つき一時的に指を上手に動かせなくなった際、リハビリによる回復過程で、本来は使われないはずの脳の領域の活動が高まっている様子を、生理学研究所(愛知県岡崎市)の伊佐正教授らがサルを使った実験で初めて画像にとらえた。16日付の米科学誌サイエンスで発表する。より効果的なリハビリ法の開発につながる可能性がありそうだ。
 サルの脊髄の一部を傷つけ、一時的に人さし指と親指で食べ物をつまむことができなくする。リハビリをさせると、傷を受けなかった神経が働くようになり、3カ月程度で回復する。その過程の脳の働きを、血流量から活動領域を明らかにする装置で調べた。
 右手でつまむように訓練を受けたサルで右手が使えなくなると、回復初期の1カ月には、右手の動きをつかさどる左の脳の領域だけでなく、右手とは無関係なはずの右側の脳も活動した。3カ月後、回復が安定すると、本来使う側の左の脳の活動がさらに高まることがわかった。失われた機能をなんとか回復しようと脳が働く様子をとらえたのは初めてという。
 伊佐さんは「それぞれの脳の部位が、回復に対して果たす役割がわかってくれば、効果的なリハビリ法ができるだろう」といっている。

医療事故、ミスが2143件 道立病院4−9月

(11/01 北海道新聞) 道は三十一日、道立子ども総合医療・療育センターを含む道内八カ所の道立病院で、四−九月の間に起きた医療事故と、事故には至らなかった医療ミスが計二千百四十三件に上ったと発表した。昨年十月から今年三月まで(前期)に比べ五百四件増え、公表を開始した昨年度以降、最多となった。
 死亡事故(前期一件)はなかったが、医療事故は百五十一件(同百二十五件)で、このうち、病院側に過失があり高度な治療が必要となった医療過誤は一件(同二件)あり、血管手術の際に体内にガーゼを放置し、退院後に発覚し再手術した。理由について、道は「医師が手術の連続で、疲労が極めて高かった」と説明している。
 また、医療ミスは千九百九十二件で前期に比べ四百八十七件増えた。主な事例では、点滴の接合部が外れていたり、投与する薬の種類を間違え事前に気づいたりするなどの例があった。

療養病床 6500床、老健などに転換 道が素案、削減総数8700床

(10/30 北海道新聞) 医療費抑制に向け国が削減方針を示している療養病床について、道は二十九日、二○一一年度末までに道内に約二万七千ある病床の三割に当たる八千七百床を削減し、このうち六千五百床を介護施設などに転換する目標を明らかにした。同日、札幌市内で開かれた道地域ケア整備・療養病床再編検討委員会に素案として提示した。
 素案によると、現行の約二万七千床のうち、介護保険が適用される「介護型」の総数分にあたる約八千七百床を削減し、医療保険が適用される「医療型」療養病床の総数は現状の一万八千七百床を維持する。削減分は、約千三百床を急患などを受け入れる一般病床に転換。「介護型」病床の削減に伴う受け皿として約六千床を老人保健施設(老健)、約六百床を特別養護老人ホーム(特養)などに転換し、約八百床は廃止するとした。
 国の方針では、道内の療養病床全体で一万床以上の削減が必要となるが、道は積雪や過疎など道内の地域性を考慮し、道民の医療を確保するため療養病床の大幅な削減は困難と判断。「医療型」の総数を現状維持とした。介護施設への転換など今後の対応については、八月に医療機関に対して行った意向調査を考慮し進めるとしている。
 道は次回の検討委で素案をまとめ、年内に構想を策定する方針。国は療養病床について、一一年度末までに現在の三十八万床を十五万床に減らす方針を打ち出している。

佐賀「けんか祭り」で大けが、男性が主催者役員を提訴

10月27日  読売新聞
 佐賀県伊万里市のけんか祭り「トンテントン」の昨年10月の合戦で脊髄(せきずい)損傷の大けがを負い、下半身まひになった同市内の男性(22)が、祭りを主催する「トンテントン祭奉賛会」(渋田正則会長)と、渋田会長ら当時の役員5人を相手取り、5000万円の損害賠償を求めて29日にも佐賀地裁に提訴する。
 トンテントンの合戦は大正時代に始まったとされ、重さ600キロ近い「荒神輿(あらみこし)」と「団車(だんじり)」をぶつけ合う勇壮な合戦がメーン行事で、毎年負傷者が続出している。昨年は地元の男子高校生(当時17歳)が横転した団車の下敷きになって死亡する事故も起きた。
 訴状などによると、男性は昨年10月22日、担いでいた団車の下敷きになった。男性側は「主催者側は死傷者が出ることを予測できたのに、十分な事前研修などの安全対策を取らなかった」などと主張している。

療養病床3割削減 道方針 介護施設に転換へ

(10/24 北海道新聞) 医療費抑制に向け国が削減方針を示している療養病床について、道は二十三日、道内に約二万七千床ある療養病床のうち三割程度を二○一一年度末までに削減する方針を固めた。九千床程度とみられる削減分は、老人保健施設などへの転換を目指す。国の方針に沿うと、療養病床は五割近い削減が必要になるが、道は面積が広大な道内の地理的特性などを考慮し、一定の病床数の確保が必要と判断した。
 二十九日の「道地域ケア整備・療養病床再編検討委員会」に素案を示し年内に構想をまとめる。
 長期の患者を受け入れる療養病床の削減は、医療サービスの必要性が低い患者を、医療コストの安い介護施設や在宅に移し、医療費を抑制するのが狙い。国は昨年、一一年度末までに二種類ある療養病床のうち、二十五万床ある「医療型」を十五万床に削減、十三万床ある「介護型」を全廃する方針を打ち出した。
 今年四月一日現在の道内の療養病床数は医療型が約一万八千七百床、介護型が約八千七百床。国の計算式では道内は計一万床以上の削減となるが、道は病院までの距離が遠いという地理的条件や冬季間の患者の受け皿が必要な点を考慮し、医療型は現状の数を維持する考え。今後、厚生労働省と協議するとともに、二十一医療圏ごとの病床削減数や、介護施設への転換目標をまとめる。しかし、国が転換促進に向けて打ち出している支援措置は未定の部分が多い。医療関係者からは「転換後に経営が成り立つか分からない」という声が強く、構想通りに転換が進むかは不透明だ。
 一方、国が療養病床の診療報酬を昨年度から引き下げた影響もあり、道内の療養病床数は一年余りで三千床近く減った。医療の必要度が低い患者に退院を促す病院も出始め、関係者から「受け皿が整わないまま病床削減が進めば、行き場を失う“介護難民”が出てきかねない」との声もある。

負担軽減に数十−数百億円 障害者自立支援で与党検討
(10/19 北海道新聞) 自民、公明両党は19日、昨年4月から福祉サービスの利用料を原則1割負担とした障害者自立支援法について、来年度に数十億円から数百億円の負担軽減策を追加する方向で検討を始めることを決めた。23日に与党プロジェクトチーム(座長・木村義雄衆院議員)の初会合を開き、11月中にも具体案をまとめる方針。
 障害者の負担軽減策としては、2006年度から3年間で計1200億円の特別対策が実施されているが、与党内から上乗せで予算措置を求める声が相次いでいた。ただ、財源をどう確保するかという課題が残っており、政府、与党内の調整が難航することも予想される。
 同法をめぐっては、障害者団体から「授産施設などで働いて得られる工賃よりも利用料の方が高い」「事業所に支払われる報酬が月割りから日割りに変わったことで減収になった」といった批判が出ていた。

美唄労災病院、脊損医療に特化へ 道内唯一の機関存続 岩見沢の分院に

(10/18 北海道新聞)市立美唄病院との統合が白紙となった美唄労災病院(安田慶秀院長)について、同病院を経営する独立行政法人・労働者健康福祉機構(川崎市)は、同病院を来年四月から脊髄(せきずい)損傷医療に特化する再編方針を固め、十七日、病院幹部に説明した。
 関係者によると、同機構は同病院を岩見沢労災病院の「分院」とし、院内の「勤労者腰痛・脊損センター」の機能だけを残す方針。同センターは交通事故などで脊髄を損傷し全身まひとなった患者に対し、複数の診療科の医師や理学療法士が治療、リハビリまで一貫し担当する道内唯一の医療機関で、年間約百二十人を治療している。再編後の名称は「美唄脊損センター」となる見通し。
 ただ再編には、昨年度末で約十三億円の累積赤字を抱える美唄労災病院の経営健全化が不可欠だ。現在、同病院は十八診療科を抱え、事務職を含め約三百六十人が勤務するが、「腰痛・脊損センター」は六診療科で医師、看護師数約五十人のため、診療科や職員削減による大幅な規模縮小が迫られる。安田院長は「方針は前向きな内容だが、経営健全化への道は厳しく、これから職員に協力を求めたい」と話した。

地域で最新の専門医療提供 08年度に導入方針、厚労省

(10/16 北海道新聞) 厚生労働省は16日までに、症状が重く外科手術など集中的な治療が必要な急性期の疾患で高度な医療が求められる治療に対応するため「高度・急性期総合病院(仮称)」を2008年度に創設する方針を固めた。
 一般外来患者は受け付けず、入院治療が中心。400−500床の県立病院などからの移行を想定し各都道府県に最低1カ所以上設置する。医師や最新医療機器を集中させ、地域でも安心して最新の専門医療が受けられるとともに、外科医など医師の技術力を向上させるのが狙い。
 難病治療や臓器移植も含めあらゆる疾患を対象とする大学病院などの特定機能病院とは異なり一般の疾患が対象だが、外来は救急や専門的な治療が必要な患者に限定、十分な診療ができる態勢をとる。
 これに伴い、病院機能区分の再編も検討。高度・急性期総合病院で治療後、ある程度症状が改善した患者を受け入れる一般急性期病院と回復期リハビリ病棟、その後の療養に移る慢性期病棟や介護施設、在宅に分類。現在約90万床に上る一般病床の機能や役割分担を明確にする。

道内初“錠剤”のみ小腸検査 帯広の北斗病院 カプセル内視鏡を本格導入

(10/16 北海道新聞) 帯広市の北斗病院(橋本郁郎理事長)は錠剤のようにのみ込んで小腸の状態を観察できる「カプセル内視鏡」を導入した。手軽に正確な検査が可能で、患者を苦しめずに腫瘍(しゅよう)や出血部位の発見、患部の確認ができるという。同病院によると、道内では北大などで試験導入の例はあるが、本格導入は初めて。
 カプセル内視鏡はイスラエル製で直径一・一センチ長さ二・六センチ。画像センサーや送信機、患部を照らす発光ダイオード(LED)などを内蔵する。口からのみ込み、肛門(こうもん)から排出されるまでの約八時間、毎秒二枚、計六万枚の画像を撮影。患者の腰に装着した受信装置に画像データを送り、医師はパソコンなどを使って画像を見る。
 小腸は胃カメラや大腸検査用の内視鏡では患部まで届きにくく、これまで同病院はバリウムなどを使うエックス線検査で対応してきた。また、チューブを挿入する従来型の小腸検査用内視鏡を使う病院もあるが、チューブ式は患者が飲み込む際の嘔吐(おうと)や痛みを抑える麻酔が必要だった。同病院は九月下旬から導入、六人に使用。使い捨てで、検査費は患者側の三割負担の場合、約三万円。問い合わせは同病院(電)0155・47・5000

「呼吸器外し」容認 終末期医療、初の指針 救急医学会
10月16日 産経新聞
 回復の見込みのない救急患者に対する終末期医療について、日本救急医学会は15日、延命治療を中止できる基準などを盛り込んだ指針を決定した。人工呼吸器の取り外しを容認しているほか、終末期の具体的な定義が盛り込まれている。延命治療中止の具体的な手続きを示した学会レベルの指針ができるのは初めて。
 学会は今年2月、指針案を一般に公表して意見を募っていた。医療関係者、法曹界、宗教界などから計207件の意見が寄せられたが、「おおむね肯定的な評価を得られた」として、15日に大阪市内で開いた評議員会で可決した。
 延命治療の中止に関しては、厚生労働省が5月に、患者本人の決定を尊重した上で複数の医療従事者が判断することを盛り込んだ指針をまとめている。しかし、終末期の定義や、具体的な医療行為については触れられていなかった。
 日本救急医学会が決定した指針は、終末期について「妥当な医療の継続にもかかわらず、死が間近に迫っている状態」と定義。具体的な状況を、脳死状態にある▽生命の維持が医療装置に依存している▽治療を継続しても数日以内に死亡することが予想される−などと提示した。
 さらに、治療中止の判断について、本人や家族の意思を尊重することを前提に、家族が判断できない場合には主治医を含む医療チームで判断した上で家族に説明することなどを定めた。家族と接触ができない場合には「医療チームが慎重に判断する」とした。
 その上で、中止の選択肢について、人工呼吸器や人工心肺の取り外し▽人工透析や血液浄化を行わない▽人工呼吸器による呼吸管理方法の変更▽水分や栄養補給の制限や中止−の4点を定めた。学会では、これらの基準をクリアすることで「『殺人罪』などで法的にとがめられることはないはず」と判断している。
 ただ、これまでのところ終末期医療に関する社会合意はできておらず、指針がどこまで社会に受け入れられるかは不透明なところがある。日本尊厳死協会の井形昭弘理事長は「(延命措置の中止は)あくまで本人の意思が明確なときだけで、不明の場合は、生命維持を続けるのが原則。家族が判断する場合は、本人の意思が公正に証明できるケースに限定すべきで、治療の打ち切りを積極的にやる必要はないと思う」と指摘している。

日鋼記念病院 「救急救命センター」を休止へ
(10/12 北海道新聞) 医療法人社団カレスアライアンス(室蘭)が経営する日鋼記念病院(室蘭市新富町)は十一日、医師不足から、高度救急医療(三次救急)を担う「救急救命センター」を休止する方針を固めた。近く、道などに意向を伝える。救命救急センターの休止は全国初。
 日鋼記念病院は今年九月、同社団の西村昭男理事長の解任に伴い、前院長を含め西村氏に近い医師ら五人がすでに退職。十一月末までにさらに五人の退職が決まっており、医師は六十九人にまで減る見通し。退職医師には循環器科の四人や脳神経外科、形成外科の各一人が含まれているため、救急救命センターの機能維持は難しいとの判断に傾いた。
 救急救命センターは、重症の救急患者を治療するための医療機関として、都道府県知事が定める。交通事故の負傷者や心筋梗塞(こうそく)、脳卒中などの治療に当たるが、日鋼記念病院は医師不足から脳神経外科と循環器科の新規患者の診療をすでに休止し、救急救命センターも事実上の休止状態となっていた。
 同病院は、センターを当面の休止とし、医師が確保できれば復活したい考え。救急救命センターは全国に約二百カ所、道内に十カ所あるが、厚生労働省は「休止や廃止は聞いたことがない」としている。
 同社団の混乱は、同社団が経営する天使病院(札幌)の別法人への移管問題が発端。移管を提案した西村前理事長に病院職員が反発、天使病院の産婦人科医師六人が退職を申し出る事態になった。その後、九月の臨時社員総会と理事会で西村氏が解任され、西村氏に近い日鋼記念病院の医師の退職が相次ぐなど、混乱が室蘭に飛び火した。

広島無年金障害者訴訟 元学生の敗訴確定

2007年10月10日 朝日新聞
 国民年金が任意加入だった学生時代に重い障害を負った広島県内の男性2人が、未加入を理由に障害基礎年金を不支給とした処分の取り消しと損害賠償を国に求めた「学生無年金障害者訴訟」の上告審で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は9日、元学生側の上告を棄却する判決を言い渡した。元学生の敗訴が確定した。
 元学生側は、85年の国民年金法改正で20歳以上の学生について強制加入の対象としなかったのは「立法の不作為だ」と主張した。第三小法廷は、不支給の根拠となった同法の規定を「立法の裁量の範囲内で、憲法14条の法の下の平等などに反しない」とした。東京と新潟で起こされた同種訴訟で第二小法廷が先月28日に示した判断と同じ内容だった。
 5人の裁判官の一致した意見。田原睦夫裁判官は「85年の改正では無年金障害者のうち多数を占める配偶者を強制加入にした。立法で順次解決を図っており、20歳以上の学生についてさらに検討を加えることにしたのも裁量の範囲内だ」と補足意見を述べた。
 一審・広島地裁は05年3月、「不合理な差別で違憲」として元学生2人の不支給処分を取り消し、1人当たり200万円の賠償を国に命じた。しかし、二審・広島高裁は06年2月に元学生側の敗訴としていた。
 いわゆる「学生無年金者」に対しては、05年4月から特定障害者給付金支給法に基づき、障害基礎年金の6割程度にあたる月額4万〜5万円が支給されている。

38病院「診療所に」 道、再編案で方向性

(10/05 北海道新聞) 道は四日、道内九十四カ所ある自治体病院のうち三十八病院について、ベッド数が十九床以下となる診療所への規模縮小の検討を求める考えを明らかにした。道内三十区域ごとに病院再編を目指す方針は打ち出していたが、個別の病院ごとの方向性を示したのは初めて。十日から道民の意見募集などを行う。四日の道議会保健福祉委員会に報告した「自治体病院等広域化・連携構想」素案で示した。
 各病院の財政状況やベッドの利用率、住民の通院動向、地理的条件などを分析した結果、小規模(百床以下)で病床利用率が低い渡島管内の松前町立病院など三十八病院について、「診療所化を含めて規模の適正化について検討する必要がある」と指摘した。
 また三十八病院以外でも、財政状況が厳しい市立赤平総合病院、市立小樽病院、市立美唄病院など九病院について、「規模を適切に見直す必要がある」などと明記。他の医療機関と連携し、規模縮小も含め検討するよう促している。
 構想は、赤字経営や医師不足に苦しむ自治体病院を三十区域ごとに再編するのが狙い。道は「病院の方向性は、たたき台として明示したもので強制ではない。今後、地域で議論してほしい」(医療政策課)としている。
 道は十日から、二十一医療圏ごとに関係自治体などで構成する「地域保健医療福祉推進協議会」の意見を聞くほか、インターネットでも素案を公開し、道民から意見を募集する。構想は年内に最終決定するが、病院の規模縮小を促された地域からは反発も予想される。
 道が、診療所化の検討を求めた三十八病院は以下の通り。
 松前町立松前病院、森町国保病院、奥尻町国保病院、厚沢部町国保病院、乙部町国保病院、八雲町熊石国保病院、国保由仁町立病院、黒松内町国保病院、京極町国保病院、幌加内町国保病院、豊浦町国保病院、白老町立国保病院、平取町国保病院、新冠町国保病院、新ひだか町立静内病院、新ひだか町立三石国保病院、上川町立病院、国保町立和寒病院、上富良野町立病院、国保中富良野町立病院、遠別町立国保病院、天塩町立国保病院、幌延町立病院、猿払村国保病院、豊富町国保病院、興部町国保病院、雄武町国保病院、士幌町国保病院、鹿追町国保病院、大樹町立国保病院、広尾町国保病院、池田町立病院、本別町国保病院、足寄町国保病院、市立釧路国保阿寒病院、標茶町立病院、標津町国保標津病院、羅臼町国保病院

交通事故が原因の7割 「髄液漏れ」で患者ら調査
(10/04 北海道新聞) 脳や脊髄を覆う髄液が漏れて起きるとされる脳脊髄液減少症の患者団体「サン・クラブ」(大阪市、栂紀久代理事長)が4日、原因の7割は交通事故だったとする、会員患者を対象にした実態調査の結果を発表した。患者らは頭痛やめまいなど多くの症状に悩んでいるが、専門家によって見解が異なり治療が受けにくく、周囲に理解されないことも多いため、実情を知ってほしいと調査した。
 医療機関で脳脊髄液減少症と診断された患者200人(男33%、女67%)にアンケートしたところ、原因のトップは交通事故で69%と大半を占め、次いで転倒5%、スポーツ3%、出産3%など。8%が原因不明だった。

買い物代行や庭の手入れ、除雪… タクシー乗務員にお任せ 小樽の会社
(10/02 北海道新聞) 小樽市内のタクシー会社が商店街のポイントカードと引き換えに、乗務員が高齢者世帯などを訪問し、買い物代行や除雪など日常生活の困りごとを解決するサービス「困ったサービス」を始めた。高齢者が多い小樽ならではのサービスで、北海道運輸局によると、こうした取り組みは道内のタクシー会社で初めて。
 同一系列の「こだま交通」(営業台数二十六台)と「ぜにばこ交通」(同二十台)=いずれも阿部益一社長=で、市内の商店や飲食店約百七十社が加盟する小樽ポイントカード事業協同組合のポイントカード「オタルンカード」が満点(四万円分)になればサービスを利用できる。
 同カードは通常、満点で五百円分の商品券と引き換えられるが、「困ったサービス」は枚数に応じて解決内容の相談に応じる。事前に、満点カード一枚で室内の電球の交換、ドア修理、二枚で買い物代行や大工仕事の手伝い、三枚で庭の手入れや除雪による通り道の確保などのメニューをそろえた。技術や腕に覚えのある乗務員が各家庭を訪問し、サービス終了後にカードを受け取る。
 オタルンカードは昨年、約三万枚の満点カードの利用があり、市内に広く普及。両交通も二○○二年に組合に加盟し、満点カードで五百円割引のサービスを行っている。
 八月から開始し、現在のところ利用はまだ一件だが、阿部社長は「市内には高齢者が多く、地域密着のサービスで当社の顧客も開拓したい」と話している。問い合わせは、ぜにばこ交通(電)0134・62・6262へ。

交通事故で脳に重い障害 中村記念病院に専門病床 道内初
(09/30 北海道新聞) 交通事故の脳損傷による重い後遺障害、遷延性意識障害(植物状態)の患者を治療・看護する道内初の専門病床が中村記念病院(札幌市中央区)に開設される。独立行政法人の自動車事故対策機構(東京)の委託を受け、十月以降のできるだけ早い時期に患者受け入れを始める。当初は六床、来年度十二床に拡充する予定だ。
 同病院などによると、状態が安定した患者を受け入れ、最新の医療設備での二十四時間観察、同一看護師の受け持ちといったきめ細かい態勢で、患者の意識回復などを目指す。入院期間はおおむね三年以内。
 救命医療の進歩などで交通事故死は減っているが、重い後遺症を抱える人は後を絶たない。交通事故による遷延性意識障害者の実数は不明だが、一般の病院では敬遠されがちで、家族は介護などで精神的、肉体的、経済的な負担を強いられている。
 中村博彦院長は「当院は現在も交通事故を含めた遷延性意識障害の患者を診ているが、より手厚い専門病床の開設で、不幸にも植物状態になってしまった道民や家族の助けになりたい」と話す。
 同機構は一九八四年から専門病院(療護施設)を千葉市や仙台市などに順次開設し、現在計二百三十床を委託。今年六月、空白地域の北海道と九州で専門病床の委託先病院を公募していた。

障害者賃金倍増へ 道、年度内に5カ年計画

(09/29 北海道新聞) 道は二十八日、就労支援施設で働く障害者の賃金を二○一一年までに二倍に増やす「工賃倍増五カ年計画」を、年度内にまとめる方針を明らかにした。十月にも八カ所のモデル施設を決め、企業的な手法を取り入れた賃金引き上げ策を検討する考えだ。同日の道議会予算特別委員会で、公明党の佐藤英道氏(札幌市北区)の質問に対し答えた。
 ○六年十月に本格施行された障害者自立支援法で、働く障害者にも職場である福祉施設の利用料の一割負担が課され、生活が圧迫されるなどの問題が指摘されている。道内の平均工賃は○六年度で月一万七千円という。
 道は、十月にモデル施設を決定。各施設に経営コンサルタントを派遣して、企業的手法で利益を上げるような助言を行う。また商店街の空き店舗を活用して商品を販売するなど、障害者が地域で働けるよう市町村や地元経済界による施設支援体制をつくる。
 道は各施設で成果をあげた実践例を参考に、新たに設置する学識経験者や経済の専門家らによる「就労支援推進委員会」で、五カ年計画の具体案を策定する。

無年金訴訟 任意加入規定は合憲、元学生5人の敗訴確定
2007年09月28日 朝日新聞
 国民年金が任意加入だった学生時代に重い障害を負った元学生が、未加入を理由に障害基礎年金を不支給とした処分の取り消しと、損害賠償を国に求めた「学生無年金障害者訴訟」の上告審で、最高裁第二小法廷(津野修裁判長)は28日、元学生側の主張を退ける判決を言い渡した。不支給の根拠となった国民年金法の規定は立法上の裁量の範囲内で合憲と判断。元学生の敗訴が確定した。
 学生無年金障害者の訴訟は01年に全国9地裁で起こされ、3地裁で国民年金法の規定を違憲とする判決が出た。この日は東京、新潟両地裁に提訴した元学生計5人についての2判決が言い渡され、内容はほぼ同じ。一連の訴訟で最高裁の判断が示されたのは初めてで、他の訴訟にも影響を及ぼすことになる。
 学生の国民年金が強制加入となったのは91年から。元学生側は、障害基礎年金が支給されないのは20歳以上の学生に国民年金加入を強制しなかった国会の不作為が原因だ――などと主張した。
 判決で第二小法廷は、国が20歳以上の学生を任意加入にしていた背景として(1)学生は収入がなく、保険料は親などの負担となる(2)学生が重い障害を負う確率は一般的に低い――といった事情を列挙した。
 これらを踏まえて「任意加入としたことは著しく不合理といえず不当な差別的取り扱いがあったともいえない」として25条にも「法の下の平等」を保障した14条にも反しないと結論づけた。
 この日の2訴訟では一審・東京地裁が「85年の改正で20歳以上の学生について何の措置もしなかったのは違憲」として3人に500万円ずつ、新潟地裁も「区別は不合理」として2人に700万円ずつ、それぞれ支払うよう国に命じた。両訴訟とも二審・東京高裁で逆転敗訴し、元学生側が上告していた。
 厚生労働省によると学生無年金者は全国に約4000人。04年に救済措置として特定障害者給付金支給法が制定され、障害の程度によって月額4万〜5万円を支給する制度が05年4月から始まった。しかし、障害基礎年金(1級で月額約8万2500円、2級で約6万6000円)に比べて額が6割程度で、元学生らは是正を求めている。

福祉サービス1割負担凍結、民主が改正案提出へ

2007年09月26日 朝日新聞
 民主党は26日、福祉サービス利用者の原則1割負担を凍結する障害者自立支援法改正案を、週内にも参院に提出する方針を固めた。自民、公明両党の連立政権合意に同法の抜本的見直しが盛り込まれたことを踏まえ、すでに提出した年金保険料流用禁止法案に次ぐ重要法案に格上げした。国会論戦を通じて与党に受け入れを迫る方針で、与党側の対応が焦点となる。
 06年4月施行の障害者自立支援法で、福祉サービスは原則1割が利用者負担になった。ただ、障害者の利用控えなどが起きたことから、政府は昨年末、利用者と施設の負担軽減策として、3年間で計1200億円の予算を計上することを決めた。09年度に制度見直しも行う。一方、25日の自公連立政権合意は「抜本的な見直しを検討する」と明記したが、具体策には踏み込んでいない。
 民主党の改正案は08年1月から原則1割負担を凍結することが柱になる。与党にも改正案への同調を促す方針で、小沢代表が25日に早期提出を指示。27日にも準備状況を確認し、提出時期を判断する。
 政府は、増大する社会保障費を抑制するためには一定の負担を求めることはやむを得ないとの立場をとっている。ただ、公明党を中心に与党内には負担軽減を求める意見があり、公明党幹部は26日、「民主党の法案が良ければ、与党として乗ってもいいと思う」と語った。連立合意も踏まえ、見直しに向けた与党内の議論に入る見通しだ。

来年度から保険料引き上げ 障害者扶養保険、存続へ

(09/22 北海道新聞) 親の死亡後、障害者に終身年金を支給する「心身障害者扶養保険」について、財源不足から存廃を検討していた厚生労働省は22日までに、来年4月から保険料(掛け金)を引き上げたうえで制度を存続する方針を固めた。月2万円の年金額は据え置く。25日に開く有識者の検討委員会で正式決定する見通し。
 この保険は、道府県(東京都は既に制度廃止)と政令指定都市が条例に基づき運営している任意加入の共済制度。保護者が生存中に保険料を支払うと、死亡した場合などに加入1口当たり月2万円の年金が障害者に支給される。加入は2口まで可能。
 福祉の観点から安い保険料で年金を給付していることに加え、障害者の平均寿命の延びや運用利回りの低下で財源不足が深刻化。厚労省は廃止も検討したが、障害者の生活の安定に依然必要と判断した。

無年金訴訟、元学生敗訴の見通し 最高裁、28日に判決

2007年09月18日 朝日新聞  国民年金が任意加入だった学生時代に重い障害を負い、未加入を理由に障害基礎年金を不支給とされた元学生が国などに不支給処分取り消しと損害賠償を求めた二つの訴訟で、最高裁第二小法廷(津野修裁判長)は18日、判決を28日に言い渡すことを決めた。上告審で弁論が開かれていないことから、いずれも元学生側が敗訴した二審・東京高裁判決が維持される見通しだ。
 学生の国民年金が強制加入となったのは91年から。それ以前は任意加入で、未加入のまま「20歳以降」に重い障害を負った学生は障害基礎年金の支給を受けられない。一方、「20歳未満」で障害を負った人は、85年の国民年金法改正で障害基礎年金を受けられるようになった。2訴訟のうちの一つで東京地裁は04年、85年の法改正で20歳以上の学生について何の措置もとらなかった「立法の不作為」が憲法の「法の下の平等」に反するとして国側に賠償を命じた。もう一つの訴訟でも新潟地裁が「他の20歳以上の国民との区別は不合理で違憲」と賠償を命じた。しかし、両訴訟とも05年の二審判決が「区別は立法の裁量の範囲内」として国側逆転勝訴としたため、元学生側が上告していた。
 この問題をめぐっては04年に救済措置として「特定障害者給付金支給法」が制定され、無年金学生の障害の程度によって月額4万〜5万円を支給する制度が05年4月から始まった。しかし、障害基礎年金との格差は残り、元学生らは是正を求めている。

フリーダム十勝の事業者指定を取り消し 不正請求で道

(09/14 北海道新聞) 【帯広】十勝管内で障害者福祉施設を運営するNPO法人「フリーダム十勝」(帯広、尾崎忠顕理事長)が不正に費用請求していた問題で、道は十四日、同法人に対し障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス事業者の指定取り消しを文書で通知した。昨年四月の同法施行後、事業者指定の取り消し処分は道内で初めて。
 指定取り消し後は、管内で同法人が運営する十二事業所のうち十一事業所で短期入所など道指定の事業ができなくなる。ただ、約二百六十人の利用者に配慮し、取り消し時期は来年四月一日付とし、それまでの間は事業継続を認める。
 道によると、判明した不正請求は二○○五年十月から○七年五月までの間に計五百十一件、約四百二十万円だった。監査期間中も不正請求があった。内容は短期入所が認められていない施設で受け入れた利用者を、入所が認められている別の事業所でサービス提供したようにして請求したほか、前理事長が、関係書類の改ざんなど隠ぺいを図った。十勝保健福祉事務所の小原一義次長は「取り消し要件となる違反が複数あった」とする一方、保護者らによる受け皿組織発足などの動きがあるため関係市町村と連携し、支援をしていく考えを示した。尾崎理事長は「地域住民に不安を与え、ご迷惑をかけたことをおわびしたい。道は利用者が困らないよう、力添えしてほしい」と話した。
 同法人をめぐっては、今年二月に前理事長の妻が同管内足寄町で殺害されているのが見つかり、その後、前理事長本人も網走管内津別町で遺体で発見され本別署が妻殺害の容疑で送検していた。

障害者、高齢者に住宅情報 道、賃貸物件などをデータベース化 まずは札幌、ネットで

(09/03 北海道新聞) 道と札幌市は本年度、障害者や高齢者らが入居できる賃貸住宅物件や、そこで支援団体から受けられるサービスの内容をデータベース化してホームページ(HP)で情報提供する「道あんしん賃貸支援事業」を札幌市内で始める。入居が制限されることもある障害者らの部屋探しと自立した生活を助けるのが狙いだ。
 障害者と高齢者のほか、外国人と子育て中の人も事業の対象。これらの人たちは一部の家主から、家賃の滞納や入居中の死亡、近隣住民とのトラブルなどに不安を感じるとして入居を制限されることがあるという。
 同事業では、不動産仲介業者の協力を得て、障害者らが入居可能な賃貸物件を選び出し、道に一元的に情報を登録。登録情報を、財団法人高齢者住宅財団(東京)が運営するHPで紹介する。また、賃貸契約手続きの立ち会いや、病気やけがなど緊急時の相談、通訳派遣など、社会福祉法人やNPO、札幌市が提供するサービスの内容も登録し、障害者らの生活を支援するとともに家主の不安も軽減する。
 道と札幌市は八月下旬、社団法人道宅地建物取引業協会など不動産関連の四団体をメンバーに加え、道あんしん賃貸支援事業導入検討会議を設立した。同会議は十月までに事業の実施要領をつくり、協力する不動産仲介業者や家主を募集する予定。道は、札幌市だけでなく、二○○八年度には道内の他の中核都市に、○九年度には全市町村に、同様の事業を広げる方針だ。

札幌の障害者30人利用料不払い 支庁がきょう立ち入り調査

(08/30 北海道新聞) 札幌の働く障害者三十人が障害者自立支援法に抗議し、通所事業所の利用料の不払いを続けている問題で、石狩支庁は三十日、施設を運営するNPO法人障害者活動支援センターライフ(札幌市西区)を調査する。不払いの経緯と施設運営状況などを確認する見込み。
 不払いは、同法が働く障害者にも利用料負担を課していることに抗議して、ライフの二事業所に通う障害者三十人が昨年十月から行っている。
 石狩支庁は、不払いに至った経緯や、ライフが利用料の請求を適切に行っているかなどを調べる。道には同法に基づき、障害者の受け入れ施設や事業所に対する指定・取り消し権限があり、「不適切な部分があれば指導したい」(同支庁社会福祉課)としている。

「働きに来ているのになぜ利用料」 障害者30人不払い運動 自立支援法に抗議 札幌
(08/29 北海道新聞) 札幌市西区のNPO法人「障害者活動支援センターライフ」の事業所に通う障害者三十人が、働く障害者に事業所利用料の負担を課した障害者自立支援法に抗議するとして、昨年十月から集団で利用料の不払いを続けていることが二十八日分かった。不払い額は総額で約百五十万円にのぼる。障害者たちは「働きに来ているのになぜお金を払う必要があるのか」と訴え、国や道に制度見直しを求め不払いを継続する方針だ。
 同法に抗議して集団不払いを行った例は昨年四月から一年間、愛知県内の施設であったが、厚生労働省は「それ以降は把握していない」とし、道も「道内で報告はない」としている。
 ライフは、札幌市内で障害者関連の事業所五カ所を運営。このうち、身体と精神、知的の障害者が技術を身につけるために訓練しながら働く就労継続支援の通所事業所二カ所に通う三十人全員が、不払いに参加している。
 事業所の利用者は、印刷や軽作業などに従事。就労訓練中の月収は多くが一万円以下で、その後、事業所と雇用契約を結んで働くと平均約八万円程度の月収を得る。一方、利用者は同法に基づき、事業所利用の頻度などに応じて、利用料の一部として最も多い人で約九千円を支払うことになっている。不払いを呼びかけた利用者の男性(23)は「収入が少ない障害者の生活が成り立たず、生活を守る意味もある」と話す。
 これに対し、ライフ側は毎月、利用者に請求書を手渡して支払いを促している。ライフは今後も利用料が支払われない場合は、最終的に未払い損金として処理する予定。ライフの深沢正義理事長は「経営的に厳しい部分もあるが、根本的な解決のためには障害者が納得できる制度に改める必要がある」と話し、障害者の事業所の利用は継続する考えだ。
 愛知県の例では、県が補助を拡充するなど利用者負担を軽減する対策がとられ、不払い運動は終了した。
 札幌学院大の松川敏道准教授は「働きに行っているのに利用料を払うのはおかしい。障害者が制度に批判の声を挙げるのは当然だ。今回の行動は、障害者行政にも大きな影響を与えるのではないか」と話している。

駐禁除外標章 車に発行→障害者本人に 知人の車、タクシーもOK
(08/26 北海道新聞) 歩行困難な身障者らが利用する車の駐車禁止除外措置について、道公安委員会は九月十四日から、現在は特定の車に対して発行している駐車禁止除外標章を障害者本人に交付するように変更する、改正道公安委規則を施行する。標章が本人に交付されることで、車がない身障者でも友人の車やレンタカーなどに同乗した際に駐車規制から除外されるなど利用範囲が広がるため、取得の動きが広まるとみられる。
 昨年六月の道交法改正で、短時間の駐車違反も取り締まり対象となり、歩行困難者などから配慮を求める要望が出されていた。車に対して発行された標章は、障害者本人以外が不正使用できるとの批判も出ていた。このため、今年二月に警察庁が新基準を示し、これに沿って全国で見直しが行われている。
 道警交通規制課によると、改正後は、標章があればマイカーに加え、友人の車やレンタカーを運転したり、同乗した際に駐車規制から除外される。タクシーの場合も運転手が障害者に付き添って、車を離れても、標章を掲示していれば、摘発対象外となる。標章は車や免許がない人も受けられるほか、全国で有効なため旅行先でも使える。また、新たに聴覚(三級まで)や上肢(二級の二まで)などの比較的重度の身障者のほか、精神障害者(一級)と戦傷病者も対象に加えられる。
 道内では現在は身体、知的障害者も含め約二十四万人が対象となっているが、車や免許がない身障者が取得していないとみられ、実際の標章発行は約三万七千枚。改正後の対象者は約二十万人となるが、車や免許がなくても利用できるため、取得する人は増えるとみられる。
 ただ、軽度の身障者の一部が対象から外れるため、改正規則施行後三年間は更新によって標章が受けられる猶予措置を設ける。
 北海道身体障害者福祉協会(札幌)は「聴覚障害などに対象が拡大されたうえ、タクシーなどでも使えるようになり、使い勝手はよくなった。対象外となる障害者に対して、猶予期間があるのは評価できる」としている。

医療ミス遺族に伏せる 札幌南病院10カ月後発覚し説明
(08/25 北海道新聞) 国立病院機構札幌南病院(札幌市南区、飛世克之院長)が二○○五年六月、難病の女性患者に薬剤を過剰投与するミスを犯し、女性が約六時間後に死亡していたことが二十四日、分かった。同病院はミスと死亡の因果関係を否定しているが、十カ月後に告発文書が遺族らに届くまで、過剰投与の事実を遺族には知らせていなかった。
 亡くなったのは、札幌市内の六十代の女性で、全身の筋肉が動かなくなる進行性の難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)のため○五年春、同病院に入院した。同年六月上旬の夜、看護師が痛みを緩和するためのモルヒネ系薬剤を、本来一○ミリグラムのところ誤って四倍の四○ミリグラムを投与。病院側はミスに気付き、一時間後に主治医が女性の容体を検査して異常なしとしたが、この五時間後に呼吸不全で亡くなった。
 同病院によると、投与した薬剤は呼吸を抑制する副作用がある。家族の同意のもと一日四回投与していた。この日は過剰投与した分を含めても、総投与量は一日の制限内だったとしている。検査結果などから、同病院は女性の死因はALSによるもので過剰投与は関係ないと判断。三日後、上部機関の国立病院機構北海道東北ブロック(仙台市)に軽度の医療事故として報告したが、遺族には知らせなかった。
 ○六年四月、「医療ミスを隠している」との告発文書が遺族や病院に届いたため、同病院は初めて遺族に過剰投与の事実を明らかにした。同病院の島功二副院長は過剰投与を伏せていたことについて「女性の容体はかねてから重篤だった。検査結果からミスと死因は無関係で、あえて家族に知らせる必要はないと判断した」と説明している。
 死亡した女性の夫は「それまで主治医や病院とは意思疎通できていたのに、どうして(死亡当時に過剰投与を)教えてくれなかったのかという思いはある」と話している。

障害者雇用へ相談窓口、厚労省が中小企業団体に設置方針

(2007年8月14日  読売新聞) 厚生労働省は13日、中小企業の障害者雇用を促進するため事業主向けの相談窓口を全国の商工会議所などの中小企業団体に設置する方針を固めた。今後、設置個所を詰め委託費を2008年度予算概算要求に盛り込む。大企業に比べ中小企業は障害者雇用が遅れており、相談体制の充実により、障害者の就業機会を増やしたい考えだ。
 商工会議所などに置かれる相談窓口では、障害者雇用の実務経験やノウハウを備えた中小企業の職員や退職者らが応対する。障害者の就労能力や適性、職場環境の整備など、受け入れに必要な情報を提供する。このほか、事業主を対象にした啓発セミナーや、障害者団体との交流事業なども開催する予定だ。
 企業には、障害者の最低限の雇用割合である法定雇用率1・8%が義務付けられ、未達成の場合、1人当たり月額5万円が徴収される。ただ、300人以下の企業は除外され、雇用が進まない一因とされる。また、障害者雇用に不安を抱く事業主も少なくない。
 厚労省は事業主に対し、企業の社会的責任の自覚を促すとともに、障害者の受け入れの不安解消につなげるため、情報提供や相談体制の強化が必要と判断した。
 厚労省によると、06年6月時点の民間企業の平均雇用率は1・52%。5000人以上の企業は1・79%だが、100〜299人の企業では1・27%と低迷している。

市町村の3割超収集せず 家庭医療ごみ、事故懸念で

(08/07  北海道新聞) 在宅医療が広まるに連れ急増している家庭から出る輸液バッグなどの医療ごみを全く集めていない市町村が3割超に上ったことが、6日、環境省の調査で分かった。作業員の針刺し事故といった懸念などがあるとみられる。ただ市町村では集めていないものの、医療機関で集めているところもある。
 政府は、医療費抑制の観点などから在宅医療を推進しており、ますます増える医療家庭ごみへの対応が迫られている。
 医療ごみは、医療機関から出ると産業廃棄物として医療機関が処理に責任を負うが、家庭については、同省が「注射針以外は市町村が処理するのが望ましい」との基準を示し、2005年秋に市町村に通知した。
 調査は通知後の実施状況を把握するため、今年2月から7月にかけて、全国の1803市町村を対象に実施、回収率は99・7%だった。

障害者雇用率 中小企業も厳格化 未達成の納付金徴収 厚労省方針

(08/05 北海道新聞) 厚生労働省は四日までに、法で定める障害者雇用率を達成していない企業から徴収している納付金について、これまで対象外としていた常用雇用者三百人以下の中小企業からも徴収する方針を固めた。大企業に比べて進んでいない中小企業の障害者雇用を促進するのが狙い。厚労相の諮問機関である労働政策審議会で今月下旬にも、納付金の額などについて論議。同省は同審議会の答申を踏まえ、来年の通常国会に障害者雇用促進法の改正案を提出する方針だ。
 同促進法では常用雇用者五十六人以上の民間企業に対し、身体障害者や知的障害者を一定割合(常用雇用者の1・8%)雇用するよう義務付けている。障害者雇用率を達成できない場合は、不足する障害者一人当たり月額五万円を納付しなければならない。逆に、超過して雇用する場合は調整金や報奨金が支給される。ただ、常用雇用者が三百人以下の中小企業からは、経営状況などを考慮し、障害者雇用率を達成できなかった場合の納付金は徴収していなかった。
 同省によると昨年六月時点で、障害者雇用率は常用雇用者千人以上の企業では1・69%だが、同百−二百九十九人の企業で1・27%、同九十九人以下では1・46%と、大企業に比べて中小企業の雇用水準は低い。自立した生活を望む障害者の間には、身近な中小企業で就労したいとの声が多い。

障害を持つ人や高齢者など向け、声でコントロールするインターネットブラウザを開発
クイックサンとロボットライフ21、「ロボットブラウザ」

2007/07/31 株式会社クイックサンと株式会社ロボットライフ21は、障害を持つ人や高齢者にも簡単にインターネットライフを実現する、ロボットブラウザ(特許出願中)を共同開発し、プロトタイプの完成を発表した。
 クイックサンがもつナンバリングブラウザ(特許出願中)技術とロボットライフ21がもつコミュニケーションロボット技術を融合し実現したシステムで、同システムにより、従来、キーボードによる文字入力やマウスのクリック操作により行っていたインターネットブラウジングが、数字を読み上げるだけで可能となり「キーボードとマウスによる壁」の排除を実現する。
 障害を持つ人々の就労支援や社会参加に役立つシステムを目指し、今後は、非健常者の就労支援を目的とする骼{設などで実証実験を行っていく。
 ロボットブラウザは、音声でインターネットブラウジングが可能で、「戻る」や「進む」などブラウザの基本操作も音声で操作できる。特許出願中のオートナンバリング機能では、リンクや画像、フォームなどHTMLを解析し(リンク先に)自動的に3桁の数字を自動表示する。マウスでのクリック動作ではなく、表示された数字でのインターネットブラウジングを実現した。
 ヘッドセットやマイクをパソコンに接続し、専用のブラウザをインストールするだけで利用可能となり、簡単にセットアップを行うことができる。
 両社ミでは、今後も「今まで培ってきた最先端技術やノウハウを活かし、情報化社会と超高齢化社会との間にできた情報格差という壁を取り除くべく、情報のバリアフリーを目標に、社会に貢献できるよう努めていく」としている。

障害者扶養保険廃止も 厚労省 負担増は不可避

(07/28 北海道新聞) 障害者の保護者が、自らの死後に子供の生活を支えるため任意加入する終身年金「心身障害者扶養保険」制度について、厚生労働省が廃止を含む大幅な制度改正の検討を進めていることが二十七日、分かった。同制度は運用利回りの見込み違いや受給者の増加で破たん寸前で、廃止を見送っても掛け金の大幅アップは避けられない見通しだ。
 同制度の二○○五年度末の加入者は延べ九万五千人、受給者は同四万千人。このうち道内は加入者五千五百人、受給者二千五百人にのぼる。障害別では知的障害者が半数以上。
 厚労省によると、低金利が続く中、予定利率を4・5%に見込んだことや、年金平均受給期間が○五年度で十三年十一カ月と、ここ十年で一・五倍に拡大した影響で収支が悪化。○五年度決算で、年金支払いのため必要な積立金は三百八十八億円不足している。このため同省は現行制度のままでは、年金支給が難しいとして《1》保険料改定をした上で制度を維持《2》加入者に一時金を支払い、制度廃止−の両面で検討を開始。有識者でつくる検討委が八月十七日にまとめる報告書をふまえ、本年度中に制度を見直す計画だ。
 知的障害児の親でつくる札幌市手をつなぐ育成会の佐々木淳事務局長は「知的障害者は一般就労が難しく、作業所の工賃を入れても収入は十万円前後。わが子の将来のため、苦しい家計の中から積み立てている会員は多い」と影響を懸念する。
 一方、厚労省は廃止を見送った場合でも、保険料を二−二・五倍に引き上げた一九九六年の改定と同等かそれ以上の引き上げ率になるとの見通しを示す。障害者自立支援法による負担に加え、新たに負担が増えることになる。東京都は今年三月、独自に実施していた同様の制度を廃止している。

髄液漏れ診断基準策定へ 厚労省が研究班
(07/26 北海道新聞) 脳や脊髄を覆う髄液が漏れて起きる「脳脊髄液減少症(髄液漏れ)」の診断基準を策定するため、厚生労働省が研究班を発足させることになった。研究班長の嘉山孝正山形大医学部長が26日までに明らかにした。日本脳神経外科学会など7学会の専門医が参加し、今秋から3年間で診断基準の確立とともに有効な治療法も探るという。
 髄液漏れは、髄液が減少し脳の位置がずれることで発症、頭痛、めまいなどさまざまな症状を引き起こすとされるが、専門家によって見解が異なり、健康保険も適用外。交通事故で「頸椎ねんざ」などと診断された患者の中に、髄液漏れが多数含まれると主張する医師もいる。嘉山学部長は「(現状のままでは)過剰診療や見落としの恐れがある。学会の垣根を取り払い、総合的な指針を作成したい」としている。

患者7人に看護師1人「七対一病院」 道内3倍増 揺らぐ医療現場

(07/13 北海道新聞) 厚生労働省のまとめによると、昨年四月の診療報酬改定で点数を最も高くした「入院患者七人に対し看護師一人」を達成した「七対一」病院の届け出が、五月一日時点の速報値で、全国で昨年同期の二・八倍の八百十四に達した。北海道社会保険事務局によると、道内は三・一倍の六十九。達成は札幌など都市部の大病院などに集中、郡部では看護師の流出が進み、関係者は地域医療の質の低下を懸念する。
 「七対一」病院は、手厚い看護を提供しようと同省が推進している。全国の病床に占める割合は23・9%となり、前年を17ポイント上回り「予想以上に増えている」(同省)。
 一方で、看護師を増やせば収入増となるため、病院間の看護師獲得競争が過熱している。道内では達成病院の六割近い四十が札幌市内に集中。厚労省は都道府県別の内訳を公表していないが、全国的にも東京、大阪など大都市に集まる傾向があるという。
 勤医協は四月、後志管内黒松内町、同余市町、空知管内上砂川町で、運営する三診療所の入院用病床(計五十二床)を廃止した。経営面の厳しさに加え、看護師確保が難しくなったことが理由。「地域医療は崩壊寸前」(勤医協法人本部)と悲鳴を上げる。道内の医療関係者によると、看護師が十分に確保できないため、一部病床を使わない病院も出てきている。
 道も事態を重視し、子育てなどで離職した看護師の復職を促す研修事業のPRに力を入れる。中村恵子札幌市立大看護学部長(看護学)は「診療報酬の優遇が前面に出過ぎたため、都市の大病院経営者が無理に看護師を集め、地方医療に混乱が起きている。国は、地方の医療の質確保に努力すべきだ」と話す。
 この問題では、日本医師会が「地方の小規模病院の医療崩壊を招く」と、「七対一」達成による報酬上乗せを、高度な医療を行う病院に限るなどの見直しを要求。北海道民主医療機関連合(札幌)も「看護師の過密・過疎が進行している」と道に対策を求める申し入れを行った。

脳脊髄液減少症 対応病院公表を 支援団体が要望書
(07/06 北海道新聞) 道内で脳脊髄(せきずい)液減少症に苦しむ患者らでつくる「脳脊髄液減少症患者支援の会北海道」は五日、道に対し、道内に治療可能な病院がどの程度あるのか調べ、その結果を公表するよう求める要望書を提出した。
 同会によると、道内で診療可能な病院は小樽市に一カ所あるだけで、遠方からの通院患者には負担が大きい。患者数は全国で五千人以上で、道内には少なくとも百二十人いるという。道保健福祉部の後藤良一技監は「国が進めているガイドラインの動向を見て検討したい」と答えた。
 脳脊髄液減少症は、交通事故などによる頭部などへの強い衝撃で慢性的に髄液が漏れ、頭痛やめまいなどの複合的な症状が表れる。

再生医療支援を拡充、実用化へ拠点整備 3省概算要求

2007年07月04日 朝日新聞 政府は来年度、細胞から骨や皮膚などをつくる再生医療の研究拠点づくりに乗り出す。角膜再生技術などを世界に先駆けて実用化することを目指し、拠点となる大学医学部などの研究に補助金を集中投入するほか、実用化の壁になると指摘されている国の審査のスピードアップにも取り組む。
 厚生労働、文部科学、経済産業の3省が、必要な政策経費を08年度予算案の概算要求に盛り込む。07年度の再生医療研究のための予算は文科省約10億円、厚労省約8億円で、08年度は大幅な増額を求めていく。
 再生医療の分野では、さまざまな組織や臓器になり得ると期待されるヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)をはじめ、細胞から角膜、皮膚などを再生・移植する研究に各国がしのぎを削っている。
 厚労省によると、日本では口の粘膜などの細胞から角膜を再生する研究が盛んで、一部では臨床に応用もされている。「米国などより2、3年先行し、数年後の実用化が視野に入っている段階」だ。一方で、米国などでは実用化段階に入っている骨・軟骨の再生技術はまだ治験段階。心筋や神経の再生では、日米欧がほぼ横一線という。
 こうした研究に弾みをつけようと、政府は08年度中に大学医学部や国立高度専門医療センター(6カ所)のうち5〜10カ所を研究拠点に指定。そこでの基礎研究や臨床研究に補助金を優先的に配分する。2011年度まで4年間かけ、再生医療研究専用の病床整備や実験機器の購入なども支援していく方向だ。
 経産、文科両省は今年度、ベンチャーや大学がもつ有望な基礎技術を臨床試験に発展させるための研究への補助事業を始めており、来年度以降も拡充する方針だ。
 一方、再生角膜などを広く一般に使うためには、医薬品か医療機器として厚労省の承認を受ける必要がある。だが国内の審査は時間がかかり、安全性の評価基準も不明確なため、実用化の手前で足踏みすることも懸念されている。このため厚労省は、再生医療の安全評価基準を近くまとめ、審査人員の増員などで審査も迅速化させていくという。

全国初の障害者条例が施行 千葉県、差別解決に一歩
(07/01 北海道新聞) 千葉県は1日、障害を理由とする雇用拒否など障害者差別を具体的に定義し、解決のため知事に実態調査や是正勧告の権限を付与する全国初の条例を施行した。名称は「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」。
 国の障害者基本法は2004年の改正で差別禁止の理念が加えられたが、解決手続きは定められていない。条例制定は堂本暁子知事が公約に掲げていた。知事は「どんな相談があるか分からないが、いいスタートを切りたい」と話している。
 身体障害、知的障害、精神障害のほか発達障害や高次脳機能障害に該当する人たちへの差別解消が目的。福祉サービス、労働、教育などの8分野で、合理的理由のない「不利益な取り扱い」が差別に当たるとした。
 県が委嘱した地域相談員が、障害者や保護者らからの相談を受け、差別的な取り扱いを行った当事者に助言。解決が困難な場合、第三者機関の「調整委員会」が解決策をあっせんする。

障害者雇用促進を 道が企業向けDVD作製

(06/23  北海道新聞)
 道は、障害者の就労機会の増大を図るため、障害者雇用の先進企業での取り組みや、業務上の工夫などを映像でまとめたDVD「北海道障がい者雇用最前線−その事例と支援」とハンドブックを作製した。希望する企業や就労支援事業所などに無料で配布する。
 DVDでは、チョーク製造、布団の打ち直し、クリーニングなど、障害者を雇用する企業六社を取り上げている。
 知的障害者二十人が働く美唄市のチョーク製造工場では、障害の程度や特性に合った仕事ができるよう、工程を細分化している様子を紹介。同市の印刷工場では、社長が「知的障害者は基本に忠実で、例えば『異常が生じたら機械を止める』と指導すればまじめに実行するので、かえって事故は少ない」と説明する。
 道障害者保健福祉課は「障害があってもできる仕事は幅広いが、言葉で説明してもイメージがわきにくい。企業の不安軽減に役立てば」とDVD作製の狙いを話す。
 問い合わせは同課(電)011・204・5278へ。

羅臼町立病院、診療所に 本年度中にも 医師不足で

(06/22  北海道新聞)
 【羅臼】根室管内羅臼町の脇紀美夫町長は二十一日の町議会で、同町唯一の医療機関である町立国民健康保険病院(四十八床)について、財政難と医師、看護師不足を理由に本年度内にも「無床の診療所にせざるをえない」との考えを明らかにした。診療所になれば、救急医療などは数十キロ離れた同管内中標津町、標津町の協力が不可欠となる。
 同病院は内科常勤医二人、外科の非常勤医一人、看護師十七人の体制だが、七月末までに常勤医一人、看護師四人が自己都合で退職する予定で、後任は見つかっていない。一方、診療報酬改定の影響で、入院収益が二○○六年度決算で前年同期比約四割減の約一億三千万円に激減。不良債務も○六年度決算で六億六千万円に上っている。
 同病院はすでに土日と平日夜間の救急を、三月十日からやめている。脇町長は「診療所化する場合、近隣の町にも理解を求めたい」と話している。

道厚生連の中小9病院 縮小、負担増で苦悩する町 診療報酬減り赤字増
(06/18  北海道新聞)
 北海道厚生農業協同組合連合会(道厚生連)が経営する、地方の中小病院が相次いで入院施設のない無床診療所への転換などを進めている。道厚生連が百床以下の九病院について、これまで三分の二だった地元自治体の赤字補てん比率を全額にすることを求め、同時に経営形態の転換を提案しているためだ。規模縮小か負担増かという究極の二者択一に、医療過疎の町の苦悩は深まる一方だ。
 一月に始まった道厚生連と九町との個別交渉では、後志管内喜茂別、網走管内上湧別、留萌管内苫前の三町が既に無床診療所に移行、または移行を固めた。さらに、胆振管内むかわ町が町立移管で基本合意。網走管内佐呂間など三町は全額負担を受け入れ、現状の病院のまま継続する方向。上川管内美深、空知管内沼田の二町は今も協議中。
 厚生病院の経営見直しは、昨年からの一連の医療制度改革などによる赤字増が最大の要因。九病院の二○○六年度合計赤字額は約六億七千万円に上り、○五年度の約二億五千万円の二・七倍となった。道厚生連は「国の医療費削減方針で診療報酬が下がり、地域病院の赤字が膨らんだ」(企画部)として、昨年夏、赤字の全額補てん要請の方針を決めた。併せて、赤字の圧縮が見込める無床診療所などへの移行も提案している。
 対象となっている美深厚生病院(六十四床)は町内唯一の病院。経営見直し協議は始まったばかりで、無床診療所への転換も選択肢だが、住民には病院の存続を望む声が強い。昨年夏から入院している夫を見舞うため、毎日自転車で通っているという町内の無職女性(83)は「病院がなくなったら本当に困る。隣の名寄市の病院まで行くならバスしかない。でも毎日通ったら私の方が倒れる」と苦渋の表情。
 診療所になれば夜間救急診療もできなくなる。町内の無職多田勝さん(74)は「年寄りが多いので、夜、何かあった時に診てもらえないのは心細い」と現状維持を望む。
 しかし、美深厚生病院の○六年度の赤字額は約一億円。急激に赤字が膨らんでいる上に、その全額の補てんとなれば、予算規模約四十億円の町にとっては重い負担となる。町議の一人は「町財政が厳しい中でそれだけの負担ができるのか。慎重に検討したい」と戸惑いを隠さない。町と道厚生連は今秋をめどに方向性を出す予定という。沼田町も、まだ方向性を見いだせていない。
 一方、喜茂別町は約一億円の赤字負担は無理と判断、「傷口が広がる前に」と四月、無床診療所に移行した。さらに、上湧別厚生病院は九月、苫前厚生病院は来年四月に、それぞれ無床診療所(苫前は老人保健施設併設)に転換する方向。むかわ町は来年三月に鵡川厚生病院を町立に移管し、道厚生連が指定管理者となることで基本合意した。
 赤字額が二千万円程度に収まる網走管内佐呂間町の佐呂間と遠軽町の丸瀬布、釧路管内弟子屈町の摩周の三病院は当面、現状のまま継続する方向という。
 こうした動きに対し、医療関係者の受け止めは複雑だ。「地方切り捨ては公的病院の役割に反している」(北海道病院協会幹部)とする見方がある一方、「赤字と医師不足は危機的で公的病院も持ちこたえられなくなった」(北海道地域医療振興財団幹部)と、国の医療政策のひずみを指摘する声も上がっている。

医師数の基準、満たす病院83% 地域間になお格差
2007年06月16日 朝日新聞
 厚生労働省は15日、全国の病院で05年度、医療法が定める医師数の基準を満たした割合は83.8%だった、との調査結果を発表した。前年度の83.5%からほぼ横ばいだが、地域間格差が大きく、北海道・東北地方などで依然として深刻な医師不足が続いていることがうかがえる。
 全病院の95%にあたる8518病院に都道府県が立ち入り検査し、医師や看護師らの配置状況を調べた。患者数に応じた医師数の基準に適合していたのは7135病院。
 地域別の適合率は、北海道・東北が63.5%で最も低く、最高の94.4%だった近畿と約30ポイントの開きがあった。次いで北陸・甲信越(78・8%)、四国(81.9%)、中国(83%)、九州(86.8%)の順に低かった。
 一方、近畿、関東(89%)、東海(88.2%)では、それぞれ約4分の1の病院が基準の1.5倍以上の医師を抱えており、大都市部の病院に医師が集中している実態が数字で裏付けられた。
 看護師数の基準を満たした病院は99.3%、薬剤師は90.7%だった。

就労には法整備必要80% 障害者意識調査
(06/15  北海道新聞)
 政府は15日午前の閣議で、2007年版「障害者施策の概況」(障害者白書)を了承した。障害者を対象に実施した雇用・就労に関する意識調査では、約80%がもっと働けるようにするための法整備が必要と感じていることが判明。政府は、改正障害者雇用促進法や障害者自立支援法の施行など対策を講じているが、当事者から十分とは受け止められていないことが浮き彫りになった。白書は「障害を理由とした差別の禁止や権利擁護への一層の取り組みが必要だ」と指摘した。
 調査によると、障害者がもっと働けるようにするために法律の整備が必要かとの問いに対し「思う」と回答した人が79・3%を占めた。「思わない」はわずか2・9%だった。
 最近10年間で働きやすくなったかとの問いには「変わらない」が39・5%と最も多かった。ただ「働きやすくなった」が36・0%で、「働きにくくなった」の14・1%を上回った。

美唄の2病院統合 全国初、「市立」と「労災」
(06/12  北海道新聞)
 【美唄】美唄市は十一日、市立美唄病院(二百九床)と美唄労災病院(三百床)が来年四月にも統合することで、労災病院を運営する独立行政法人・労働者健康福祉機構(川崎市)と美唄市が一致したと発表した。最終的には厚生労働省の了解が必要だが、同省労災管理課も「統合実現に向けて早い時期に判断したい」としている。自治体病院と労災病院の統合は全国で初めて。
 市は本年度末で累積債務が二十二億円に達する見込みの市立病院の立て直しに向け、競合する労災病院との統合が必要と判断し、一月に同機構とともに検討委を設置した。機構側も、厚労省の労災病院再編計画で岩見沢労災病院と美唄労災の本年度中の統合案が示されており、道内唯一の「勤労者腰痛・脊損(せきそん)センター」の機能を存続させる方策として、市立病院との統合を選んだ。
 市と同機構は《1》労災病院の施設を市が買い取り、新病院として運営《2》腰痛・脊損センターは市が引き継ぎ、機構側は医師を派遣し支援する−などで六日に合意した。新病院の規模は十七診療科、三百床を予定し、現在の市立病院の施設の活用は今後検討する。

様々な臓器に分化、「ES」並みの人工幹細胞作りに成功

2007年06月07日 朝日新聞
 京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らは、さまざまな臓器になり得る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と同程度の万能性を持つ幹細胞を作り出すことに、マウスを使って成功した。これまでの人工万能幹細胞は分化能力が低かった。受精卵を使わずに万能細胞を手に入れる技術の実現に向け、また一歩前進した。7日の英科学誌ネイチャー電子版に発表する。
 山中教授らは昨年、大人のマウスのしっぽの皮膚細胞に、万能性に関係していると思われる四つの遺伝子を組み込んで、万能細胞を作る方法を世界で初めて開発した。この細胞を「人工万能幹細胞(iPS細胞)」と名付けたが、ES細胞に比べ臓器に分化する能力が十分でなく不安定だと指摘されていた。
 今回は、胎児の皮膚の下にある細胞を利用。細胞を取り出す時期と、できあがった人工細胞の中から質の良い細胞を選び出す方法を改良した。
 この結果、選び出した細胞は、遺伝子の働きはES細胞とほとんど同じで、全身のさまざまな細胞に分化することが確認できた。また、生殖細胞に分化する能力があることも確認、全身がこの万能細胞からできたマウスも誕生した。
 ただ、生まれたマウスを1年近く観察したところ、2割で遺伝子組み換えの際に使うウイルスや遺伝子が原因と思われる甲状腺腫瘍(しゅよう)ができていた。山中教授は「ヒトへの応用には、まだ解決すべき課題は多いが、将来的には脊髄(せきずい)損傷や心不全の治療につながる可能性がある」としている。
 米マサチューセッツ工科大も同じ方法で万能細胞の作製に成功、同日付のネイチャー電子版に発表するほか、別の科学誌に米ハーバード大が近く発表する予定。万能細胞獲得をめぐり、国際競争が激化している。

コムスン指定打ち切り 道内には194事業所

(06/06 北海道新聞)
 道によると、コムスンが道内で展開し、指定を打ち切られる可能性がある介護関連の事業所は、訪問介護が四十五カ所、介護予防訪問介護が四十四カ所、居宅介護支援が十八カ所など計百九十四カ所。
 このうち訪問介護事業所は、札幌を含む石狩管内が十六カ所と最多で、次いで上川六カ所、胆振五カ所など。介護保険法に基づく更新制で二○○八年度中に更新時期を迎える訪問介護事業所は、少なくとも十数カ所に上るという。
 コムスンの事業所指定打ち切りについて、道保健福祉部は「利用者に不利益が生じないよう、対応策を検討したい」としている。
 一方、道は、今年四月に東京都内で発覚したコムスンの虚偽申請を受けた厚労省の通達により、五月中旬からコムスンを含む道内の大手介護業者を監査しているが、これまでのところ不正は見つかっていないという。

患者の意思あれば延命中止 がん終末期医療に指針案
(06/06 北海道新聞)
 死期が迫ったがん患者の延命治療中止手続きについて、厚生労働省研究班(班長・林謙治国立保健医療科学院次長)がまとめた指針試案が5日、判明した。対象となる終末期を「余命3週間以内」と定義し、患者本人の意思を前提に中止できる医療行為の範囲を「人工呼吸器、輸血、投薬」などと明記する一方、意思確認できない場合は除外するなど慎重な判断を求めている。
 終末期医療をめぐっては、厚労省が「患者の意思が最重要」とする国として初の指針を作成し、5月に都道府県などに通知したが、延命中止の具体的な内容や終末期の定義には踏み込まなかった。がんなど病気の特性を踏まえた個別の指針は、厚労省が設置した研究班が担当。試案をまとめたのは初めてで、今後、医療現場の声を反映させながら内容を詰める。
 ただ、全国約1500の病院が回答した同研究班の調査では、がん患者への病名告知率は平均で65・7%、余命告知率は29・9%にとどまり、患者の意思確認が容易でない実情にどう向き合うかが課題となりそうだ。

介護報酬 10万円を不正受給 道、指定取り消しへ 小樽の事業所
(05/31 北海道新聞)
 【小樽】小樽市の有限会社エス・ケイ総合リフォームサービス(木村光弥社長)が同市内で運営する二つの介護サービス事業所が、実際には派遣していないヘルパーを派遣したように見せかけるなどして、少なくとも十万円の介護報酬を不正受給していたことが三十日、道の調べで分かった。道は近く同社に対し、二事業所の介護事業者指定を取り消す方針。
 不正受給をしていたのは、いずれも同市春香町の居宅介護支援事業所「ケアプランセンターみかん」と、訪問介護事業所「介護センターみかん」。関係者によると、ケアプランセンターみかんのケアマネジャーが、自分の家族らの介護計画を偽造し、実体のないヘルパー派遣事業で報酬を得ていた。
 同社は二○○五年十二月、介護事業者指定を受けていた。道介護保険課によると、事業所の指定取り消しは最も重い行政処分で、処分から五年間は再び開業できないペナルティーがある。道内の指定取り消し処分は二○○○年の介護保険スタート以降、四十一件ある。

障害者の「労働」見直し 厚労省が通達

(05/22 北海道新聞)
 厚生労働省は22日までに、作業所や授産施設で働く障害者について、施設側が訓練計画を定めるなど一定の条件を満たせば、労働法令を適用しないとする新しい基準を都道府県労働局に通達した。適用外とされれば、雇用保険加入や最低賃金支払いなどの義務を免れることになる。
 神戸東労働基準監督署が神戸市内の作業所に対して4月、「訓練の範囲を逸脱した労働をさせていた」として最低賃金の支払いなどを指導。多くの施設から「半世紀以上前に定められた基準が根拠で、実態に合っていない」との指摘が出ていた。
 新基準では(1)訓練の計画を定めている(2)障害者や保護者と合意している(3)作業の実態が計画に沿っている−場合には、労働者とはみなさない。ただし計画があっても、受注量の増加による作業の強制、残業の指示、割り当てられた作業量を達成できなかったことへの制裁的な工賃減額などがある場合は、労働者として扱う。

障害者の生活・就職を支援する施設、400カ所に増設へ
2007年05月22日 朝日新聞
 厚生労働省は21日、障害者の就職と日常生活を合わせて支援する「障害者就業・生活支援センター」を11年度までの5年間で、現在の約3倍の全国400カ所に増やす方針を固めた。ハローワークや福祉事務所よりもきめ細かい支援ができる同センターの大幅な増設で、障害者の就職率アップを目指す。
 同センターは、02年施行の改正障害者雇用促進法で創設された。就業支援を担うハローワークは障害者の働く能力の判断に限界がある一方、日常生活を支援している福祉事務所は就職支援のノウハウが乏しいため、同センターが両方を橋渡しすることになった。
 同センターは現在、社会福祉法人などに業務を委託する形で、全国に135カ所設置。各センターに生活支援担当1人と就業支援担当2人を配置。約2万2000人の障害者が登録し、健康管理や住居の確保などの生活面で支援を受けている。
 就業面ではハローワークでの求職活動に担当者が付き添うなどしており、05年度は約4300人の新規求職者の6割にあたる約2500人が一般企業に就職できた。
 厚労省は、こうした成果を踏まえ、全国400カ所ある「福祉圏域」ごとに同センターを設置する方針だ。政府は障害者雇用の促進を「成長力底上げ戦略」のひとつに位置づけ、今年度中にまとめる障害者就労支援の5カ年計画に盛り込む考えだ。

16歳「茶髪」少女 バイト先からクビ通告 個人で労組へ
2007年05月19日 朝日新聞
 ビジュアル系バンドや少女漫画が好き。そんな16歳の少女が、髪の色を理由にアルバイト先の店長から突然、クビを通告された。「納得できない」。彼女は闘うことを決めた。個人加盟できる労働組合(ユニオン)に入り会社と交渉、撤回させた。
 東京都練馬区の福家(ふくや)菜津美さん(16)は昨春、中学を卒業。高校には進まず、母と姉の3人暮らしの家計を支える。
 週5日、朝8時から夕方5時まで牛丼チェーン店で働く。さらに週2、3日は午後6時から9時半までファミリーレストランで。ダブルワークで月収は約16万円。高卒認定試験(旧大検)をとって大学に進み、獣医師になるのが夢だ。
 ところが3月、ファミレスの新店長に「髪の色を黒くしなさい」と指示された。極端な茶髪ではないし、店では規則通りに束ねている。1週間考えた後、拒否した。店長からは「それなら一緒に働けない」と告げられたという。「1年間、一生懸命働いて時給も20円あげてもらった。それが髪の色だけで否定されることが悔しかった」
 首都圏青年ユニオンに入って交渉することにした。4月の団体交渉には、同ユニオンの16人が支援に駆けつけてくれた。会社側は「解雇通告だというのは誤解」と説明。店長の「クビ」発言についてもはっきり認めない。だが福家さんは「一緒に働けないと言われたら、クビと同じじゃないですか」と思いをぶつけた。交渉の結果、会社は、髪を黒くしなくても今まで通り働くことを認めた。
 福家さんは20日に東京・明治公園である「全国青年雇用大集会2007」で体験を話す。
 「16歳でも、働く人の権利を知らないと絶対損をする。何も知らなければ、何も言うことができません」

「ふるさと納税」受け止めに差 札幌「微妙」 道、市町村「損にならない」

(05/20  北海道新聞)
 安倍晋三首相が創設に意欲をみせる「ふるさと納税」について、首都圏などに多くの人材が流出している道や市町村は「損にはならない」と期待を寄せる一方、流入人口が多く税収減も懸念される札幌市は「プラスかマイナスか測りかねる」との受け止めだ。全国的に都市と地方で意見対立が表面化する中、「地方」に位置づけられる北海道でも自治体間で微妙な考え方の違いが出ている。
 ふるさと納税は、都市と地方の税収格差を是正する手段で、納税者の意思で納税額の一部を出身自治体などに移せる制度。菅義偉総務相は個人住民税の一割程度(一兆二千億円相当)を対象とする考えを示し、来年度の税制改正での実現を目指す。参院選に向けたアピールとの見方も強い。
 これに対し道は、職などを求めて本州への転出者が多い北海道の特殊事情を踏まえ、「得になっても損にはならない制度」(総務部)と歓迎する。出身地以外にも納税できる仕組みとなれば「全国にファンが多い北海道は有利かもしれない」と期待を膨らませる。
 道町村会も「人口流出が進む町村には得になる。財政はどこも厳しく基本的に賛成」との立場。財政再建団体の夕張市への納税額が増える可能性も指摘されている。
 一方、地方と都市の二面性を持つ札幌市は複雑だ。全国的にみれば、好景気が続く首都圏などに転出した出身者からの納税が見込める。半面、道内各地からの転入者も多く、税収が道内他自治体に流出する恐れもある。「制度内容が見えず損得勘定は困難」(財政局)と慎重な姿勢だ。
 各自治体には、納税額を移す作業が複雑で徴税コストが上がる懸念や、納税者の動向によって毎年税収が増減し税収見通しが立てづらいことへの不安も強い。「国から地方への税源移譲を進める方が優先」との指摘もある。「住民税は行政サービスの対価」との原則とどう折り合いをつけるかなど、課題は多い。

ごみ処理1万4779円、除雪業務8026円 札幌市民、1人当たり負担こんなに!?
(05/19  北海道新聞)
 札幌市は二○○五年度決算に関し、五つの行政サービスについてコストがどれぐらいかかったかを分かりやすく把握するため、企業会計の手法で分析した。ごみ収集・処理などの清掃業務には二百七十六億円、市民一人当たり約一万四千円かかっており、除雪業務の百五十億円、一人約八千円を大きく上回った。また、人件費がコストの大半を占める徴税には八十五億円、戸籍住民窓口には三十二億円かかっており、スリム化できるかどうか論議を呼びそうだ。
 分析手法は行政コスト計算と呼ばれ、行政サービスの提供に必要な費用を算出する。施設の減価償却費や退職給与引当金など、従来の自治体会計には表れないコストを平年化して把握できる。
 札幌市など政令指定都市の一部は一九九九年度から全会計を連結したバランスシート(貸借対照表)とともに試行してきたが、夕張市の財政破たんを機に自治体財政への関心が高まり、総務省は全国の市町村に導入を求め始めた。
 今回、札幌市は行政サービスのコストを具体的に把握するため、とくに清掃、除雪、徴税、戸籍住民窓口、図書館運営の五事業について事業別に分析した。
 清掃業務は二百七十六億円で、市民一人当たり一万四千七百七十九円。内訳では、業者の委託費や減価償却費など「物にかかるコスト」が百七十三億円、62・5%で、人件費が中心の「人にかかるコスト」が八十九億円、32・3%。「人にかかるコスト」に関しては、収集の民間委託などで引き下げ可能との指摘がある。
 除雪業務は百五十億円で、一人当たり八千二十六円。業者委託が中心のため「物にかかるコスト」が百四十一億円、93・8%と大半を占める。
 一方で、戸籍住民窓口業務と徴税業務は「人にかかるコスト」が目立つ。戸籍窓口は三十二億円のうち二十九億円、90・9%。徴税も八十五億円のうち七十億円、83・0%で、人件費が圧倒的な割合。徴税については上田文雄市長が市長選のマニフェスト(選挙公約)に「区税務部門の統合」を掲げており、スリム化できるか注目される。
 図書館運営業務は十七億円で、○五年度の貸出冊数から算出すると一冊のコストは三百十七円だった。

函館タクシー 夜間訪問介護に参入 ヘルパー定期巡回、緊急通報にも対応
(05/19  北海道新聞)
 【函館】函館タクシー(函館、岩塚晃一社長)は、夜間に介護を必要とするお年寄り宅をヘルパーが定期巡回したり、緊急通報で駆けつけたりする「夜間対応型訪問介護サービス」に参入した。函館市が道内自治体で初めて今春始めた同サービスで、事業者として唯一指定された。道内では光星ハイヤー(札幌)も札幌市が始める事業に申請しており、他地域でも同様の動きが出そうだ。
 同サービスは要介護度一以上のお年寄りが対象。ヘルパーがケアプランに基づき夜間訪問し水分補給やトイレ介助などを手掛ける定期巡回、契約したお年寄り宅に設置される連絡端末器による通報や緊急訪問に二十四時間対応する。
 介護保険での基本利用料は月額千円。一回の利用料は夜間定期巡回が三百四十七円、緊急訪問は五百八十円(いずれもヘルパー一人での対応)。
 函館タクシーは二○○三年に介護福祉事業者の指定を受け、介護センターを開設。現在はドライバー二百三十人のうち、二十人が二級ヘルパー資格を取得している。夜間訪問では有資格ドライバーや契約ヘルパーが連携して対応する。
 同社は高齢化をにらみ新たな収益源として介護分野を強化していく方針で「年度内に五十人程度の契約獲得を目指したい」と話している。

障害者の社会参加を促進、政府が「5か年計画」策定へ
(2007年5月17日  読売新聞)
 政府の障害者施策推進本部(本部長・安倍首相)は17日、障害者の社会参画を促進するための施策を盛り込んだ新たな「重点施策実施5か年計画」を今年度中に策定することを決めた。
 障害者施策の基本方針を定めた「障害者基本計画」(2003〜12年度)に基づく現行の5か年計画が今年度で終了することを受けたもので、対象期間は08年度からの5年間。新計画では、06年4月に施行された障害者自立支援法が重視する就労支援策が強化される見通しだ。

新生児の遺伝的疾患発見へ 札幌市が新検査法を導入 来年度から
(05/16 北海道新聞)
 札幌市は、遺伝的な病気を早期発見し治療に当たる「新生児マス・スクリーニング」の現行検査法に加えて、乳幼児突然死症候群(SIDS)や脳障害に結びつく約二十疾患が発見できる新しい検査法を来年度から正式導入する方針を十五日固めた。この検査法は欧米では主流だが、正式導入は同市が国内初。現行検査法は六疾患が対象で、新しい検査法の研究を進める厚生労働省は「対象外の疾患を検査してほしいという要望は多く、札幌市の取り組みは注目を集めそうだ」としている。
 新しい検査法は「タンデムマス法」。血液をしみこませたろ紙を、特殊な質量分析器にかけ、血中アミノ酸などを測定する。一人二、三分と短時間でSIDSの原因となる脂肪酸代謝異常など二十二疾患を発見できる。これらの疾患は知能や身体機能に重い障害が発生する危険性があるが、早期治療や食事療法などで予防が可能だ。
 同市は二○○五年度からタンデムマス法の調査研究を始め、昨年度末までの二年間で市内の医療機関で生まれた新生児の約99%に当たる三万千人を検査。従来の検査方法では見つからなかった三人の患者を発見した。このうち一人は死亡したが、二人は現在も治療を続け、発症せずに健康に育っているという。
 同市は同法による検査で、これまで分からなかった疾患を早期発見し、治療した実績があったほか、同法を加えた一人当たりの経費も二千七百円程度と現行(二千六百円)とほぼ同水準であることから本格採用することにした。

障害者の就職4・4万人 06年度、景気回復で最多
(05/15 北海道新聞)
 厚生労働省は15日、2006年度に全国のハローワークを通じて就職した障害者が、前年度比13・1%増の4万3987人に上り、集計を取り始めた1970年度以来、初めて4万人を突破したと発表した。
 新規求職者も過去最多の約10万3600人を記録。厚労省は「障害者の就労意欲が高まっていることに加え、景気回復に伴い企業側の取り組みが進んだことなどが就職件数の増加につながった」としている。
 新規求職者に対する就職者の割合を示す就職率も、直近10年間で最高の42・4%に達した。
 就職者の内訳では、昨年4月の法改正で企業の法定雇用率の対象に加えられた精神障害者が、前年度の1・4倍に当たる約7000人と急増し、全体を押し上げた。そのほかは、身体障害者が約2万5000人、知的障害者が約1万1000人。
 知的、精神障害者は工場などでの単純労働が大半を占めるが、事務職への就職も大きく伸びた。

市営地下鉄駅エレベーター 来年末まで全駅設置 残り4駅、6月に着工

(04/24) 北海道新聞
 札幌市は、市営地下鉄の駅でのバリアフリー化に向けて、六月からエレベーターが未設置の南北線の北十二条、北十八条、中の島、東西線のバスセンター前の四駅で工事に着手する。来年末までにすべて完成する予定で、これにより地下鉄全駅にエレベーターが設置されることになる。
 四駅とも六月以降に工事を始め中の島、バスセンター前の両駅は来年三月末までに、北十二条、北十八条の両駅は来年十二月末までに完成する予定。これにより全四十九駅のうち、ほとんどの駅で上下線ともホームまでエレベーターで降りることができるようになる。
 ただ、中の島駅は地上部分の用地確保が難航しているため、市交通局は「まず麻生方面行きのエレベーターのみ造り、真駒内方面行きは用地にめどが付き次第、設置する」としている。同様に、東西線の東札幌駅は宮の沢方面行きは設置されているものの、新さっぽろ方面行きが未設置のため、確保できた時点で建設する。
 また、バスセンター前駅と北十二条駅の真駒内方面行きの乗り場は、コンコースとホームの高さが異なるので、地上からコンコースまでと、コンコースからホームまでの二段階でエレベーターを設ける。
 エレベーター設置について、市は東西線が白石駅から新さっぽろ駅まで延伸された一九八二年から大通、大谷地などから順次開始。その後も東豊線開通に合わせるなどして、用地が確保しやすい駅から整備してきた。
 本年度は、すでに四月四日から南北線の中島公園で使用を開始。東西線の南郷七丁目でも七月の開始に向けて工事が進んでいる。

車いすでの宿泊を支援 日本旅行が予約サービス
(04/24) 北海道新聞
 日本旅行は24日、全国脊髄損傷者連合会と連携し、5月中旬から車いすで泊まれる宿のインターネット予約サービスを始めると発表した。同連合会が運営するインターネット版「全国車いす宿泊ガイド」に日本旅行のシステムをつなぎ予約を可能にした。
 同サイトは宿泊施設側が自由に情報を書き込めるので最新の情報が入手できる。日本旅行は今後このサイトをより充実させるために、同社が契約する全国約5000軒の宿に情報提供と車いす利用者の受け入れを呼び掛けるとともに、観光情報などを充実させることにも協力する考えだ。

障害者・高齢者専門の求人サイト立ち上げ
2007年04月23日 朝日新聞
 道内の障害者、高齢者を専門にあつかった求人サイトを北海道ジョブコミュニケーション(札幌市)が4月1日、立ち上げた。まだ求人企業登録は十数社と少ないが、昨年4月に施行された改正障害者雇用促進法では障害者雇用の強化が図られ、法定雇用率1・8%を達成するよう求めている。1年後には求職登録者2万人、求人登録企業200社を目指す。
 ジョブ・コミュニケーションは札幌市のWebサイトデザインのクライストアドヴァン(札幌市、堀健一社長)と人材派遣業のアイマックス(東京、今村匡史社長)が共同で設立した。
 堀さんは障害者生活・就労支援事業を行う札幌市のNPO法人・サンライズのメンバーで、障害者の支援がライフワークだ。今村さんは5年前に9歳の長男を小児がんでなくした。車いす生活だった子供を通じて、障害者の働き口の狭さを実感し、障害者の就業問題に取り組みたいと考えていたという。2人は稚内高校の同窓生。06年秋に再会し、障害者や高齢者の手助けをする構想を話し合い、共鳴した。
 大手サイトで求人広告を出すのには、月額30万円程度かかるという。今村さんは「景気回復が遅れる道内の中小企業には高すぎる」という。
 同社のサイトの広告料は障害者、高齢者が月額3万円。若年者、パートは2万円、一般求人は5万円とした。求人広告は自前での営業のほか、代理店方式で集めている。 障害者や高齢者の就業をバックアップするために、NPOや人材派遣会社とも連携。就業訓練や相談コーナーを設置していく予定だ。
 堀さんは「北海道の障害者雇用は全国より進んでいるが、それでも法定雇用率を満たしていない。北海道全体のためになる取り組みとして、根気強く続けたい」と話している
◆障害者雇用   障害者雇用促進法では、国、地方公共団体、民間企業は一定の割合(法定雇用率)を雇用しないといけない義務がある。民間企業は56人以上の規模で法定雇用率は1・8%。06年、道内の対象企業の雇用率は1・65%、前年に比べて0・02%上昇し、7164人が雇用されているが、法定効用率はみたしていない。全国の雇用率は1・52%。

マンション火災で寝たきりの女性が焼死 大分・別府
2007年04月22日 朝日新聞
 21日午後2時10分ごろ、大分県別府市千代町、障害者や高齢者専用の「ユニバーサルマンション」(7階建て)の6階に住むNPO法人職員五十嵐えりさん(25)から「火災が起きているが、自分は障害者なので逃げられない」などと2度にわたって119番通報があった。ベッドや壁など約4平方メートルが焼け、消防隊員が五十嵐さんを救出したが、全身にやけどを負っており、まもなく死亡した。
 別府署の調べでは、五十嵐さんは手足が不自由で寝たきりの状態で介助が必要だったが、この法人の職員として活動していたという。ひとり暮らしだった。マンションは館内を車いすで自由に移動できるようなバリアフリー設計。自立生活を送る障害者の安全のためオール電化で、ふだんは火の気がないという。ベッド付近が激しく焼けており、同署で出火原因を調べている。

市立札幌病院 感染症病棟、来月から運用へ 重篤患者対応可能に

(04/22 ) 北海道新聞
 市立札幌病院(札幌市中央区)は、エボラ出血熱など危険性の高い一類感染症患者の受け入れを想定した独自マニュアルを策定するなど患者の受け入れ態勢が整ったとして、五月一日から同病院敷地内に新設した感染症病棟の運用を始める。道は近く、同病院を道内初の一類感染症患者の治療に当たる第一種感染症指定医療機関に指定する方針。「第一種」指定により、感染力、致死率とも高い患者を本州に搬送する事態が回避され、早期対応による感染拡大防止が期待される。
 同病院の感染症病棟は、エボラ出血熱、ペストなど最も重篤な七疾患に対応する一種感染症病床二床と、ジフテリア、新型肺炎(SARS)など三疾患の二類感染症に対応する二種感染症病床六床を備えるほか、病原菌の外部流出を抑える「陰圧式病室」などを設ける。
 総工費四億八千万円をかけ、昨年六月に着工、今年三月に完成した。鉄筋コンクリート造り二階建てで、延べ床面積は約五百十平方メートル。
 最も危険度の高い患者を受け入れることから、同病院は昨年四月から独自のマニュアルづくりに着手。マニュアルは院内感染防止に重点を置き、患者の排せつ物や吐しゃ物は、国内最高レベルの蒸気滅菌処理を施すほか、食器や医療器具などもできる限り使い捨て可能なものを使うことを定めた。
 また、実際に患者を受け入れる際には感染症科の医師を中心に複数の医師と、看護師約三十人の特別チームを編成し、治療に当たる方針だ。
 国内ではこれまで、一、二類とも患者は発生していない。ただ、北海道ブームでアジアを中心に海外からの旅行客が激増し、道内の出入国者も増加の一途。道は海外から危険性の高い感染症が道内に持ち込まれる可能性が増しているとみているが、道内には一類の受け入れ施設がなく、整備が課題となっていた。
 同病院感染症科の滝沢慶彦部長は「万が一にも患者が発生した場合は早期に対応し、感染の拡大防止に努めたい。マニュアルも随時内容を見直し、院内感染の防止を徹底したい」と話している。
 厚生労働省によると、二○○六年三月末現在、第一種感染症指定医療機関は二十二都府県に二十五施設ある。

療養病床削減されたら…患者の在宅介護「不可能」95% 家族対象に札幌で調査
(04/22 ) 北海道新聞
 国の療養病床削減方針に関し、療養病床で入院できなくなった場合、95%の家族が患者の在宅介護は不可能と考えていることが、札幌市療養病床協会(五十病院・診療所加盟)が行ったアンケートで分かった。容体の変化への心配や介護者自身の高齢などが要因で、患者家族が国の方針に不安を抱き、困惑している実態が浮かび上がった。療養病床では、主に寝たきりなどの高齢者が長期入院している。同協会が二十一日、札幌市中央区で開いた市民公開シンポジウムで発表した。
 アンケートは一月、札幌市内の十五病院の療養病床に入院している患者の家族四千百四十世帯に配布。二千七百四十三世帯から回答を得た(回答率66・3%)。療養病床削減に関する入院患者家族への大規模なアンケートは道内で初めて。
 療養病床での入院が続けられなくなった場合、「現在の病状、状態で自宅介護が可能か」との問いに、「可能」と答えた割合は0・6%どまりで、「不可能」が94・5%を占めた。「可能だが不安」が2・8%、「よく分からない」と「無回答」は合わせて2・1%。
 「不可能」と回答した人の理由(複数回答)は、多い順に「容体が変化した時対応できない」22・0%、「自宅の設備に不安」15・4%、「自分も高齢」12・9%、「自分も病弱」9・8%などとなっている。
 療養病床削減後、入所を希望する施設は「老人保健施設」31・5%、「老人福祉施設」25・4%、「一般病院」13・1%で、「自宅に帰る」は1・5%だけだった。
 また、全体の94・3%が、療養病床削減について「反対」と答えた。
 国は二○一一年度までに、現在全国に三十七万床(道内は二万八千床)ある療養病床を十五万床に削減する方針。都道府県別の削減数はまだ決まっていない。医療の必要性が低い患者を老人保健施設や在宅に移行し、いわゆる「社会的入院」を減らす目的だが、患者家族の反発が大きいことが、今回のアンケート結果に表れた。
 このほかアンケートの自由意見には、「入院中の姉が九十一歳で、八十四歳の私は五年前にがんを患い、現在要介護1でヘルパーの世話になっている。こんな状態で放り出されれば、二人とも死ねと言われているようなもの」「九十歳を超えた三人の親を介護してきた。昨年から二人が療養病床に入り、妻も多少ゆとりができた。家庭の事情はさまざま。まずは介護老人施設を充実すべきではないか」など切実な訴えがつづられていた。
 札幌市療養病床協会の中川翼会長(定山渓病院長)は「患者の家族がここまで不安に思っているということが分かった。患者が放り出されないよう、国や道にこれらの声を伝えたい」と話している。

「障がい者多数雇用企業」 市が16社を認定 今夏再募集
(04/19) 北海道新聞
 札幌市が障害者の雇用促進を狙いに本年度から導入した「障がい者多数雇用企業認定制度」で、市は十六の事業所を認定し、ホームページで事業所名を公開した。市保健福祉局は「今後さらに登録企業を増やしたい」とし、八月にも事業所を再募集する考えだ。
 同制度は市内の事業所で、障害者を全従業員の3・6%以上雇用する企業を「障がい者多数雇用企業」として認定。市が百六十万円以下の物品を購入したり、百万円以下の役務調達の随意契約事業を行う際に、優先的に選定するよう配慮する。認定期間は四月一日から一年間。
 市は二月の一カ月間、同制度の申請を受け付け、条件を満たした製造業や清掃業など十六事業所を認定した。市はさらに庁内の周知を徹底し、制度の効果的な運用を図る。事業者にはホームページなどでPRし、認定事業所を増やす。また、八月にも申請を受け付け、来年度以降も継続する考え。保健福祉局は「制度の一層の浸透を図り、就労の機会を増やしたい」と話している。

岩内協会病院 内科常勤医ゼロに 院長も今月末で退職
(04/19) 北海道新聞
 【岩内】後志管内岩内町の岩内協会病院(二百四十床)で奥山修兒院長(54)が四月末で退職し、同病院の内科の常勤医が五月からゼロになることが十八日、分かった。同病院では出張医の外来応援などで内科診療を続ける方針だが、一部休診日も出る見込みだ。
 同病院は十一科を持つ岩内地方の中核病院だが、二〇○四年度の臨床研修制度導入に伴う医師の引き揚げなどが相次ぎ、四人いた内科医は五月からは奥山院長一人になる予定だった。その奥山院長も「途中で倒れるのは目に見えている。無念だが、いくら院長といえども耐えられない」と話している。
 同病院は四月、初期診断を行い専門医に紹介する「総合診療科」(総合内科)を新設。病院を経営する北海道社会事業協会の加藤紘之理事長(札幌・斗南病院長)ら札幌や小樽などからの出張医の応援を得て、外来患者に対応している。約四十人の入院患者は、昼間は「総合診療科」で、夜間は常勤の外科医らが診る。地元医師会の協力で維持している二十四時間の救急診療体制は当面、継続する方針。

愛称は「コドモックル」 道が9月開設の医療・療育センター
(04/19) 北海道新聞
 道は九月にオープンする子ども総合医療・療育センター=札幌市手稲区=の愛称を、札幌市内の無職山口征治さん(68)の「コドモックル」に、施設のイメージキャラクターデザインを神戸市のデザイナー助手杜多(とだ)利香さん(24)の作品に決定した。
 いずれも施設内に描かれた、アイヌ民族に伝承されるコロポックルをイメージしたもので、それぞれ二百五十点以上の応募の中から選ばれた。今後診察券やポスターなどに使われる。
 施設は二百十五床で、医師は四十三人。先天性疾患がある胎児の出産や、十八歳までの肢体不自由児の高度医療やリハビリなどを行う。
 また、道は今月下旬からキャラクターの愛称を募集する。問い合わせは障害者保健福祉課(電)011・204・5080へ。

「地域で暮らしたい」障害者支援 札幌市、夏から事業 物件など情報提供
(04/18) 北海道新聞
 札幌市が地域で暮らしたいと希望する精神障害者らを支援するため、住居についての情報提供や相談に応じるほか、貸主との橋渡しをする「居住サポート事業」を今夏から始める。同市によると道内では初めての試みだといい、導入後の効果が注目される。
 同事業は法人などが運営する相談支援事業者に市が委託して実施。本年度は四カ所程度で対応し、来年度以降はさらに事業者を増やす方針だ。具体的には民間や公営の賃貸住宅に入居を希望する障害者に、物件情報を提供するほか、本人の症状を伝え、入居に理解を求めるなど、貸主との仲介役となる。
 同市は精神科の入院病床数が約七千二百床と全国一多いが、受け入れ先が見つからないための「社会的入院」が目立つという。
 市によると、二〇○五年度の調査では約四百人が退院可能だという。ただ、実際には入院が長期に及ぶ傾向から、家族と疎遠になり、保証人を見つけるのが困難な場合が多い。当事者からも「症状が回復したので地域で暮らしたいが、賃貸に応じてくれる家主さんがいない」などの声が出ていた。
 同事業では精神障害者のほか、知的、身体障害者についても住宅探しを支援。施設から地域生活への移行を進めたい考えだ。

札幌中心部駐車場 空車状況ネットで提供
(04/14) 北海道新聞
 札幌市中心部の駐車場情報を提供する「駐車場案内システム」が、今年七月ごろをめどにインターネットを活用した新システムに衣替えする。携帯電話やパソコンなどで情報を見る方式にし、情報内容もこれまでの空車状況に加え、駐車場周辺の商店など地域情報も提供する予定で、サービスの向上を図る。
 現在の案内システムは、札幌市が運営し一九九四年に設置。JR札幌駅や大通公園周辺、ススキノなどに四十九基の案内板があり、各駐車場からの空車情報を市が専用端末で受信し、情報を表示している。
 しかし、案内板が老朽化し維持管理費がかさむことや情報通信技術の発達などもあって、「より利便性の高いシステムの構築が必要」(市交通計画課)と判断。市や開発局、道警、駐車場会社などが今年三月、「札幌市駐車場案内システム高度化実験推進協議会」を結成して更新を検討してきた。
 新システムは、各駐車場から送られてきた情報をインターネットサイトを通じて提供する。市によると、これにより年間千八百万円かかっている維持管理費を四百万−五百万円程度圧縮できるという。
 同協議会は、新システムを構築する業者をプロポーザル(提案)方式で採用する予定で、五月十七日に業者から企画を提案してもらい決定する。年間の委託経費は千三百九十万円を想定している。
 また、本年度は新システムの検証や利用者アンケートを行い、効果を確かめる。
 駐車場法に基づく届け出をしている市中心部の駐車場は百四十五カ所。ただ、現システムに情報を送っているのは三十五カ所にとどまっており、同協議会は「新システム導入で、情報提供してもらえる駐車場の数も増やしていきたい」と話している。

札医大、転院患者受け入れ拡大 中期計画発表 地域医療貢献に力
(04/14) 北海道新聞
 札幌医大は十三日の道地方独立行政法人評価委員会で、道内の半数の病院から重症患者の転院を受け入れるなど地域医療の支援策を盛り込んだ中期計画(二○○七−一二年度)を示した。同委員会は原案通り同意し、道は早ければ今月下旬にも計画を認可する見込み。
 中期計画は、札医大が四月に独立行政法人となったことに伴い、道が定めた中期目標に基づいて同大が策定した。地域医療への貢献や財政改善が柱。
 地域医療の貢献では、転院患者の受け入れを拡大。昨年度は二百五十二病院から患者を受け入れたのに対し、一二年度には約三百病院の利用を目指す。また、札医大が道内外の病院に派遣している医師について、地域の公的病院に充てる派遣総数をこれまでの五割から六割にする。
 ほかに、財政改善のため、平均入院日数を○五年度の十九日から十七日以内に短縮。医薬材料比率を23・2%(○五年度)から22%に削減する。また正規職員百人相当分の機械的業務などを外部委託し、効率化を図る。

療養病床の削減計画策定 地域実情、配慮認める 厚労省方針
04/12  北海道新聞
 慢性期の高齢患者が長期入院する療養病床の削減について、厚生労働省は十二日、削減計画を作る都道府県に地域実情への配慮を認める方針を固めた。全国に三十八万床ある病床を全体で二十三万床削減するとの目標は変えないが、患者やその家族らから不安の声が上がっているため、秋にまとまる計画では目標に届かない可能性が高い。
 事実上、目標の下方修正となるが、背景には今後五年間で七十五歳以上の高齢者が20%増える見通しであることや、退院患者の受け入れ先に想定している老人保健施設など介護施設への転換を希望する医療機関が少ないこともあるとみられる。
 療養病床の削減は、昨年の医療制度改革の中で医療費抑制策の柱。介護施設などへの転換で、二○一一年度末までに十五万床に削減するとしているが、目標があいまいなままだと医療費抑制策の見直しを迫られる可能性もある。
 一方、療養病床減に伴う高齢患者の支援で、一般病床を退院し在宅や介護施設などに移る前に入院するリハビリを中心とした病床を現在の二万床から増やす。療養病床から介護施設などへ移った患者への必要な医療などについては、実施体制も含め夏までにまとめる。
 介護施設などへ移す対象として、医療の必要度に応じて三区分した患者のうち、最も低い区分1は全員、区分2は30%と、基準を明確にした。必要度が高い区分3は全員療養病床へ残す。
 医療機関の介護施設への転換希望は同省が想定する全体の六割を大幅に下回り、一割程度にとどまっていることが明らかになっており、厚労省は転換促進策として医療機関に対し低利融資や税制優遇などの大幅な支援策を打ち出している。

障害者への偏見「ある」8割超 でも、過半数が「改善されている」 内閣府調査
(04/08 ) 北海道新聞
 内閣府が七日発表した「障害者に関する世論調査」によると、世の中に障害を理由とした差別や偏見が存在すると思っている人は82・9%に上った。道内は87・8%と全国十ブロックの中で最も高く、障害者差別の意識が根強く残っていると道民が強く感じていることが明らかになった。
 調査は二月八日から十八日にかけ、二十歳以上の男女三千人を対象に実施した。回答率は60・5%。北海道は百三十五人で、回答率は60・7%だった。
 内訳は、差別や偏見が「ある」が52・0%、「少しはある」が31・0%で、「ない」の15・1%を大きく上回った。年代別では、若い人ほど差別や偏見があると思う傾向が強く、七十歳以上が58・2%だったのに対し、二十代は97・0%に達した。この半面、偏見があると感じている人のうち57・2%が、五年前と比較して差別や偏見が「改善されている」と回答した。障害者とともに生活することへの意識が、国民に浸透しているといえそうだ。
 道内は、差別や偏見が「ある」が67・1%で、「少しはある」が20・7%。「ない」は11・0%だった。五年前との比較でも「改善されている」と回答した人は48・6%と、十ブロックの中で最も少なかった。

車いすの男性、ホームから転落し軽傷 大阪・千林大宮駅

2007年04月02日 朝日新聞
 1日午後8時35分ごろ、大阪市旭区森小路2丁目の市営地下鉄谷町線千林大宮駅の上りホームから、電動車いすに乗った近くの無職男性(20)が約1.3メートル下の線路に車いすごと転落した。ホームにいた客が気づき、男性は救出されたが、頭に軽いけがをした。
 大阪市交通局などによると、男性は同駅で電車を降り、電動車いすの操作を誤ってホームから落ちたらしい。50代の女性客が線路上に落ちたのに気づき、改札口の駅員に連絡。同局が後続の電車を止めている間に、客3人と駅員1人が車いすをホームに引き上げた。客らは救急隊員が駆けつけるまでの間、頭から血を流す男性に「大丈夫か。動いたらあかん」などと声をかけていたという。
 男性は、ビールなどを飲んで帰宅する途中だったと話しているという。この事故で、上下17本が最大で10分遅れ、約1700人に影響が出た。

「社内飲み会も業務」 帰宅途中に死亡で労災 東京地裁が認定

3月29日 産経新聞
 社内で開かれた会社の同僚との飲み会に出席して帰宅途中に地下鉄駅の階段で転落して死亡したのは労災に当たるとして、妻が中央労働基準監督署を相手に、遺族給付など不支給処分の決定取り消しを求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。佐村浩之裁判長は労災と認め、決定の取り消しを命じた。
 佐村裁判長は会合について「業務を円滑に進める目的で開かれており、業務上の成果も出ている飲酒は忌憚(きたん)のない意見交換をするため」と認定、会合が業務だったと判断した。中央労基署は「会合は勤務時間外に開かれた慰労目的で業務でなく、労災に当たらない」と主張していた。
 判決によると、死亡したのは東京都内の建設会社の部次長だった男性。男性は平成11年12月、勤務時間外の午後5時から社内で開かれていた会合に出席し、缶ビール3本などを飲んだ。約5時間後に帰宅する途中、地下鉄駅の階段から転落して頭を打ち死亡した。

生活保護判定会議 札幌市5月に設置 全国初 北・白石区で先行
2007/03/28  北海道新聞
 生活保護費の支給をより厳密に審査するための「稼働能力判定会議」の設置を検討していた札幌市は、具体的な実施要領をまとめた。五月中旬から北、白石の両区に設け、審査を始める。厚生労働省によると、同会議の設置は札幌市が全国初となる見通し。
 生活保護費の増加が市の財政を圧迫していることから、支給の際の判断をより公正に行うため、市が準備を進めてきた。会議は医師、就労支援専門員、ケースワーカーらで構成する。
 厚労省は全国の市町村に対し、同会議を新年度から設けるよう求めているが、医師らの確保などが壁となって進んでおらず、新年度設置を検討しているのは全国で十市町村程度という。
 札幌市は同会議で、医師の診断書では働けないとされていても、働ける可能性がある保護費受給者について審査する方針。新年度は計五十人程度を対象とする。
 同市は先行する二区について、会議の効果や課題を検証した上で、市内全域に拡大する方針。

道立病院 夜間・休日の医療費支払い「預かり金制」に
2007/03/20 北海道新聞
 道は四月から、道立病院で夜間、休日の外来診療を受けた患者の医療費の支払い方法に、診療直後に一定金額を支払う「預かり金制度」を導入することを決めた。道立病院の累積赤字が約六百億円に膨らんでおり、これ以上の医療費未納を防ぐためだ。
 夜間や休日に道立病院を受診した患者の支払いは現在、平日の日中に再度来院して支払う「後日払い」になっている。夜間や休日は会計担当者が休んでいるためだが、日を改めて支払いに来ない患者もおり、医療費の未納額が二○○五年度末時点で八千三百万円に膨れ上がる一因となっている。
 新制度は、患者が夜間や休日の時間外診療を受けた直後に、二千−五千円を病院に預け、後日、来院した際に医療費を差し引いた分を返還してもらう。
 新制度での各病院の預かり金額は、紋別や羽幌など四病院が五千円で、精神医療の向陽ケ丘(網走市)、緑ケ丘(十勝管内音更町)、結核医療の苫小牧病院が二千円。
 道立病院管理室は「時間外利用者は一日平均十人程度のため、支払窓口を開けるとかえって人件費が負担となり非効率。持ち合わせがない場合には後日払いにも対応する」としている。
 一方、道内の他の公立病院では、札幌、旭川の市立病院は夜間や休日でも会計担当者を置き、医療費を精算できる。また、道外では山形県などで預かり金制度を導入しているが、香川県は逆に「一時的とは言え、もらい過ぎになる」(県立中央病院)ため、今年一月から預かり金制度を後日払い制度に変更している。
 北海道生活と健康を守る会連合会(札幌市)の細川久美子副会長は「本来支払うべき医療費以上の現金を用意しなければならないため、急病時にも来院をためらうことになり、病状を悪化させる」と批判している。

札幌で輪禍死障害者の両親 「逸失利益ゼロは不当」 加害者らを提訴へ

2007/03/15  北海道新聞
 交通事故で死亡した自閉症の長男=当時(17)=の逸失利益を「ゼロ円」と算定したのは不当だとして、札幌市内の両親が、加害者の運転手と事故当時、長男を介護していたヘルパーらを相手取り、同年代の健常者と同じ逸失利益約四千二百万円を含む約七千三百万円の損害賠償を求め四月上旬、札幌地裁に提訴することが十四日、分かった。これまで、重度の障害者に健常者並みの逸失利益を認めた判決はなく、逸失利益の見直しを求める訴訟は全国でも異例だ。
 両親らによると、重度の自閉症だった長男は二○○五年八月、ヘルパーに付き添われ、初めて路線バスを利用して札幌市内の公園へ行った。バスが公園内の停留所で停車し、ヘルパーが運賃を支払っている間に、長男は道路へ飛び出し、乗用車にはねられ死亡した。
 事故の数カ月後、加害者の代理の損害保険会社が、男性の両親に賠償額の見積もりを提示。長男が受け取るはずの障害者年金を将来の収入と認めず、逸失利益をゼロと算定し、賠償額の総額は慰謝料など千六百万円とした。
 逸失利益は、被害者が生きていれば将来得られたはずの収入で、同じ年代の健常者でも、職種などによって数千万円の差が生ずることもある。一般的に、障害者は仕事に就きにくいため、収入予想額を低く算定され、障害が重度になるほど逸失利益は低くなる。
 両親は「障害者だからといって、命の対価と考えられる逸失利益がゼロ円なのは明らかな差別で、人権を無視している」と訴える。
 両親の代理人を務める児玉勇二弁護士(東京)は「重度の障害者でも発達の可能性はあり、逸失利益に差をつけるのは不合理。少なくとも、法律で定められた最低賃金をベースに算定するべきだ」と話している。道内関係では、旧上磯町(現北斗市)の知的障害児施設で入浴中に死亡し、逸失利益を「ゼロ円」と算定された男性=当時(16)=の青森県に住む両親も、近く同様の訴訟を青森地裁に起こす。

延命治療中止 「呼吸器外し」も選択肢 初の指針案 救急医学会
2007/03/14  北海道新聞
 日本救急医学会は、救急患者の終末期医療で延命治療の中止基準を示した指針案をまとめ、十四日までに、ホームページ(HP)上に公開した。終末期を具体的に定義し、人工呼吸器の取り外しも治療中止の選択肢として明記した。学会レベルの指針案は初めて。今後寄せられる意見を踏まえ、十月に指針を策定、医療現場への周知を図る考え。
 終末期医療のあり方をめぐっては、昨年九月に厚生労働省が指針原案をまとめているが、具体的な中止の手法には踏み込んでいない。
 現在、明確な治療中止の基準がなく、道立羽幌病院(留萌管内羽幌町)で人工呼吸器を取り外した医師が書類送検、不起訴処分となった事件などを機に、医療関係者の間に基準づくりを求める声が高まっている。半面、医師が意図して患者の死期を早めることに関しては慎重論もあり、論議を呼びそうだ。
 指針案は、救急医療の現場でいう終末期を「妥当な基準で脳死と診断された場合」「治療を続けても数時間ないし数日以内に死亡すると予測される場合」など四つの状況のいずれかを指すと定義。主治医を含む複数の医師で客観的に判断することの必要性を強調した。
 中止の判断は、家族が受け入れる意向であることが前提で、本人が事前に文書で意思表示をしているか、家族が本人の意思を推定できる場合に限定。家族が判断できない時は、主治医を含む医療チームが判断するが、家族に説明して納得が得られた場合に限る。
 方法として《1》人工呼吸器やペースメーカーなどの取り外し《2》人工透析などを行わない《3》人工呼吸器の設定や昇圧剤の投与量の変更《4》水分や栄養分の制限・中止−の四つの選択肢を挙げた。筋弛緩(しかん)剤投与など死期を早める行為は認めていない。
 さらに、意思確認や方針決定の過程を必ず詳細に診療録に記載するとした。家族への説明の際、プライバシーが保てる場所で説明し、家族の総意としての意思確認が重要だとしている。
 指針案は同医学会が二○○四年五月に「救急医療における終末期医療のあり方に関する特別委員会」(委員長・有賀徹昭和大教授)を設置し、検討してきた。有賀委員長は「現場がよりどころとなる考え方を示した。(がん治療など)他の学会も提言を出し、終末期医療についての議論が深まればいい」と話している。

リハビリ制限見直し、中医協が了承
2007年03月14日 朝日新聞
 脳卒中などのリハビリテーションの医療保険適用が原則180日までに制限されている問題で、中央社会保険医療協議会(中医協)は14日、厚生労働省が示した見直し案を承認した。これにより、日数制限の対象外となる疾患が心臓病などにも広がると共に、制限日数に達した後、介護保険で機能維持のリハビリを十分に受けられない患者は、医療保険で受けられるようになる。4月から実施される。
 中医協の土田武史会長は承認にあたり、「制度改正前に介護保険のリハビリの状況が分かっていれば、このような事態は避けられた」として、厚労省の医療保険と介護保険の担当者間の連携が不十分だった「縦割り行政」を批判した。

リハビリ日数制限、心筋梗塞・肺気腫など除外へ 厚労省
2007年03月13日 朝日新聞
 脳卒中や事故後のリハビリテーションの医療保険適用が原則180日までに制限され、必要なリハビリを受けられない患者が出ている問題で、厚生労働省は12日、心筋梗塞(こうそく)や狭心症、肺気腫など、日数制限の上限に達した後もリハビリを続けられる病気の範囲を広げて制度を見直すと共に、財政面でのバランスをとるため、リハビリの診療報酬を一部引き下げる方針を固めた。14日の中央社会保険医療協議会(中医協)に提案し、4月からの実施を目指す。
 リハビリの日数制限は、脳卒中などが発症した直後の急性期や回復期に集中的なリハビリができるようにする一方、効果が見込めないまま続けられるリハビリを抑制するため、昨年4月の診療報酬改定で導入された。医療リハビリの終了後は、介護保険のリハビリに移行するはずだった。
 しかし、12日の中医協に報告された実態調査では、一部の疾患で1割以上の患者が「改善の見込みがある」と診断されたのにリハビリを打ち切られるなど、制度の不備が明らかになった。
 これを受けて厚労省は(1)急性冠症候群(心筋梗塞など)、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫など)を新たに日数制限の対象から外す(2)日数制限の対象となる病気でも、改善の見込みがあって医師が特に必要と認めた場合は医療リハビリが継続できる(3)介護保険の対象とならない40歳未満の患者や、介護保険で適当な受け皿が見つからない人は、医療で維持期のリハビリが続けられる(4)回復が見込めない進行性の神経・筋肉疾患(筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症=ALSなど)も医療リハビリを継続する、などの見直しを行う。
 厚労省は、これらの改正で大半の患者を救済できるとみるが、リハビリの費用が膨らむのは確実。医療費の総枠は現状維持が求められるため、医療機関に支払われるリハビリの診療報酬を、日数の上限に達する1カ月ほど前から引き下げることも中医協に提案する。

消えゆく道立診療所 ピーク時47カ所、新年度は9に 利用減、財政難響く
2007/03/12 北海道新聞
 かつて、道内過疎地の地域医療を支えていた道立診療所が消えつつある。ピーク時は道内四十七カ所に上ったが、財政難で次々と廃止され、残る診療所は十一カ所。三月末にはさらに二カ所が閉鎖される。道は利用者減などを理由に地域に理解を求めるが、身近な診療所の存続を求める声は少なくない。無料バスの運行など代替策に苦心するマチを歩いた。
 積丹半島の先端近くにある後志管内積丹町余別。人口二百人ほどの港町を訪れると今年三月末で閉鎖される道立余別診療所がひっそりと建っていた。平日は医師一人、看護師二人、事務員一人が常駐しているが、一日の平均患者数は十人程度。「血圧を測ってくれとか、腰痛の薬がほしいとか、簡単な診療がほとんど。設備の整った余市や小樽の病院に行く人が多いから」。三年半前に赴任した山畠功司医師(62)は少し寂しげに語った。
 一九五三年に診療所ができたころ、漁業で栄えた余別の人口は五百人近かった。患者も二十年ほど前は一日二十人以上訪れたが、過疎化や自家用車の普及で徐々に減った。診療所近くに三十年近く住む六十代の主婦は「小樽の病院に行けば、ついでに買い物もできる。診療所に行ったことは一度もない」という。
 余別診療所の赤字は年間約二千万円。住民には「廃止は仕方ない」というあきらめが漂う一方、進む“医療過疎”へのやりきれなさが募る。「年金暮らしで車もない。どうしたらええの」。歩いて診療所に通う主婦(85)は表情を曇らせる。同町美国にある町立診療所までは車で約三十分。一日五往復の路線バスがあるが、料金は片道八百円かかる。
 町は新年度から、余別と町立診療所の間を週二回結ぶ無料バスを運行する。「不安を少しでも解消できれば」と益子清美町長。ただ、町財政は十億円以上の累積赤字を抱えるだけに、年間数百万円のバス運営費の負担増は軽くない。

 道によると、道立診療所は一九五三年には四十七カ所あったが、市町村立の診療所ができたり道路網の整備などに伴い、八八年には二十五カ所に。九○年代以降は道財政の悪化などで毎年のように廃止が続いている。廃止後、市町村が引き継いで運営しているのは上湧知(稚内市)、泉郷(千歳市)などわずかしかない。
 三年前に道立診療所が廃止になった後志管内蘭越町名駒。廃止後、町は同地区と車で二十分離れた町立診療所を結ぶ無料バスを週二回走らせている。
 名駒に住む工藤テルさん(92)は「診療所がなくなったのは寂しいけど、バスが家の近くまで来るし、温泉にも無料で行けるようになった」と喜ぶ。町の担当者は「財政は苦しいが、なんとか続けていきたい」と話す。一方、三月末で糠平診療所が廃止になる十勝管内上士幌町は、他の医療機関までの送迎バスの運行や交通費の助成は見送った。ただ、町は廃止に伴う道の助成制度を活用して町内の病院設備を更新し、地域の医療体制の充実を図るという。
 道は新年度以降、残る九カ所の診療所も自治体への移管や廃止を進めていく方針。ある首長は「効率化の必要性と住民の不安。どちらも分かるだけにつらい」と話した。

呼吸器装着、施設間で大差 難病ALSで病院調査
2007/03/10  北海道新聞
 全身の筋肉が動かなくなる進行性の難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者が呼吸困難になり、延命のために気管切開をして人工呼吸器を装着した割合は、ほぼ100%から10%未満まで病院間で大きな差があることが10日、共同通信が実施した全国調査で分かった。
 余命を大きく左右する呼吸器装着の割合が、ケア体制の地域差や医師の説明方法に影響されている実態が浮かんだ。
 一方、一度つけた呼吸器を患者が自らの意思で外す権利を容認する意見が約半数を占め、患者から取り外しを依頼された経験のある病院も19%あった。患者団体には「容認すれば、周囲の都合で死に追い込まれる恐れがある」と慎重論も強く、議論を呼びそうだ。
 調査は今年1−2月、神経内科がある大学病院本院と国立病院機構など計183病院を対象に実施。78病院(43%)から有効回答を得た。
 呼吸器をつければ数年以上の延命が可能だが、たん吸引などで24時間介護が必要になる。家族の負担が大きく、装着をためらう患者も多い。

暮らし、福祉に重点 雇用拡大も提示 宮内氏公約 道知事選
2007/03/09  北海道新聞
 四月の道知事選に共産党公認で立候補する同党道委道民生活本部長の宮内聡氏(43)は八日、札幌市内で記者会見し、ローカルマニフェスト(選挙公約)を発表した。「国保・医療・介護の拡充」や「安定した雇用の拡大」など、暮らしや福祉に重点を置いた計百十七項目を掲げた。
 医療・福祉政策では「高橋道政で暮らし破壊と福祉切り捨てが行われた。再び『福祉の心』を取り戻す」とし、地方の医師不足解消策として、医師を道職員として採用し自治体に派遣する制度の創設、難病患者や障害者の医療費助成拡充などを提示した。
 雇用対策では、道内労働者のうち非正規雇用者の割合を現在の39%から五年前の31%の水準まで戻すとした。産業振興では、農業土木分野に偏重している道の農業予算を見直し、特産物の価格保障を行うことなどを盛り込んだ。
 また、ダム建設など大型公共事業を中止し、そこで浮いた財源を特別養護老人ホーム五十カ所、道営住宅四千戸、保育所六十カ所の新設に振り向ける。
 これらの公共事業を除く、小中学校の三十人学級実現や、子供の医療費助成、過疎の市町村に対する助成など新規事業で三百七十億円が必要になるが、それについては公共事業の落札率引き下げで三百億円、企業誘致補助金減額で二十億円などの新たな財源が見込めるとした。

「脳検査怠り障害」 函館の73歳女性が木古内町を提訴
2007/03/09  北海道新聞
 【木古内、函館】渡島管内木古内町の木古内町国保病院が脳梗塞(こうそく)の発症を見落としたため、重い後遺障害が残ったとして函館市に住む女性(73)と女性の成年後見人の男性(46)が、同病院を経営する木古内町を相手取り一千万円の損害賠償を求めて函館地裁に提訴したことが八日分かった。
 訴状によると、女性は二○○三年十一月十七日当時、木古内町内の自宅で転倒し、搬送先の同病院で腰部挫傷や胸椎(きょうつい)圧迫骨折などと診断されて入院。数日後から吐き気やめまいを訴え、不自然な言動をするようになったが、同病院は適切な脳検査を怠った。十二月上旬、転院先の函館市内の病院が脳梗塞の一種である右脳塞栓(そくせん)と診断し「脳塞栓の発症は十一月十七日」と判断した。
 女性の症状は改善せず、その後、介護保険の要介護度五と認定された。女性は現在、会話や身の回りのことがほとんどできず、寝たきりの状態になっている。女性側は「調停で円満な解決を図ろうとしたが、町側に解決する姿勢が感じられなかった」と批判。「脳検査を適切に行っていれば、早期に治療することが可能だった」と主張している。同町は「訴状をまだ見ていないので、コメントできない」と話している。

作業所・施設で働く障害者、労基法の適用基準見直しへ

(2007年3月8日 読売新聞)
 厚生労働省は、福祉施設で働く障害者に対する労働基準法などの適用基準を、半世紀ぶりに一部見直す方針を決めた。7日に開かれた全国都道府県障害者福祉担当課長会議で明らかにした。
 障害者として保護することを目的としており、低賃金など労働環境の改善には踏み込んでいない。
 障害者作業所や授産施設で働く障害者について、労働法規の適用基準を示した1951年の通達では、〈1〉勤怠管理をしない〈2〉工賃に差を付けない〈3〉作業収入は全額、障害者に還元する――などの条件を満たせば訓練とみなされ、労働法規の適用が除外される。
 ところが現状では、タイムカードでの勤怠管理や能力給などの形で、各地の授産施設や作業所が、企業への就職に向けた訓練として一般的に導入している。見直しでは、現状を追認する形で、通達では認められていなかった能力給と位置づけがあいまいだったタイムカードでの勤怠管理を、いずれも訓練として認める。
 今月中に、全国約5800か所の作業所に対し、新基準を徹底するための通達を出す。来月以降、都道府県ごとに、作業所と授産施設の施設長を集めたセミナーを開く予定。
 作業所の全国組織「きょうされん」の藤井克徳常務理事は、「障害者の低賃金という根本問題の解決にはほど遠い。福祉部局と労働部局がさらに連携すべきだ」と話している。

障害者雇用率、パートも算入 厚労省、採用広げる狙い

2007年03月08日 朝日新聞
 厚生労働省は7日、企業に義務づけている障害者の法定雇用率(従業員に占める障害者の割合=1.8%)について、パートとして働く障害者も加えて算定するよう制度を変える方針を固めた。雇用率が未達成の企業に対する納付金の支払い義務を中小企業に拡大することも検討する。障害者の雇用の場を広げるのが狙いで、来年の通常国会での障害者雇用促進法改正案の提出を目指し、今夏から労働政策審議会で本格的な議論を始める。
 同法では現在、従業員56人以上の企業に法定雇用率の達成を義務づけている。ただ、雇用率の計算に算入できるのは原則として正社員。パートについては、特例的に重度障害者と精神障害者に限り、算入してもいいことになっている。
 今回の改正では、全体の「従業員」に週20時間以上30時間未満の短時間労働のパートも加え、障害の種類や重さにかかわらず、身体障害者や知的障害者も算定の対象とする方向だ。障害者雇用を促すのが目的だが、企業側が障害者を正社員ではなくパートとしてしか雇わなくなる懸念もあるため、パートの障害者を1人雇った場合、雇用率の計算上は「0.5人」とするなど、正社員雇用とは差をつけることで障害者雇用がパートに偏らないようにする。
 派遣社員についても現在は派遣元企業の雇用率にしか算入できないが、派遣元と派遣先で0.5人分ずつ算入する仕組みなども検討。派遣先に障害者の受け入れを促す。
 現在、法定雇用率に満たない従業員301人以上の企業には、法定数に足りない障害者1人あたり月5万円の納付を義務づけているが、これを300人以下の中小企業にも拡大することも検討。中小企業に対する事実上の「罰金」を科すことで、障害者雇用を進める考えだ。

延命措置中止の条件明示 日本尊厳死協会の研究班
2007/03/07  北海道新聞
 日本尊厳死協会(理事長・井形昭弘名古屋学芸大学長)の研究班は6日までに、がんや筋委縮性側索硬化症(ALS)など6つの病態に分けて「不治」や「末期」の状態を定義した上で、延命措置を中止できる条件の具体案をまとめた。
 10日の常任理事会で承認を得られれば、終末期医療のガイドライン(指針)作りを進める厚生労働省に文書で提出する方針。あくまで試案と位置付けており、井形理事長は「これを機に各方面で活発な議論が進むことを期待する」としている。
 意識が鮮明なまま全身の筋肉が動かなくなるALS患者についても「自発呼吸がないと確認すれば延命措置を中止できる」などと安易に死が選択されかねない内容もあり、議論を呼びそうだ。

「療養病床から介護施設に転換」1割 国の目標と隔たり

2007年03月07日 朝日新聞
 病状が安定した高齢者が長期入院している「療養病床」を6割削減して介護施設に転換する政策を厚生労働省が進めているが、全国の病院・診療所で実際に介護施設への転換を予定している病床数は1割に満たないことが6日、同省の調査で明らかになった。6割近くが療養病床や一般患者向けの病床としての存続を望んでいる。「11年度末までに6割削減」という国の目標との隔たりは大きく、療養病床削減で必要になる高齢者の受け皿の確保も難しい現状が浮き彫りになった。
 療養病床には現在、医療保険を使って入院するベッド(25万床)と、介護保険を使うベッド(13万床)がある。計38万床のうち、厚労省は医療費抑制のため、今後5年間で23万床を削減。療養病床は病状が比較的重い患者だけを対象とする医療保険型の15万床のみとし、残る23万床は行き場がなくなる高齢者の受け皿として、老人保健施設や有料老人ホームなどへの転換を促す計画だ。
 調査は昨年10月1日時点で行われ、2月20日までに38万床のうち、医療型22万2171床、介護型11万5955床の計33万8126床分の回答があった。全国の病院と診療所5925医療機関が協力した。
 転換予定を聞いたところ、現状のままでの存続も含めベッド数で全体の49.6%が医療型の療養病床だった。今後廃止される介護型の存続を望む割合も3・7%あった。一般病床への転換は5.2%。国が療養病床の主な転換先としている老健施設への移行は8.6%にとどまった。
 タイプ別に見ると、療養病床として存続する予定なのは、医療型の63・5%に対し、介護型は34.3%。介護施設への転換を目指すのは医療型が2.4%に対して介護型では21.2%と、大きな差が出た。
 厚労省は昨年7月、療養病床の軽度の患者に対する診療報酬を大幅に引き下げる一方、介護施設に移行しようとする病棟への優遇措置を設定。介護施設への転換を促そうとしたが、これまで優遇措置を利用している医療機関はほとんどない。
 今秋をめどに、各都道府県は「地域ケア整備構想」を策定し、地域ごとの療養病床の転換目標を定める予定だ。厚労省は「介護施設の整備計画などが自治体ごとに明らかになれば、転換を希望する医療機関も増えるのではないか」とするが、計画通りに転換が進むかどうかは不透明で、受け皿が不足し、高齢者が行き場を失う可能性もある。
 〈キーワード:療養病床の削減・転換〉 医療サービスの必要性が必ずしも高くない高齢者が施設代わりに入院する「社会的入院」を解消するため、06年の医療制度改革に盛り込まれた。患者を高コストの医療機関から介護施設に移すのが狙い。厚労省の試算によると、療養病床の6割削減で、医療保険給付は12年度時点で年間4000億円削減できる。患者の多くが介護施設に移るため、介護保険は1000億円増えるが、差し引き3000億円の給付抑制につながるという。

高橋知事選挙公約 格差是正打ち出す 地方財政支援へ「交付金」
2007/03/07  北海道新聞
 高橋はるみ知事は六日、四月の知事選に向けた選挙公約の大枠を固めた。「経済再生」に傾斜した一期目に比べ、地方の医師不足や少子・高齢化問題、疲弊した市町村財政への対応などを重視。「地域格差の是正」や「ものづくり産業の振興」など二十五の重点政策を軸に、約百七十の具体的公約を掲げた。道議会与党の自民・公明両党や支援団体などと最終調整した上で、九日にも正式発表する。
 一期目公約集の続編と位置づけて、「新生北海道・第二章」と命名。「十万人の雇用創出」「二百件の企業立地」「道内食料自給率220%」など、数値や実施時期の目標を明示した新規施策も六十五項目を列記した。
 経済政策では、大都市との格差解消と産業構造の転換に向けた行程表「北海道経済活性化戦略ビジョン」を策定。研究開発や技術者養成を目的とした「ものづくり支援センター」、輸出市場開拓に取り組む「国際ビジネスセンター」、道産品の首都圏や関西での販路拡大を支援する「北海道ビジネスプラザ」などの新設を盛り込んだ。
 夕張市の財政破たんに象徴される、疲弊した市町村財政への対応としては、地域間の財政格差を是正するための独自の「交付金制度」を設け、地域活性化の取り組みを支援する。地方の医師不足に対しては、地方勤務を義務付ける奨学金制度の創設や、道が医師を採用して地域に派遣する制度の構築を進める。
 少子化対策では、不妊治療や乳幼児医療への助成を拡大。乳児のいる家庭を訪問、助言する「こんにちは赤ちゃん事業」や、子育て家庭向け「買い物割引特典制度」なども創設し、「子育て王国・北海道」を目指す。

ネット通販、導入費半減 ドコモ北海道が新システム 中小企業向け発売へ
2007/03/06  北海道新聞
 NTTドコモ北海道(札幌)は五日、情報技術(IT)ベンチャーのワイズノット(東京)と共同で、高機能ネット通販サービスを低コストで導入できる新システムを開発したことを明らかにした。パソコン画面で売れ筋商品を紹介したり、顧客の購買履歴を確認したりできる機能を搭載。道内中小企業の販路拡大に活用してもらう狙いだ。
 ネット通販に関心を持つ企業は道内でも多いが、従来のシステムは、ネットワーク機材の初期投資や維持費がかさむのに加え、各種設定や操作手順も複雑なことから、導入に二の足を踏む経営者が多かった。
 そこでドコモ北海道は、インターネットを通じ無償配布される「オープンソースソフト」を活用したシステム開発を得意とするワイズノットと提携。
 従来と比べ導入コストを半額に抑えた上で、ネットワーク構築からショップ開設までに必要な各種設定サービスをパッケージ化して提供できるシステムを作り上げた。
 新システムは、商品の注文・発送状況や売上高ランキング、顧客の購買履歴をひと目で確認できる販売管理機能を装備。発送漏れなどのミス防止に加え、リピーター獲得に向けた顧客分析を効率的に行うことができる。価格は六十七万二千円からを予定している。

看護師確保困難 患者に退院打診 羅臼国保病院「強制はせず」
2007/03/06  北海道新聞
 【羅臼】看護師不足のため十日から夜間休日の救急受け付けを停止する根室管内羅臼町国保病院(高橋稔院長、四十八床)が、夜勤看護師を一人しか確保できないとして、三十二人いる入院患者を二十五人程度まで減らすことになり、退院の打診を始めた。町内に他の医療機関はなく、患者家族は行き場がない、と困惑している。同病院は「自宅療養が可能な入院患者に退院できないか先週から相談を始めた。強制はしない」という。
 同病院はこれまで、入院病棟と救急外来のため、看護師は夜間二人体制だった。しかし、看護師十九人のうち、四人が三月末までに退職する。勤務ダイヤで夜勤者は一人になった。入院患者のほとんどは高齢者だが、町内には特別養護老人ホームもグループホームもない。
 母親が入院しているという家族は「三日、退院の打診があった。寝たきりなので、自宅で世話をするのは難しいが、他の町の施設はお金がかかるし」と困り果てている。

道内と東京、格差また拡大 4年連続で減少 04年度道民所得
2007/03/06  北海道新聞
 内閣府が六日発表した二○○四年度「県民経済計算」によると、一人当たりの道民所得は前年度比0・8%減の二百五十三万五千円で、四年連続の減少となった。都道府県別では前年度と同じ三十一位。首位の東京は同1・2%増の四百五十五万九千円で北海道の一・八○倍となり、格差は前年度の一・七六倍より拡大した。
 東京と最下位の沖縄との差も二・二四倍から二・二九倍に広がり、地域間格差拡大が一段と進んでいる実態を裏付けた。
 県民所得は個人所得と企業所得の合計で、都道府県の経済全体の所得水準を示す。全国平均は同0・3%増の二百九十七万八千円で、二年連続の増加。前年度に比べて増加したのは二十都府県で、シャープの亀山工場が稼働した三重県(同2・2%増)など製造業の拠点を持つ地域の伸びが目立った。
 北海道は農業やサービス業が増加したが、公共事業の減少で建設業が不振だったうえ、製造業も輸送用機械など一部を除いて振るわなかったことが響いた。
 ○四年度の実質経済成長率では、北海道は0・7%と二年連続のプラス成長だった。マイナス成長は青森と高知の二県にとどまったが、二十七道府県が全国平均の1・9%を下回り、三重(7・5%)や福島(6・2%)など一部の高成長地域との格差が鮮明となった。

ホーキング博士、4月に無重力体験 宇宙飛行へ第一歩

2007年03月03日 朝日新聞
 英国の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士(65)が、4月26日に米国で無重力体験飛行をすることになった。博士は今年初め、「09年には宇宙に行くつもりだ」との考えを明らかにしており、宇宙飛行へ向けた第一歩を踏み出す。AP通信などが伝えた。
 一般向けに無重力体験飛行を催している民間会社の航空機を使う。高度約1万メートルまで上昇した後、一気に3000メートルほど急降下することで、無重力状態を約25〜30秒間体験できる。
 博士は筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症のため車いす生活で、体験飛行には専属の医療スタッフも同乗する。「全生涯をかけて重力やブラックホールを研究してきた者として、初めて無重力を体験できることに興奮している」と、博士はAP通信にコメントした。


住宅公庫金利、3.61%に引き下げ

2007年03月02日 朝日新聞
 住宅金融公庫は2日、個人向け住宅融資の基準金利を3.61%(現行3.64%)に引き下げると発表した。引き下げは2カ月ぶり。6日の申し込み分から受け付ける。
 同公庫は、政府の特殊法人などの整理合理化の一環として3月末で廃止され、4月から独立行政法人住宅金融支援機構に業務を承継する。
 個人向け直接融資の基準金利発表は今回限りで終了。4月以降は、民間金融機関と提携して貸し出す長期固定金利型ローン(フラット35)で対応する。

06年の医療事故報告16%増 大学病院や旧国立病院
2007/02/28 北海道新聞
 大学病院や旧国立病院から2006年に報告があった医療事故は約1300件で、前年比16%増だったことが28日、日本医療機能評価機構のまとめで分かった。国は04年から医療安全に役立てるため、これらの病院に報告を義務付けており、同機構は「事故が起きたら報告するという意識が浸透してきた結果で、医療事故そのものが増えているとまでは言えない」と分析している。
 報告が義務付けられているのは大学病院(分院を除く)、国立病院機構の病院、国立がんセンターなど計273病院。このうち06年1−12月に報告があったのは約7割の計195病院で、件数は前年より182件多い1296件だった。
 事故の程度は死亡152件、障害が残る可能性が高いが201件、可能性が低いが731件など。診療科別では整形外科(130件)が最多で、外科(115件)、消化器科(100件)が続いた。

派遣医2年で107人減 札医大発表
2007/02/28  北海道新聞
 札幌医大は二十七日、道内の病院に派遣している医師の状況を発表した。今月八日現在の常勤医の派遣数は三百三十六人で、昨年度末に比べ二十二人、○四年度末に比べ百七人減少した。研修医ら医師の医局離れを裏付けた格好で、地域医療の医師不足が深刻化している現状が浮き彫りとなっている。
 本年度の常勤医の新規派遣要請は、百四十三人に対し、応じることができたのは、わずか九人にとどまっており、医師派遣が限界に近づいている実態がうかがえる。
 札医大付属病院の島本和明院長は「医局の医師不足が、地域医療にも厳しい影響を与えている」と危機感を示し、「医師集約化など、最低限の地域医療の維持を考える必要がある」と述べた。
 一方、医師派遣要請のうち、昨年度からの継続派遣が実現しなかったのはわずか四人で、99%は要請に対応できたとしている。
 ただ、この数字には、医局が病院と直接行う派遣交渉の中で、病院側が派遣打ち切りを了承したようなケースは含まれていない。これは、大学の講座と付属病院の診療科を束ねる医局が、医師派遣先の病院と直接交渉を行い、大学側がそうした実態を把握していないためだ。
 札医大付属病院は「医師派遣は、専門的見地から、だれが適切かを判断する必要もあり、医局に委ねるしかない」と説明するが、「長年お世話になった医局に『医師不足だから』と泣きつかれると、了承するしかない」(道内公立病院関係者)という声もある。

観光HP 障害者が字幕 札幌のNPO法人がネット公開
2007/02/26  北海道新聞
 障害者の支援をしているNPO法人「札幌チャレンジド」(札幌)は、旭川市の旭山動物園などの観光PRの映像に障害者が字幕を付けた「北海道ビデオライブラリー」をインターネットのホームページ(HP)で公開している。障害者の技術をアピールし、就労につなげたい考えだ。
 道との連携事業で、映像は旭川市と日高管内浦河町が提供した「旭山動物園」と浦河町の騎馬参拝などを紹介する「浦河イベントカレンダー」の2本。いずれも5分程度のナレーション付きPR映像だが、聴覚障害者のため、ナレーションに合わせ、足の不自由な障害者2人が自宅のパソコンで字幕を入力した。チャレンジドは道の広報番組の字幕も担当しており、「足の不自由な障害者にとって、自宅での仕事は取り組みやすい。幅広く発注を受けたい」という。

医療版の「事故調」 厚労省が検討
2007年02月26日 朝日新聞
 医療行為中の死亡事故について、厚生労働省は今春、警察以外の専門機関が原因を究明する制度の創設に向けて本格的に検討を始める。航空機と鉄道の事故を専門に調べる「事故調査委員会」の医療版を想定、制度のあり方を論議する検討会を立ち上げる。医師らが刑事責任を問われる事例が相次ぎ、動揺する現場の要望などを受けたもので、再発防止を重視する仕組みだ。厚労省は医師法改正も視野に入れ、すべての医療関連死を専門機関が調査する仕組みも検討、法務省や警察庁とも協議を始めた。
 警察庁によると医療事故の届け出は近年急増。遺族ら被害者側からも含めて03年以降、全国で200件を超え、05年の立件数は91件にのぼる。
 医師法21条は、死体に「異状」があると認めた場合、24時間以内に警察に届け出ることを医師に義務づけている。事件としての捜査が優先されるため、再発防止などにつながらないとして、医療界などから専門機関による原因究明を求める声が高まっていた。
 厚労省はまず専門機関のあり方や運営主体などについて論点を整理、3月中に素案を作る。専門機関による調査の公正性確保には公的機関の関与が不可欠として、運営主体には自治体や公益法人を想定。メンバー構成や調査権限を詰めている。
 そのうえで新年度早々には、制度のあり方を論議する検討会を発足。検討会は医療関係者や患者団体代表、法律家、法務省、警察庁関係者らで構成する方針だ。医療紛争を裁判以外で解決する制度導入の是非も併せて検討してもらうという。 また医師法21条には異状死の詳細な定義は示されておらず、各医療機関が独自に判断しているのが実情だ。このため厚労省は、異状死の定義など医師法21条のあり方や解釈についても法務省や警察庁と協議。異状死の届け先を警察以外にするなどの医師法改正も検討しているが、法務省などは、どんな専門機関ができるかわからない段階での論議には慎重な姿勢とみられる。
 調査対象となる死亡事故は「全国各地で相当多数に上る」と厚労省はみており、予算確保に加えて、調査する専門家らを恒常的にどう確保するかなども課題だ。
 厚労省は新制度について、「患者や遺族にとっても、事実を検証し、公正な情報を得ることができるため、医療の透明性が高まる」としている。

万能細胞の論文に「重大不備」 02年ネイチャー誌掲載

2007年02月25日 朝日新聞
 ネズミの骨髄の幹細胞から、多くの臓器になりえる「万能細胞」を作り出した、とする02年6月の米ミネソタ大の研究者の論文について、「重大な不備」があるとの結論を同大がまとめた。AP通信が23日、報じた。
 論文は、キャサリン・バーファイリー博士らが執筆し、英科学誌ネイチャーに掲載された。ネズミから取り出した幹細胞が、脳、心臓、肺、肝臓などの細胞に育つ能力があることが確認できたとしていた。
 しかし、同大の専門家委員会は、育った細胞を確認する過程に問題があり、そのデータに基づく論文の解釈は正しくない可能性があるとした。ただし、捏造(ねつぞう)ではなくミスだとしている。
 骨髄の幹細胞は、一部の細胞に変化し育つ能力が知られていたものの、万能細胞のように働くとはわかっておらず、同博士らの論文は、再生医療につながる成果として、当時注目されていた。
 しかし「同じ結果が再現されない」などの疑問が他の研究者から出ていた。英科学誌ニューサイエンティストが、同博士が別の論文に使った別の細胞の研究データと同じものが論文中にあると指摘。今回の問題が発覚した。

TBS小林麻耶アナが交通事故全治3週間
2007年02月25日 朝日新聞
 TBS小林麻耶アナウンサー(27)が21日に東京都内で交通事故に遭い、頸椎(けいつい)ねんざなどで入院していたことが24日、分かった。数日間で退院できる見通し。TBSによると、小林アナは「チューボーですよ!」の収録のため21日午前10時半ごろ、タクシーでスタジオに移動中、乗用車に追突された。むち打ち損傷で、全治3週間との診断を受けた。24日に出演予定だった「王様のブランチ」など2つの番組を休むことになった。小林アナは「ご心配、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。1日も早く仕事に復帰できるように努めます」とコメント。

出産時の医療事故の救済 来年度中の制度導入めざす
2007年02月23日 朝日新聞
 出産に伴う医療事故の被害者を救済する「無過失補償制度」の創設をめざす準備委員会(委員長・近藤純五郎弁護士)の初会合が23日、東京都内で開かれた。医療関係者や法律家ら約20人が参加。今後、補償対象の範囲や再発防止につなげる仕組みづくりなどについて議論を進め、07年度中の制度創設をめざすことを確認した。
 同制度は、出産時の医療事故で産科医の過失が認められなくても、脳性まひの障害を負った被害者に補償金が支払われる「保険」。制度化をめざす自民党の検討会が昨年11月、医療機関が負担する保険料を財源とするなどの制度の枠組み案を提示。これに基づき、日本医療機能評価機構(東京)に設置された準備委員会で、制度を運営する組織の体制などを決めることになった。
 初会合では、今後、補償対象となる脳性まひ児の発生率調査を実施するほか、運営組織に再発防止策を検討する「事故分析委員会(仮称)」を設置することなどが提案された。4月以降、委員会の下にワーキングチームを設け、患者や産科医にも意見を聞きながら、制度の詳細を議論していくという。

道内唯一の介助犬「マーク」 主人に看取られ天国へ 北見
2007/02/23  北海道新聞
 【北見】足が不自由な北見市の公務員藤田扇(おうぎ)さんの生活を補助してきた、道内唯一の介助犬「マーク」(ラブラドルレトリバー、雄、十二歳)が十七日、息を引き取った。全国的にも介助犬のさきがけとなったマークだが、道内で新たな仲間を見ることはないまま、天寿をまっとうした。藤田さんは「後に続く介助犬が早く誕生してほしい」と話している。
 マークは、藤田さんが京都で仕事をしていた一九九四年夏から約十カ月間、元警察犬訓練士に訓練を受け、国内二匹目の介助犬としてデビューした。九五年には、それまで飛行機を利用する際に、ペット扱いで貨物室に乗っていたのを、藤田さんが航空会社と交渉し、国内で初めて客室への同乗を実現するなど、先駆的役割を果たした。
 九七年四月に藤田さんが北見へ転居してからは、職場で入り口のスロープを上る際に車いすを引っ張ったり、買い物や旅行にも同行、献身的に飼い主を支えた。最近は老犬となり藤田さんと外出する回数は減っていたが、今月四日には網走管内佐呂間町のホテルに家族らと宿泊するなど、ずっと藤田さんと一心同体の生活を続けてきた。
 死は突然だった。普段と変わらぬ朝を迎えた十七日、舌を出し暑そうなしぐさを見せた。受診した動物病院で、急にぜんそくの発作が出て入院。意識がもうろうとなった。夜、藤田さんが再び病院に行き、耳や鼻の先をなでながら声をかけた。すると、それまで家族が声をかけても反応しなかったのに、突然目を開けて起き上がり、ポロポロと涙をこぼした。「私の来るのを待っていたんだ」。その直後、藤田さんに体をさすられながら、息を引き取った。
 全国介助犬協会によると、介助犬は全国で三十六匹、道内ではマークだけだった。育成団体も道内にはない。藤田さんは「介助犬を応援して育成してくれる人や団体が少しでも増えてくれたらうれしい。マークに続く介助犬がどんどん出てほしい」と願っている。

釧路市、夜間救急で新体制 医師会病院分を分担 新年度
2007/02/22  北海道新聞
 【釧路】釧路市の四月以降の夜間救急医療体制を協議していた釧路市医師会の救急医療体制検討会(斉藤孝次委員長)は二十一日、旭川医大の派遣医引き揚げで夜間救急当番を三分の一に減らさざるを得ない釧路市医師会病院の分について、他の総合病院などが肩代わりすることを決めた。
 新たな体制は一カ月のうち、市医師会、市立釧路総合、釧路労災の三病院が各一週間、釧路赤十字が四日、釧路脳神経外科が三日、釧路協立病院が二日を受け持つ。市医師会、協立の二病院以外はいずれも一−四日増となった。北大の派遣医引き揚げで四月以降、小児科と産婦人科が赤十字病院に集約される労災病院も当番日数が二倍になる。
 斉藤委員長は「多くの病院の協力のおかげで、どうにか体制を維持することができた」と話している。
 検討会は釧路市内の五つの総合病院と二つの開業医団体、釧路市などで構成。昨年九月から協議を進めてきた。

40−64歳は月額2061円 介護保険料、4%引き上げ
2007/02/21 北海道新聞
 2007年度の40−64歳の介護保険料が平均で年4万9476円(自己負担は半額)となり、06年度と比べ4・0%(1898円)引き上げられるとの厚生労働省の見通しが20日、明らかになった。
 これにより、新たな保険料の1人当たり自己負担額は1カ月平均で2061円となり、初めて2000円台に乗る。介護保険制度が導入された2000年度は1037円だったため、7年間でほぼ2倍となった。給付や保険料の急激な増加をどのようにして抑制するかが、あらためて大きな課題となるのは必至だ。
 ただ引き上げ幅は、前年度に比べて鈍化。厚労省は「介護保険制度の普及によりサービス受給者数の伸びなどが一時期より落ち着いてきたため」(担当者)と分析。06年度から給付費抑制を目的として導入された介護予防事業の効果については、まだ分析していないため分からないとしている。

羅臼町国保が救急外来停止 看護師不足で
2007/02/21  北海道新聞
 【羅臼】根室管内羅臼町は二十日、看護師不足から町国保病院(高橋稔院長、四十八床)の夜間と休日の救急外来を三月から停止すると決めた。
 町によると、看護師十九人のうち四人が三月中に退職、勤務ダイヤが組めなくなる。「後任が一人も集まらない。夜間、休日対応するには、看護師一人が月十回夜勤しなければならなくなる」(病院事務局)という。
 同町内には他に医療機関はなく三月以降は、四十キロ離れた町立標津病院か六十キロの町立中標津病院まで患者を救急車で運ぶ。羅臼町消防署の救急車はわずか二台で、救急隊の増員の方針もまだない。外科の常勤医も三月に退職予定で、その後は北大から出張医を一週間交代で派遣してもらう。
 脇紀美夫羅臼町長は「羅臼は漁業のまちで、事故も多い。命にかかわる問題なので、看護師を探し、救急外来を再開したい」としている。

延命治療中止の学会指針案、呼吸器の取り外しなど明記

2007年2月20日 読売新聞
 日本救急医学会(代表理事=山本保博・日本医科大教授)は19日、救急医療の現場で、終末期の延命治療を中止する際の手順に関する学会指針案をまとめた。
 指針案は、延命治療中止の判断が迫られる終末期を明確に定義した上で、人工呼吸器の取り外しなど治療を中止する具体的な方法を初めて示した。
 手続き論に終始する厚生労働省の指針案(昨年9月公表)に比べて、踏み込んだ内容となっている。
 学会は月内にもホームページ上に掲載し、国民から意見を募る。救急の現場を担当する他学会と調整した上で、半年後をめどに成案をまとめる方針だ。
 指針案では、まず治療中止の判断が必要となる「終末期」を「妥当な医療の継続にもかかわらず死が間近に迫っている状況」と定義。その対象として、「妥当な基準で脳死と判断される場合」「生命の維持が新たに装着された人工呼吸器などに依存する場合」など四つのケースをあげた。患者がこうした終末期にあることを、主治医を含む複数の医師が客観的に判断した上で、家族に救命の見込みがないことを説明する。
 治療中止の判断については、リビングウイル(書面による生前の意思表示)などで患者本人による意思が確認できる場合や、家族が本人の意思を代理できる場合は、その意向に従う。
 家族が判断できない場合などは、医療チームが判断し、チームが判断できない場合は、院内倫理委員会などで検討する。手続き上、診療録に説明内容や同意の過程を正確に記録し、保管することも求めている。
 延命治療中止の方法は、人工呼吸器、ペースメーカーなどの装置の中止、取り外しのほか、昇圧剤など薬剤投与の減量・中止などを含めた。
 同学会には、全国の救命救急センターや集中治療室で働く救急医ら約1万人が加入している。指針の作成は、2004年2月、北海道立羽幌病院で起きた人工呼吸器の取り外し問題を受け、特別委員会を設置し、検討してきた。
 指針案をまとめた同委員会委員長の有賀徹・昭和大教授は「学会として延命治療を中止するために医学的にも倫理的にも問題のない手続きを示した。医師が(この手続きを)踏んでいれば刑事訴追されることはないのではないか」と話している。

賃貸住宅:障害者の入居を促進 自公が議員立法、今国会に法案
毎日新聞 2007年2月20日
 自民、公明両党は19日、賃貸住宅を借りるのに不自由している障害者や子育て世帯などの入居を促進する「住宅セーフティーネット法案」(仮称)を、今国会に議員立法で提出する方針を固めた。法案は、国に障害者らの入居促進に関する基本方針の策定を義務付け、地方公共団体にはNPOなどと連携して支援策を講じる努力規定を盛り込んでいる。国土交通省住宅局によると、障害者や子育て世帯の賃貸住宅入居支援に関する国の責任を法律で明記するのは初めて。
 法案は、(1)障害者(2)子育て世帯(3)高齢者――らの賃貸住宅への入居促進のため、国交相に対し、障害者ら向け賃貸住宅を建設する事業主への補助計画など、各種支援策を盛り込んだ基本方針を策定する義務を負わせる。この基本方針に基づき、国と地方自治体は、賃貸希望者への情報提供や公的賃貸住宅の供給促進などの努力義務を負うと規定。さらに地方自治体にはNPOなどを交えた「居住支援協議会」を設け、入居促進策を協議するよう求める。
 障害者は「経済的基盤が弱く、家賃を払えなくなる恐れがある」、子育て世帯は「部屋が傷みやすく、騒々しい」などの理由から、住宅を借りるのに苦労している現状がある。
 住宅管理業者団体の日本賃貸住宅管理協会が昨年4月、全国の大家約5万人を対象に行った調査によると、3.1%の大家が障害者のいる世帯の入居を「拒否する」と回答。乳幼児を抱える世帯の入居についても1.9%が「断る」と答えた。
 同省住宅局は「多くの大家が本音を隠し、数字が実態を反映していない可能性が残る」と指摘、実際の入居拒否はさらに多いと分析している。

電動ベッドの制限緩和 4月から医師の判断で

2007/02/19  北海道新聞
 介護保険法の改正に伴い、介護必要度の低い人について2006年度から原則として保険給付の対象外とされた電動ベッドなどの福祉用具の貸与をめぐり、厚生労働省は19日までに、医師の判断などがあれば、今年4月から利用を認める方針を決めた。
 起きあがりを補助するための電動ベッドなど福祉用具は、2000年の介護保険導入時はケアマネジャーが必要と判断すれば借りられた。しかし、介護給付費の抑制などを目的に、昨年4月から要介護度の軽い要介護度1と要支援者は、原則として介護保険を利用して借りることができなくなった。
 昨年11月に厚労省が実施した調査では、全国で電動ベッドが必要とされる軽度者が、少なくとも1000人以上確認された。

私たちの視線で考えて 統一選候補に介護体験要請 障害者団体

2007/02/16  北海道新聞
 障害者団体「障害者自立支援法に地域の声を届けよう北海道実行委員会」(札幌)は、二十四日から二十八日までの五日間、道内の統一地方選の立候補予定者に介護を経験してもらう「介護体験セミナー」を行う。障害者への理解を深めてもらい、政策に反映してもらうのが狙い。
 対象は、道や市町村の首長、議員への立候補予定者。札幌市や石狩市内などの障害者の自宅で、食事や着替えの介護、買い物などの同行、施設見学などを行う。参加は五日間のうち、三時間以上が基本。
 主催する実行委介護体験セミナー部会代表の佐藤正尋さんは「議員が私たちの実情を知っていれば、障害者自立支援法のような問題の法はできなかった。なるべく多くの人に参加してほしい」としている。
 参加費五百円。申し込みは二十一日までに電話かファクスで佐藤さん(電)011・813・2677へ。

最低賃金1000円以上に 民主、格差是正法案を来月提出
2007/02/17  北海道新聞
 民主党が今国会に提出する格差是正緊急措置法案の骨子が十六日、明らかになった。雇用や福祉面での格差是正策が柱で、パート労働者と正社員の差別的待遇の禁止など六項目の緊急措置を実施するための関係法令の改正を明記した。三月初めに法案として提出する。
 差別的待遇の禁止は、すべてのパート労働者を対象に同一労働同一賃金を導入し、パート労働者の一部しか対象としない政府案との差別化を図る。
 最低賃金は、現行の全国平均六百七十三円では生活保護水準以下の暮らししかできない「ワーキングプア」の問題も指摘されているため、千円以上への引き上げを図る。
 さらに《1》非正規社員の優先採用の努力義務化により正規雇用化を促進《2》募集・採用時の年齢差別禁止《3》サービス利用の原則一割負担を定めた障害者自立支援法の一部凍結《4》二○○四年度税制改正で実施された公的年金控除縮小と高齢者控除廃止の撤回−を盛り込んだ。
 地方の産科、小児科医不足の解消などを目的とした五項目の早期検討事項も明記する。

延命治療、意思不明なら医師が判断 救急医学会が指針案

2007年02月16日 朝日新聞
 救急医療の現場で延命治療を中止する手順についてのガイドライン案を、日本救急医学会の「救急医療における終末期医療のあり方に関する特別委員会」(委員長・有賀徹昭和大教授)がまとめた。患者の人工呼吸器を取り外す手続きなどを示すもので、これまで個別の病院や医師の判断で治療を中止し、刑事責任を問われることもあった医療現場にとって、初の指針となる。「家族が治療中止を判断できない場合は医療チームが判断できる」とするなど踏み込んだ内容なだけに、論議も呼びそうだ。
 同学会には、全国の救命救急センターや集中治療室などで働く救急医ら約1万人が加入。ガイドライン案は、19日に東京都内で開かれる学会社員総会にかけ、ほぼ提案通り可決される見通しだ。
 終末期医療をめぐっては、日本医師会が昨年2月にまとめた報告書で、積極的な延命治療を中止する「尊厳死」を容認。しかし判断基準などは示されず、秋田赤十字病院(秋田市)など個々の病院の独自の指針があるだけだった。救急医学会は、不意の事故や急病の場合は患者・家族の意思が確認できないケースが多いことから、救急現場で使える全国的な指針が必要だと判断した。
 ガイドライン案は、終末期を「妥当な医療の継続にもかかわらず、死が間近に迫っている状態」と定義。妥当な基準で脳死と診断された場合や、積極的に救命をしても数日以内での死亡が予測される場合、などをあげた。主治医を含む複数の医師、看護師らによるチームで判断する。
 そのうえで、家族に救命の見込みがないことを説明。リビングウイル(生前に意思表示した書面)などで患者本人の意思を確認できるか、家族が本人の意思を代弁できる場合は、その意向に従う。引き続き積極的な対応を希望していれば治療を維持するが、それ以外なら治療中止を認める。
 また、「家族の意思が明らかでない場合や家族が判断できない場合」として、家族の納得を前提に、医療チームが治療中止を決めることができるとした。チームで判断できない場合は、医療機関の倫理委員会で検討することを求めている。
 治療中止の方法は、人工呼吸器など生命維持装置の取り外し、薬剤投与の中止など。「積極的安楽死」とみられる薬物の過量投与や筋弛緩(しかん)剤の投与の行為はしない。また、チームの方針決定や治療過程などの経緯を可能な限り詳細に記録に残すことを求めている。
 ガイドラインには、治療を中止した医師が患者を死亡させたとして刑事責任を問われることを防ぐ狙いもある。有賀委員長は「ガイドラインに沿った行為なら、仮に医師が刑事訴追を受けたとしても、学会として間違った行為ではないと主張していく」としている。

道への交付金、66億3000万円に 障害者自立支援
2007/02/15  北海道新聞
 昨年四月の障害者自立支援法の施行に伴う収入減で、厳しい運営を強いられている障害者施設の事業者などを支援するため、国が都道府県に交付する「障害者自立支援対策臨時特例交付金」の道への配分が六十六億三千万円に十四日、決まった。
 この交付金で道は本年度補正予算で基金を創設し、年度内に基金のうち三億三千万円を使い収入が落ち込んだ小規模作業所などへの助成に着手する。二○○七、○八年度には、灯油代の補助やグループホームの整備支援にも取り組む見通し。
 道には三十四億七千万円の配分が決まっていたが、国に約三十億円の増額を要望していた。
 国は昨年十二月、交付金九百六十億円を本年度補正予算案に計上。各都道府県の要望や施設数により配分を決めた。

窮地、釧路の夜間救急 相次ぐ医師引き揚げ、中核病院が当番削減
2007/02/15  北海道新聞
 【釧路】釧路市内の夜間救急医療体制が窮地に追い込まれている。中核を担ってきた釧路市医師会病院(浅川全一院長、百二十六床)が旭川医大の派遣医師の相次ぐ引き揚げで、四月以降の夜間救急当番を三分の一に減らすためだ。他の病院も医師不足が深刻なため、肩代わりは厳しい状況で、救急体制維持のめどは立っていない。
 医師会病院は一次救急医療の業務協定を釧路市と交わしており、夜間救急医療(午後五時から翌朝九時まで)の当番を一カ月のうち三分の二まで担当。残りは釧路労災病院や釧路赤十字病院、市立釧路総合病院などが交代で行っている。
 ところが、医師会病院の消化器内科に五人の医師を派遣していた旭川医大が二○○四年三月に一人、昨年十月にはさらに一人削減した。日中の通常勤務に加え、夜間救急までこなす医師の負担が極限状態となったため、旭医大側によるもう一段の削減が予想される事態となった。
 さらなる医師引き揚げは、病院自体の存続問題に直結しかねない。こうした状況を受け、釧路市医師会が設けている救急医療体制検討会(斉藤孝次委員長)は昨年十二月、医師会病院の夜間救急当番を四月から月七日に減らすことを決めた。
 ある医療関係者は「各病院の医師の勤務がきつい現状は分かっていたが、当番日数を減らすことで医師会病院の存続を優先せざるを得なかった」と説明する。
 医師会病院は一月から段階的に当番を月十五日前後に減らしており、医師会病院に代わって市立病院と赤十字病院の担当日が増えた。市内の開業医も月数回、準夜間帯(午後五時−午前零時)の当番に入っている。市立病院や赤十字病院も医師不足で、負担はぎりぎりの状態に来ている。
 さらに、月数回、夜間救急の当番を行っている釧路労災病院の小児科と産婦人科が北大の派遣医師引き揚げなどで四月以降、赤十字病院に集約されることになり、救急体制づくりは一層難しくなった。しかし、体制維持のため「労災病院にも一層の負担を求めざるを得ないのが実情だ」とある病院関係者は語る。
 救急医療体制検討会は一月に、四月以降の体制について協議したが、意見がまとまらなかった。今月下旬に再び協議する予定だ。斉藤委員長は「医師の負担増は避けられない状況だが、どうにかして体制をまとめていかなければ」と厳しい口調で話している。

介護保険で「個別・短時間型」リハビリ 厚労省導入へ
2007年02月14日 朝日新聞
 昨年の診療報酬改定で医療機関でのリハビリテーションが原則として最長180日に制限され、リハビリを受けられない人が出ている問題で、厚生労働省はその受け皿として、介護保険を使ってリハビリだけを集中して行う新たな「個別・短時間型」サービスを始める方針を固めた。制限後、厚労省は受け皿に想定していた介護保険との連携がうまくいっていないと認めていたが、実際に介護保険制度を見直すのは初めて。3月中にモデル事業をつくり、09年度の介護報酬改定で導入を目指す。
 脳卒中などの病気や事故からの回復には、医療保険と介護保険のリハビリがある。同省は医療費抑制のため昨年、医療保険のリハビリを、発病直後は手厚くする一方で、期間を原則最長180日に制限。それ以降は介護保険による「通所リハビリ」の利用を求めていた。
 しかし、医療のリハビリが専門家によって個々人の体調にあわせて実施されるのに対して、現行の通所リハビリは、一時預かりの役割が大きい。ほとんどが半日コース。集団体操やレクリエーションをリハビリの代わりにする施設も少なくない。そのため、医療保険の上限後もリハビリを必要とする人の受け皿にならない問題点が指摘されていた。
 厚労省が新たなモデルとして想定しているのは、この通所リハビリの個別・短時間型。
 現在の通所リハビリの設置基準が、「利用者20人に対し専従2人」「サービス時間のうち理学療法士や作業療法士など専門職がつく必要があるのは5分の1以上」と緩いのを、個別対応のリハビリもできるように、全サービス時間を通して専門職をつける。
 また、仕事をしながらリハビリに通えるように、利用時間は2時間程度、自力で通える人には送迎義務を外す――などを検討している。
 同省は、通所リハビリの個別・短時間型の研究費として約1000万円(今年度分)の予算をつけた。委託先の日本リハビリテーション病院・施設協会は、3月末までにモデル事業の内容を策定。新年度から利用者1000人規模で効果や問題点を調査する。効果が確認されれば、09年度の次期介護報酬改定に盛り込み、個別・短時間型を通所リハビリの新たな核として位置づける方針だ。
 課題も残る。理学療法士らリハビリ専門家は大半が病院勤務。新サービスを受け皿として整備するためには、現在の理学療法士数の4倍以上必要という試算もある。新サービス開始までの2年間をどうするかも問題だ。
 同協会常務理事の斉藤正身医師は「医療でのリハビリ制限を受け、もっと個別性の高いリハビリができるようにするためには何が必要なのかをまず探りたい」としている。

要介護認定を全面見直しへ 日常活動、認識力など調査

2007/02/10  北海道新聞
 厚生労働省は9日までに、介護保険で介護の必要度を判定する要介護認定を全面的に見直す方針を固めた。心身の状態をきめ細かく把握するため、判定に必要な認定調査票に洗濯を1人でできるかといった日常活動や損得の判断力といった認識機能などを問う項目を追加。そのための調査票を試作した。手続きも簡素化する方針だ。
 現在の判定では基礎データが古く、市町村間のばらつきも指摘されており、抜本的な見直しが必要と判断。現在40歳以上が支払っている保険料負担年齢を引き下げ、原則65歳以上となっている介護保険のサービスを65歳未満の障害者へ拡大することも視野に、早ければ新認定制度を2009年度から導入したい考えだ。ただ、障害者への介護保険サービス拡大には反対する意見もあり、結論が出るまでには曲折がありそうだ。
 現在の要介護認定は、市町村の認定調査員による調査結果をコンピューター処理する1次判定と、それを原案として複数の専門家による市町村の介護認定審査会が行う2次判定の2段階。
 調査員は、介護が必要な高齢者宅を訪問して、視力や聴力、手足の運動能力、身体のまひといった82項目からなる調査票を基に、聞き取りを実施している。

段差解消工事が完了 車いすの転倒事故現場 地下鉄琴似駅
2007/02/10 北海道新聞
 札幌市営地下鉄東西線琴似駅で昨年十二月、車いすの男性がエレベーター付近の階段で転倒し、死亡した事故を受け、札幌市交通局が事故現場で行っていた段差解消工事が九日、完了した。
 現場は、地下一階のエレベーター乗降口わきにある階段部分で、エレベーター前からホールへ向かう踊り場との間に二段下りる段差があった。市交通局は、踊り場だった場所を高くし、エレベーター前と同じ高さにする工事を進めていた。
 また、フロアには注意喚起と滑り止めのためのゴムマットを敷き、階段部分に鉄柵を設けるなどの措置を取った。

障害年金1900万円未払い 社保庁、道内女性ら2人に
2007/02/10  北海道新聞
 社会保険庁は九日、障害年金の事務処理ミスで、十勝管内の六十代女性に対し約十八年間で約千四百万円の未払いがあった、と発表した。また、岩手県の六十代男性に約六年間で約五百万円の未払いも判明。社保庁は既に二人に謝罪し、近く、未払い分全額を支給する。
 一人当たり千四百万円の年金未払いは過去最高水準。社保庁によると、今回のミスは、一九八六年に現行制度が導入される前の旧制度の対象となっている二人に対し、誤って現行制度を適用したために起きた。
 旧制度は障害年金と遺族共済年金の同時受給が成人後も可能だが、現行制度はどちらか一つしか受給できなくなる。二人についてはいずれも、それぞれの母親が死亡した時点で遺族年金の受給権が生じたのに、社会保険業務センター(東京)が現行制度の対象者と誤って支給手続きをせず、未払いとなった。
 本人から新たに老齢年金の受給申請があった際、地元の社会保険事務所が給付記録を調べ、ミスに気付いたという。

脳機能障害の認定拡大へ 自賠責保険で国交省
2007/02/08  北海道新聞
 国土交通省は8日、自動車損害賠償責任(自賠責)保険の補償対象で、交通事故による高次脳機能障害を認定する際の調査項目を4月から増やし、症状を詳細に調べることを決めた。同障害は外見からは分かりにくく、「見過ごされやすい障害」とされ、調査を充実させることで認定の拡大につながることが期待される。
 高次脳機能障害は、脳に損傷を受けたことが原因で記憶や行動に障害が出る。性格が変化することもあり、日常生活や仕事に支障をきたす。
 保険金の請求を受けて、金融庁の外郭団体である損害保険料率算出機構が、医師や家族が提出する調査票を基に認定する。現行では、家族用の調査票の場合「家族の顔と名前が分かりますか」など日常生活に関連した53の質問項目に「分かる」「分かるときがある」など3段階で答える。
 今回、質問項目や選択肢を増やす予定で、詳細は今後詰める。成長過程にある子どもの場合、障害の影響を見極めるのがより難しいため、専用の調査票を作成、通学する学校にも記入を求める。

「労災隠し」5倍、10件 昨年の道内 違反は60件
2007/02/09  北海道新聞
 北海道労働局は八日、道内の昨年一年間の労働安全衛生法と労働基準法違反の送検件数をまとめた。全体では前年より三件多い六十件。このうち労災の発生を報告しなかったり、内容を偽ったりする「労災隠し」が前年比五倍増の十件と急増した。労働局は「工事自体のパイが減る中、事業主が信頼度の低下を恐れた可能性もある」と指摘している。
 送検の内訳は、労働安全衛生法違反が前年比一件増の三十三件。労災隠しのほか、高所作業の際に墜落防止措置を怠るなど作業方法に関する違反(九件)、重機を使用する際の安全確保が不十分(八件)などが目立った。また、労働基準法違反は前年比三件増の二十七件で、このうち二十三件は賃金不払いだった。
 業種別では、建設業が前年比六件増の二十八件と全体の四割強を占め、次いで製造業、交通・運輸業、商業がいずれも六件だった。

障害者1600人が福祉サービス利用中止 負担増響く

2007年02月06日 朝日新聞
 福祉サービスに自己負担を求める障害者自立支援法による影響で、全国で約1600人が施設サービスの利用を中止し、4000人余りが利用回数を減らしたことが、厚生労働省の調査で分かった。昨年4月から10月までについて負担増を理由に利用を減らしたケースを同省が初めて全国調査した。政府は利用抑制が障害者の生活に与える影響を分析したうえで、負担軽減策を進める方針だ。
 昨年4月に施行された障害者自立支援法は、福祉サービスを原則として「1割負担」にした。
 厚労省によると、入所サービスと通所サービスについては都道府県を通じて施設に照会し、全都道府県の約22万人の利用者の状況について回答を得た。
 それによると、約13万5000人の入所サービス利用者のうち598人(利用者の0.44%)が、約8万6000人の通所サービス利用者では1027人(同1.19%)が、負担増を理由に利用をやめていた。通所サービスの利用回数を減らしたのは、4114人(同4.75%)に上った。
 また、ホームヘルプなどの在宅サービスについては、30府県から約22万5000人の利用者の状況について回答を得た。このうち849人(利用者の0.38%)がサービス利用を中止し、2099人(同0.93%)が利用回数を抑制していた。
 調査結果について、厚労省は「『利用抑制』は、利用者負担の影響が出ていることが数値として示されたのではないか。サービスの必要な人が受けられないことがないように、フォローするよう指導している」としている。
 政府は07年度から2年間で240億円の自己負担軽減策を計上する方針で、自己負担の上限額引き下げなどを盛り込んでいる。

障害者自立支援の交付金配分 道には34億円超

2007/02/06  北海道新聞
 昨年四月の障害者自立支援法の施行に伴い、算定基準の変更などによる報酬減で厳しい運営を強いられている障害者施設の事業者などを支援するため、国が都道府県に交付する「障害者自立支援対策臨時特例交付金」の道への配分が少なくとも三十四億円を超えることが分かった。道は「道内には施設事業者が多く、厳冬期の灯油代も必要」として、国にさらに増額を求めている。
 国は昨年十二月、障害者団体らの要望を受けて本年度から二○○八年度までの三年分の同交付金九百六十億円を本年度補正予算案に計上。このうち七百七十億円は施設の利用実績や施設数、人口などから各都道府県への配分額を算出し、道には三十四億七千万円が配分される見通し。
 残り百九十億円の配分は各都道府県の申請を基に今月中旬に決定する。道は灯油代の補助や、グループホームの整備支援などにも取り組みたいことから、国にさらに三十億円以上の配分を申請している。
 この交付金で道は本年度補正予算で基金を創設し、年度内に施設などへの助成に着手する。
 日本知的障害者福祉協会政策委員の光増昌久氏(小樽市)は「期間限定の対策ではなく、自立支援法の抜本的な見直しが急務になっている」と指摘している。

衝撃による脳脊髄液減少症 道内初「患者の会」 国に保険適用を要求へ

2007/02/03  北海道新聞
 スポーツや交通事故、転倒などの衝撃が原因で、脳と脊髄(せきずい)の周囲を流れる脊髄液が漏れ、頭痛やめまいなどを引き起こすとされる「脳脊髄液減少症」の患者の会が道内で初めて結成され、患者同士の情報交換を呼びかけ始めた。脳脊髄液減少症は、病気かどうかの論争が医学界で続き、患者は高額な治療費を自己負担しているのが現状で、同会は治療費への保険適用も国に求めていく。
 「脳脊髄液減少症患者支援の会北海道」で、石郷岡縁(いしごうおかゆかり)代表(41)=宗谷管内豊富町=ら六人が結成した。石郷岡さんは二○○四年九月、車で信号待ち中に追突され、頭痛や顔のしびれなどの症状が表れた。むち打ち損傷患者を支援するNPO法人「鞭(むち)打ち症患者支援協会」(和歌山)に紹介された東京の大学病院で、脳脊髄液減少症と診断された。
 脳脊髄液減少症は頭や腰などへの強い衝撃で起きるとされ、液の減少により頭痛や記憶力の低下、目のかすみなどの症状が出る。人によって訴える症状が違うことから、脳脊髄液の減少が実際にこれらの症状に結びついているのかどうか、まだ医学的に証明されていないのが実態だ。
 国際医療福祉大学熱海病院(静岡県熱海市)の篠永正道医師は二○○○年、交通事故のむち打ちによって脳脊髄液減少症が起きると初めて提唱。日本脳神経外科学会も昨年十月、脳脊髄液減少症を病気として認めるかどうか、調査・研究に乗り出すことを決めた。
 鞭打ち症患者支援協会は「推定患者数は全国に約百万人。道内にも潜在的な患者がいる」としている。
 治療法として、脊髄液の漏出個所に患者本人の血液を注入し、血液の凝固力で穴をふさぐ「ブラッド・パッチ」が効果的とされる。この治療法への保険適用は認められていないため、患者は漏出個所を一カ所ふさぐのに三十万円ほどの治療費を自己負担している。漏出個所が複数あれば、それだけ治療費はかさむ。
 石郷岡さんらは今後、保険適用を求める署名活動を進める。鞭打ち症患者支援協会の中井宏代表理事は「脳脊髄液減少症は、寝たきりになるほどひどい状態に苦しんでも、病気を偽っていると言われ、治療費の負担に悩む人は多い」と話す。
 石郷岡さんは療養中のため、問い合わせや相談は同協会(電)073・461・0317(和歌山)か(電)03・3429・1426(東京)へ。

授産施設の製品、ポイントで交換可能に セイコーマート

2007/02/03  北海道新聞
 コンビニエンスストアのセイコーマート(札幌)は三日から、セイコーマートクラブカード会員向けのポイント交換カタログで、道内の障害者授産施設の製品取り扱いを始める。道内全域での販路拡大への協力に加え、今後の商品開発に役立ててもらうため顧客分析などの情報を施設側に提供する。
 道との連携事業として取り組むもので、手染めのストールやクマの編みぐるみなど道内十一施設の三十品目を扱う。各施設が事業資金を確保できるよう、初回分をセイコーマート側が買い取った。
 セイコーマートクラブカード会員は現在二百八十万人。百円の買い物につき一ポイントが得られ、たまったポイント数に応じてカタログに掲載された商品と交換できる。
 三日発行される新しいカタログでは、商品を従来の六割増の千七百八十品目とし、アウトドア用品や玩具を充実。気に入った商品はポイントと現金併用で買えるようにするなど「得意客向けのサービスから、店を補完する取り組みに変化させた」(広報室)。授産施設の製品も、優れた商品発掘の一環ととらえ、販売や開発に協力していくという。

「延命治療」希望を文書化 国立長寿医療センター
2007/02/03  北海道新聞
 患者本人の意思が分からないことが多い高齢者の終末期医療をめぐって、国立長寿医療センター(大島伸一総長、愛知県大府市)が、心臓マッサージや人工呼吸器装着など延命治療に対する希望の有無を、患者にあらかじめ文書化してもらう取り組みを始めることが2日、分かった。
 こうした文書は「事前指示書」と呼ばれ米国などでは一般的だが、日本の医療機関での導入は現状ではごく一部。最先端医療の拠点施設である国の高度専門医療センターとしては初の取り組みで、軌道に乗れば事前指示書の普及に弾みがつきそうだ。
 長寿医療センターによると、院内の倫理委員の承認もほぼ得ており、文書の準備が整い次第、作成を希望する通院患者に配布を始める。
 文書では、終末期を「生命維持処置を行わなければ、比較的短期間に死に至るであろう不治で回復不能の状態」と定義。

ES細胞研究で国際学会が指針 倫理問題で3分類

2007年02月02日 朝日新聞
 様々な組織や臓器になり得る万能細胞として、再生医療への期待が高い胚(はい)性幹細胞(ES細胞)について、国際幹細胞学会が研究実施上の国際指針を作った。各国での適切な規制実施や国際共同研究の円滑化につなげるのが目的で、欧米や中国、日本など14カ国の研究者や生命倫理学者らが検討に参加した。1日付の米科学誌サイエンス(電子版)に掲載される。
 指針は、生命倫理上の問題の大きさなどに応じて、対象となる研究を三つに分類した。
 問題が比較的少ないES細胞の利用研究など第1類は、医学生命科学での通常の審査監督手続きでよいとした。第2類のES細胞の新規作製計画は、受精卵などの提供や破壊を含むため、法学や生命倫理などの有識者による厳格審査を求める。第3類は人のES細胞やクローン胚を人や動物の胎内に移植することなどで、当面禁止とした。
 また、卵子提供について、提供に誘うような多額の謝礼は否定したが、実費の支払いなどは各国の判断に任せるとした。
 ES細胞は、数日培養した受精卵から細胞の塊を取り出して作る。これを基に、患者に必要な組織や細胞を作ることができれば、再生医療の切り札になる可能性がある。
 ES細胞研究の規制は国によって様々。米国は政府資金の拠出は禁じているが、統一的な制限はない。受精卵を「生命の始まり」と位置づける傾向が強いドイツやフランスはヒト胚研究を禁じ、韓国は法で認めている。日本も政府は認めている。今後規制を検討する国では、国際指針が参考にされそうだ。
 検討に参加した中辻憲夫・京都大再生医科学研究所長は「日本の指針はES細胞の利用計画にまで厳しい手続きを求めている。過剰規制であり、研究の遅れを招いている」と指摘している。

道内地域病院 医師引き揚げ拡大 新たに5カ所 診療の縮小も
2007/02/02  北海道新聞
 道内の公立病院などに医師を派遣している北大、札幌医大、旭川医大の三大学が各地の病院から続々と医師を引き揚げている。一日、新たに道内五つの病院が、医師の引き揚げや退職により、診療体制縮小を迫られていることがわかった。二○○四年四月、新人医師に臨床研修を義務付けた制度の導入により、大学内の医師数が大幅に減っているのが直接の原因で、四度目の異動期にあたる今春、医師引き揚げによる医療の空白はさらに拡大する様相を見せている。
 臨床研修制度では、新人医師が研修先の病院を自由に選択できるようになったことから、医師は首都圏などの有力大学や有力民間病院を選択する傾向が強まり、地方大学医学部からの医師流出が進んでいる。このため、春の異動期のたびに、大学が地方病院に派遣している医師を引き揚げる事態が繰り返されている。
 道内三大学などは○四年四月以降の二年間で道内百六の自治体病院の四分の一に当たる二十六病院から八十七人の医師の派遣を打ち切ったり引き揚げたりし、その後も医師の空白が続いている病院は多い。今春の医師引き揚げにより、地域医療の危機的状況に拍車がかかるのは必至だ。
 新たに医師の引き揚げなどが判明したのは、旭川赤十字病院(後藤聡院長、七百六十五床)、市立室蘭総合病院(近藤哲夫院長、六百九床)、根室管内中標津町の町立中標津病院(栗林弘院長、百九十九床)、留萌管内羽幌町の道立羽幌病院(奥雅志院長、百二十床)、根室管内羅臼町の羅臼町国保病院(高橋稔院長、四十八床)。このほか、市立根室病院(羽根田俊院長、百九十九床)では、内科の常勤医の派遣打ち切りを決めている旭川医大が新たに外科の常勤医二人も三月末で引き揚げる方針を固めた。
 札医大は旭川赤十字病院に小児科医三人を派遣しているが、今春から一人減らすため、同病院は独自に通勤医を確保、三人体制を維持する。ただ、派遣医の一人は十月以降の勤務を保留している。
 市立室蘭総合病院では、札医大が皮膚科の常勤医二人を六月末までに引き揚げ、七月以降は出張医を週一−二回の診療にあたらせる。
 町立中標津病院でも四月、内科の常勤医一人が退職する予定で、道立羽幌病院では、札医大が三月末で整形外科医一人を引き揚げ、四月以降は札医大の出張医による週二回の診療体制に変わる。
 羅臼町国保病院では、一人しかいない外科の常勤医が三月末で退職する。羅臼町は外科医の出身校である北大に後任派遣を要請する考えだ。

ATMのカード振込手数料 北門信金が無料化へ 来月から

2007/02/01  北海道新聞
 北門信用金庫(滝川)は三十一日、同信金本支店間の振り込みのうち、キャッシュカードによる現金自動預払機(ATM)を通した手数料を、三月一日から無料にすると発表した。顧客サービス向上と窓口での混雑解消が狙いで、道内に本店のある金融機関では初の試みという。
 テロ資金対策を目的とした金融庁の本人確認法施行令の改正に伴い、一月から十万円を超す現金振り込みに本人確認が必要になった。窓口での作業が煩雑化したため、同金庫は手数料の優遇で窓口以外の振込利用者を増やし、待ち時間短縮につなげる狙いだ。
 無料になるのは、ATMでのキャッシュカード振り込みのほか、インターネットバンキング、定額自動送金。振込先が同一店か同信金本支店に振り込む場合、百五−四百二十円の手数料が不要になる。ATMでも現金振り込みや他の金融機関あては従来通り有料。
 同信金は「無料化で年数百万円の減収になるが、顧客サービス向上で新たな口座獲得につなげたい」と話している。

札幌徳洲会病院 「外傷センター」開設 4月に道内初 救急からリハビリまで一貫診療 
2007/02/01  北海道新聞
 札幌徳洲会病院(札幌市白石区、三百一床)は四月から、「北海道外傷・マイクロサージャリー(機能再建型)センター」を開設する。交通事故や労災事故などの外傷患者を救急治療からリハビリまで一貫して診る施設で、道内では初めて。全国的にも珍しい。
 また、百億円を投じ、ヘリポートを備えた新病院も近く建設する方針で、ハード面とともに、救急医療体制を充実させる。
 同センターは札医大高度救命救急センターに勤務していたベテラン医師三人ら、計四人の整形外科医が担当。二十四時間無休で患者を受け入れる。専門の看護師や理学療法士も配置、脳や心臓が重篤な状況になっている多発外傷を除く救急患者を受け入れる予定だ。
 救急医療は当番病院や夜間急病センターなどの初期救急、入院治療を必要とする二次救急、重篤な患者を扱う三次救急に分かれている。同病院は二次救急を担っており、従来の救急施設を外傷センターに衣替えする。
 救急車で搬送される患者の九割以上は、整形外科医が担当する四肢(手足)切断や重度の骨折、皮膚組織損傷などの四肢外傷患者だ。しかし、救命救急センターの整形外科医は勤務が過酷なことから若手の医師が多い上、救命が重点のため、本格的な治療やリハビリは他の病院で行われる傾向が強かった。
 このため、患部が悪化したり、後遺症が残る患者もいた。外傷センターは治療体制を一本化し、充実したのが特徴で、ドイツや米国で導入されている。
 森利光副院長は「救急の整形外科医は十年以上、経験を積まないと一人前にならないが、現状の外傷治療レベルは極めて低い。十年以上のベテラン医師をそろえることで、少しでも不幸になる人を減らすとともに整形外科医を九人にまで増員し、全道から患者を受け入れたい」と話している。

士幌町国保病院 常勤医3人退職へ 「都市部に移りたい」

2007/01/31  北海道新聞
 【士幌】十勝管内士幌町唯一の医療機関である士幌町国保病院(安達博昭院長、六十床)で、常勤医四人のうち三人が三月末に退職することが三十一日、分かった。町は道地域医療振興財団などに医師の派遣を要請しているが、全道的に医師が不足している中で、後任の確保は難航することも予想される。
 士幌町国保病院の常勤医は内科医三人と外科医一人。このうち、札医大が紹介した内科医一人と道地域医療振興財団が紹介した内科医一人と外科医一人の計三人が「都市部の病院に移りたい」と、退職の意向を示した。
 道保健福祉部によると、士幌町国保病院の医療体制を維持するには最低三人の医師が必要で、後任を確保できない場合には診療体制縮小などの対応を迫られる。
 士幌町国保病院は旧士幌村国保直営診療所として一九五六年に開設された。診療科目は内科、外科、整形外科、小児科、眼科。
 町内では、士幌町国保病院の安定運営を目指し、有志が「応援団」を結成したばかり。小林康雄町長は「後任医師の面接予定もある。できる限りの手を尽くし、二月中にも後任医師を見つけたい」と話している。

交通事故の重度障害者対象 短期入院協力病院、道内新たに4カ所 国交省指定 

2007/01/31 北海道新聞
 国土交通省は三十一日付で、交通事故による重度障害で常時介護が必要な人の短期入院を受け入れる協力病院に、共愛会病院、函館新都市病院(以上函館)、星が浦病院(釧路市)、深川市立病院の道内四カ所を含む十七病院を新たに指定する。協力病院には障害者用浴槽の整備費などとして、国交省が最大四百五十万円を支給する。
 短期入院の対象は脳や脊髄(せきずい)、臓器を損傷し、常時介護を受けている患者。入院は一回十四日以内で、年間三十日まで。国交省所管の独立行政法人、自動車事故対策機構が患者に一日あたり最大一万円の入院助成費を支給する。
 同省によると、交通事故の障害者は病院治療で症状の改善がないと、退院を余儀なくされるケースが多い。短期入院の協力病院制は、介護にあたる家族の負担を軽減する狙いもあり、二○○一年度に始まった。道内はこれまで○六年一月に指定された札幌しらかば台病院(札幌)のみだった。今回の指定で全国五十八病院が協力病院となる。

市立根室病院 内科医不在の恐れ 4月から 旭医大が引き揚げ
2007/01/31  北海道新聞
 【根室】市立根室病院(羽根田俊院長、百九十九床)で内科に常勤する四人の医師が四月から不在となる恐れがあることが三十日、分かった。旭川医大が内科への派遣を三月末で打ち切るなどするためで、市は道などに新たな医師派遣を要請している。内科医を確保できなければ、年間延べ五万人を超える外来患者や入院患者の多くは百二十キロ離れた釧路市などでの受診や入院を余儀なくされるほか、救急患者にも影響が出る。
 市立病院は内科、外科、小児科など十七診療科がある総合病院で、道の地域センター病院に指定されている。常勤医師は現在十一人。
 内科の医師四人のうち三人を派遣している旭医大は、新人医師に二年間の研修を義務付ける臨床研修制度の影響で同大学自体の医師不足が深刻化したため、四月からは派遣できなくなったと市に通知。もう一人の医師も退職する意向だ。
 市立病院では、年間の外来患者延べ十七万六千人のうち三割、入院患者延べ五万三千人の五割を内科が占める(いずれも二○○五年度)。また、昨年、急病で同病院に運ばれた救急患者六百二十四人のうち半数は内科系疾患だった。
 市内には市立病院以外に内科を持つ民間病院や診療所が十カ所あるが、規模が小さく、外来、救急患者の受け入れには限界がある。民間病院の計二百床余りの病床も多くは精神疾患の患者向け。市立病院の内科医師が不在となれば、現在、内科系疾患で市立病院に入院している約四十人の患者や通院患者の多くが、釧路市などの病院で治療を受けざるを得なくなる見通し。このため根室市は道、札医大などに医師派遣を強く要請している。
 根室市内では昨年、唯一、長期療養を要する患者のための療養病床七十五床を持っていた民間病院が三月に閉院、九月には市立病院が産婦人科での入院・分娩(ぶんべん)を休止し、市民の間に地域医療崩壊への不安が広がっている.。

指定取り消しの介護業者 ■事業「継続」道手出せず ■役員重複の新会社設立/法改正 後手
2007年01月30日 朝日新聞
 介護報酬の架空請求により昨年10月に道から介護事業所指定を取り消された札幌の有限会社経営者が、役員構成のほぼ同じ新会社を設立して道から事業所指定を受け、もとの会社の業務を引き継いでいることがわかった。新会社は指定取り消しに向けた調査の渦中に設立されていた。事実上の処分逃れともいえる実態にあるが、道は「手続きに法律上の問題もなく、指定を認めざるをえなかった」としている。新しい会社の業務に対して特別な監視などもしていない。法律改正によって、現在はこうした会社の事業所指定は認められない。
                   ◇
 架空請求で処分されたのは、札幌市南区の有限会社。お年寄りらを対象とした介護付きの共同住宅を経営する一方で、その住人らを対象に訪問介護や看護をする事業をしていたが、道によると05年4月から同7月にかけて、実際にはしていない介護や看護で介護報酬約300万円を不正請求した。道は06年10月26日付で居宅サービス事業者などの指定を取り消した。
 ところが、道による立ち入り調査が実施され、処分の可能性が出てきた昨年2月1日、この会社の経営者らは介護業務を目的とした株式会社を設立。さらに、道が3月20日に指定取り消し予定であることなどを通知(聴聞通知)したところ、4日後に新会社が訪問介護サービスなどの事業所指定を申請した。道は4月14日までにこれを認めた。
 新会社はもとの会社の介護事業をほとんど引き継ぎ、いまも業務を続けている。両社は同じ建物の中で隣り合って事務所があり、役員は1人を除いて同じ。もとの会社の社長は新会社の取締役に名を連ね、新会社の代表取締役にはもとの会社の部長が就任した。
 新会社の設立理由について、もとの会社の社長は朝日新聞の取材に「処分逃れではなく、事業の多角化だ」と説明している。
 厚生労働省によると、こうした事例を防ぐため、昨年4月の介護保険法の改正で、処分された会社と役員が重なる新会社は、事業所指定が受けられなくなった。だが、今回は法改正前の不祥事のため、改正法は適用されない。
 道は「法改正前の問題だったため、手続きが整っていれば事業所指定を認めるしかなかった。新しい会社については不祥事などの情報も入っておらず、特別に調査はしていない」(介護保険課)としている。
 《メモ》道によると、もとの会社が介護事業などの指定取り消し処分を受けた理由は、同社が05年4月〜同7月に、実際にはしていない訪問介護や訪問看護をしたように書類上みせかけて、約300万円の介護報酬を介護保険事業者の札幌市などに不正請求し、受け取ったこと。
 05年9月と06年3月に実地指導と監査をした際、虚偽の記録がわかった。同じスタッフが同時間に複数のサービスをしているなどの矛盾が見つかったという。ほかにも、道の1年半にわたる調査の中で、長期間の不正請求をうかがわせる多数の証言が関係者から出された。
    *  *  *
■「不正はない」/新法人の取締役 一問一答
 介護保険の架空請求で事業所の指定取り消し処分を受けた会社の社長(新法人の取締役)は、朝日新聞記者のインタビューに対し、新会社設立の意図が処分逃れだったことを否定した。また、道による処分対象となった不正請求そのものがなかったとの発言をした。一問一答は次の通り。
 ――なぜ新しい法人を設立したのか。
 「もともと、分社化して別法人にする予定だった。透明性を図れと道から言われたこともある」
 ――新法人に業務を引き継ぐことで、処分から逃れようということではないのか。
 「そういうことではない。3月の聴聞でいろいろ言われたが、取り消されるとは思わなかった」
 ――約300万円の不正請求したのは事実か。
 「道は(請求した業務の)実態がないといっているが、実態はある。不正請求はしておらず、書類を書いた時のミスだ。サービスをしていないわけではない」
 ――新法人と、取り消し処分を受けた会社は役員がほぼ同じだ。何が違うのか。
 「もとの会社は高齢者らが入居する共同住宅事業とともに、訪問介護と看護もしていたが、今は新しい会社がこの会社から委託を受けて、看護などをしている」

怖い新型インフルエンザ流行 行政対応お寒く個人でも備え必要 専門家呼び掛け

2007/01/29  北海道新聞
 アジアや中東を中心に流行している高病原性鳥インフルエンザが「新型インフルエンザ」に変異し、大流行する懸念が出ているが、大流行の場合、道内でも百万人以上が医療機関を受診、七千人以上が死亡すると推計されている。入院先の確保など行政側の対応は十分とはいえず、専門家は「個人レベルでも備えるべきだ」と呼び掛けている。
 病院は診療を待つ患者であふれ、入院ベッドも満床。社員が次々に発症した企業は、休業に追い込まれる。物流の停滞で食料などが運ばれず、スーパーの棚には商品がない。感染を恐れた人々は家にこもり、まちは静まりかえる−。「新型インフルエンザ」が大流行した場合について、専門家が想定するシナリオだ。
 世界保健機関(WHO)は、「新型」の大流行までの過程を六段階のフェーズ(危険度)に分けており、現在はフェーズ3。だが、自身のホームページ(HP)などで「新型」に関する情報を発信している小樽市保健所の外岡立人所長は「きょうにでも新型に変異しないという保証はない」と警告する。鳥インフルエンザは人への感染を繰り返しながら新型に変異する性質があり、世界では鳥インフルエンザの人への感染、死亡例が増加しているからだ。
 人類は新型に対する免疫を持たないため、ひとたび発生すれば短期間で世界中にまん延するとみられている。外岡所長は「今のうちから、最悪の状況を想定した対策が必要だ」と言う。
 国は、新型の大流行時の死亡者数を国内で十七万−六十四万人と推定する。道内では、約百十一万人が受診、中程度の致死率でも約七千六百人が死亡するとされている。
 行政の対策は“最悪の状況”に追い付いていない。大流行時、道内の一日当たりの入院患者数は最大で約四千五百人と推計されている。国は都道府県に対して、指定医療機関の整備などを求めているが、道が現在、入院患者の受け入れ先として確保しているのは三十医療機関、百四十三床のみ。道保健福祉部は「新型が発生していない段階では頼みづらい」と話す。
 大流行すれば診療場所は医療機関だけでは足りず、公共施設などの使用が必要になるとみられるが、具体的な計画作りはこれから。発生時を想定した医療機関などとの訓練も、実施を検討している段階。
 国立感染症研究所の岡田晴恵研究員は「行政にはなるべく早く対策を進めてもらい、それを確実に実行できるよう行動訓練を行ってほしい」とした上で、「何より大切なのは、国民が個人レベルでも新型について理解し、準備すること」と訴える。岡田さんは、大流行時は感染を防ぐため外出しないことを想定し、乾めんや切りもちなど、長期保存可能な食料を二、三週間分備蓄することを勧める。発症しても病院が満杯で自宅療養を強いられる可能性もあるため、薄めて飲めば点滴代わりになるスポーツ飲料や、シロップがブドウ糖の代用となるフルーツの缶詰なども重宝するとしてい

介護放棄、殺人容疑で逮捕 妻と息子2人、広島
2007/01/29  北海道新聞
 広島県警は29日、必要な介護をせず家族を死なせたとして殺人の疑いで広島市安芸区中野3丁目、松田由美子(63)と博之(36)、実(31)の3容疑者を逮捕した。
 介護放棄による死亡をめぐっては保護責任者遺棄致死の疑いで立件されたケースがあるが、殺人容疑は異例という。
 死亡したのは由美子容疑者の夫洋一さん=当時(60)。調べでは、由美子、長男の博之、二男の実の3容疑者は、洋一さんが脳内出血の後遺症で介護なしには生活できないことを知りながら「死亡してもやむを得ない」として満足な食事を与えなかったほか、投薬や医師の診断を受けさせるなどの必要な措置も取らず、昨年11月初めごろ自宅で死亡させた疑い。
 洋一さんは2004年3月、脳内出血で倒れ、右半身がまひ。歩行、発言が困難で要介護3に認定されていた。

総務省、企業へのテレワーク導入を促進−設備に減税制度創設

1月25日 日刊工業新聞
 総務省は07年度、企業に対し出社せずに自宅などで仕事をするテレワークの導入を促進する。中小企業でも手軽にテレワークを体験できる共同利用型システムの開発を進めるほか、導入企業に対し関係設備の固定資産税を減額する環境整備税制を創設。政府は就業者人口に占めるテレワーカー比率を現状の10%から、2010年までに20%に引き上げる目標を掲げており達成への足がかりにする。
 総務省は高齢者や障害者、育児中の女性らの就業機会の拡大を後押しするため、07年度予算にテレワーク共同利用型システムの開発として3億円を計上した。システムは企業の事務所と社員の自宅間にインターネットなどを利用した仮想私設網(VPN)を構築。インターネット・プロトコル(IP)電話やテレビ会議などテレワークに必要な機能を盛り込む。

生活福祉資金、貸付金272億円が未回収
2007年01月22日 朝日新聞
 低所得世帯に都道府県の社会福祉協議会が融資する生活福祉資金について、未回収金が全国で総額約270億円と貸し付けの3分の1に上ることが、全国社会福祉協議会(全社協)のまとめで分かった。東京都では近く、初めて原資を取り崩して欠損処理をするが、政府・与党は多重債務者の救済策として制度の拡充を検討している。監督する厚生労働省は、低所得者の自立支援と未回収金対策という相反する課題を前に、制度の見直しを迫られている。
 全社協のまとめによると、04年度の貸し付けは全国で約1万5000件あり、1件あたり貸付額の平均は77万9000円、総額は98億6000万円だった。回収率は71.5%にとどまり、制度が始まった55年から05年3月末までに返済期限を過ぎた未回収金は元金だけで計272億7500万円に上る。原資は国と都道府県の補助金計1135億円で、貸付額は846億円。未回収金はその3分の1に上る計算だ。
 貸与の種類により、(1)所得が低く、市町村民税は非課税だが、生活保護には至らない世帯(2)高齢者を含む世帯で、4人世帯なら年収600万円程度以下、などの条件がある。貸し付けを受けるには所得証明や給与明細が必要だが、全社協は「銀行や消費者金融で借りられない人を想定している。厳しい審査はできず、返済が遅れるのは覚悟しないといけない」という。
 貸し出し後の債権管理でも、「強力な調査体制があるわけではなく、返済能力まで踏み込んで調べることができない」(神奈川県社協)、「県をまたいで引っ越しされると、追い切れない。督促状などでは限界がある」(北海道社協)という問題もある。
 東京都は、貸出人が死亡したり、行方不明になったりした未回収金398件分1億4000万円を返済不能として免除する予定だ。通常は返ってきた貸出利息を積み立てて、貸し倒れた場合の基金としているが足りなくなったため、今年度、初めて原資を取り崩して欠損処理をする。
 一方、貸出制度は無担保・低金利のため多重債務者対策になるとして注目を集めている。銀行や民間金融機関から借りられずヤミ金融などに駆け込む多重債務者の安全網とするために、昨年12月の参院財政金融委員会では委員から、制度の原資を増やし貸し付けしやすくすることや、給付事業化などの提案がなされた。
 政府の多重債務者対策本部では、要件緩和や限度額拡大などを検討する動きが出ており、今春までに問題改善プログラムをまとめる予定だ。
 所管する厚生労働省地域福祉課は「未回収金がある程度でるだろうということは予測していた。(多重債務者を、この制度で救済するには)借り手の生活を立て直すため家計管理にまで踏み込むような体制が必要」として制度の運用について08年度をめどに見直しを進めている。

北野病院3月廃止 内科単科 新研修制度、指定なく 道厚生連

2007/01/20  北海道新聞
 北海道厚生農業協同組合連合会(道厚生連、札幌)は、地域医療を担う若手医師育成を目的に運営してきた「地域医療研修センター札幌厚生北野病院」(札幌市清田区、百三十床)を三月末で廃止することを決めた。二○○四年度に新しい臨床研修制度が導入されて以降、単独で研修先の指定を受けられず、肝心の研修医を確保できなかったため。病院には現在約二十人の患者が入院しており、今後転院を進める。
 北野病院は、過疎地に勤める三十五歳までの医師を育成するのが目的。道が廃止した道立札幌北野病院の土地と建物を厚生連が年約二千万円で借り、○二年十月に内科単科で開院した。これまで公募などで六人の研修医を受け入れてきた。
 ○四年に新臨床研修制度が始まり、新人医師が内科、外科、救急部門など主だった診療科の研修を受けることが義務付けられたが、北野病院は内科単科だったため単独での指定を受けられなかった。厚生連は、病院の運営に年二億円の赤字が出ていることもあり、「当初の目的が果たせなくなった」として廃止を決めた。
 厚生連は今後、研修先の指定を受けた道内の五総合病院で地域医療を担う医師を育成する。一方、道は今後、返却を受けた土地と建物を売却または賃貸する方針。

室蘭日鋼病院 脳外科医引き揚げ 3月末、診療中止も

2007/01/18  北海道新聞
 【室蘭】日鋼記念病院(室蘭)が、北大から派遣を受けている脳神経外科医二人を三月末で引き揚げると通告されていることが十七日、分かった。同科の医師は現在、二人のみ。全国的な脳外科医の不足で、新たな医師確保のめどは立っておらず、四月から同科の診療が続けられなくなる可能性もある。日鋼記念病院によると、昨年九月に北大から派遣中止の通告があった。
 同病院は二○○五年、生死にかかわる高度救急医療(三次救急)を地域で担う「救命救急センター」を設置している。脳神経外科が存続できなければ、同センター機能にも影響を及ぼす恐れがある。道によると、同センターは道内に十カ所あるが、道央圏は札幌市以外では同病院のみ。

札医大、本人幹細胞で脳梗塞治療 神経・血管再生、拒絶反応なし
2007/01/13  北海道新聞
 札幌医大が十二日、札幌近郊の五十代の女性患者に対して行った骨髄液に含まれる「骨髄幹細胞」による脳梗塞(こうそく)の新しい治療法は、患者本人の幹細胞を使うため拒絶反応の心配がなく、受精卵から取り出す胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に比べ倫理的問題が少ない利点がある。今後、この国内初の試みは、再生医療ビジネスの分野で注目を集めそうだ。
 幹細胞はさまざまな臓器や組織の基になる細胞で、脳梗塞で傷ついた神経細胞に代わって患部に定着したり、周囲の細胞が死ぬのを防ぐ機能を持つ。
 新治療法は、幹細胞が体内を移動して患部へ行き着く「遊走能(ゆうそうのう)」と呼ばれる性質を利用した。
 昨年十一月中旬に脳梗塞を発症した女性患者は、半身まひの状態で、同大脳神経外科は十二月下旬に採取した骨髄液から幹細胞を抽出して培養、十二日午前、点滴で患者の体内に戻した。
 脳に達した幹細胞から放出されたタンパク質の一種「サイトカイン」が血管や神経の再生を促し、数カ月後には効果が表れるという。
 同日午後の記者会見で、同大脳神経外科の宝金清博教授は「一連の治療を通し、患者の体への負担はほとんどなかった。今後、数年かけて五十例ほどの治療を行い、回復効果や安全性を確かめたい」と述べた。
 脳梗塞の治療に詳しい岡山大医学部神経内科の阿部康二教授は「発症直後の急性期の患者に限った治療ではないため、たとえば稚内で発症した患者が、初期治療を終えた後に札幌で治療を受けられるなど、広がりが期待できる手法だ」と評価する。
 脳梗塞は、脳の動脈が詰まり、その先の血行が阻害されて脳に機能障害をもたらす。毎年、約三十万人が発症し、言語障害や身体まひなどの後遺症に約百四十万人が苦しんでいるとされる。
 今回と同様の治療は、韓国など海外で十数件の実績があり、すでに症状の改善例が報告されている。患者の生活の質を向上させる取り組みとして、発症前にあらかじめ自らの幹細胞を抽出して保管しておく「幹細胞バンク」など、高齢化社会を迎えた日本のベンチャー企業が、ビジネス展開に強い意欲を示している。

障害者 入所、入院の13%移行 道が福祉計画素案 在宅やホームに
2007/01/10  北海道新聞
 道は道内の入所施設や病院にいる障害者の13%約四千人を、二○一一年度までに在宅やグループホームなどに移行するとの目標を盛り込んだ「障害福祉計画」の素案をまとめた。九日、道議会保健福祉委員会に報告した。
 同計画は、本年度、障害者自立支援法が施行されたのに伴い、障害福祉サービスなどの提供体制に関する計画立案が義務づけられたのを受けて、道が策定を進めている。
 移行対象と考えられているのは、○五年現在で施設に入所している身体、知的障害者一万二千五十五人の20%(二千三百六十六人)と、医療機関に入院している精神障害者一万九千二百四人の9%(千七百十八人)。
 移行に伴い、障害者が共同生活するグループホームやケアホームの利用者数は、○五年度の三千二百六十四人が一一年度には二・四倍の七千六百六十一人となり、ホームヘルプなどの居宅介護サービスの延べ必要時間も一一年度には二倍になると推定されている。
 また、施設を退所し、一般就労する障害者数は○五年度の四倍の四百二十人になると目標を定め、就労支援策を進める。
 道は十日からホームページで素案を公開、道民から意見を集め、二月中旬に計画案をまとめる。

羊水から万能幹細胞 再生医療への応用期待

2007/01/08  北海道新聞
【ワシントン7日共同】体のさまざまな細胞に分化する能力を持つ胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に似た幹細胞を、人間の子宮の羊水から取り出すことに成功したと米ウェークフォーレスト大の研究チームが米科学誌ネイチャーバイオテクノロジー(電子版)に7日、発表した。
 ES細胞は、病気などで機能を失った組織を人工的につくって移植する再生医療への応用が期待されているが、受精卵を壊さないと得られないという倫理的な問題が研究推進の障害になっている。だが、今回見つかった羊水由来の幹細胞は通常の医療行為から得られるので、倫理的な問題は少ないという。

呼吸器外し、倫理委が容認 異例の決定、時期尚早と岐阜県
2007/01/08  北海道新聞
 岐阜県立多治見病院(舟橋啓臣院長)の倫理委員会が2006年10月、回復の見込みがないと判断された患者本人が事前に文書で示した希望に基づき、人工呼吸器の取り外しを含む延命治療の中止を容認する決定をしていたことが7日分かった。しかし岐阜県の「国の指針もなく、時期尚早」との意見で外されないまま患者は死亡した。
 倫理委が呼吸器外しを容認した例は全国的に珍しい。富山県の射水市民病院で同年3月に呼吸器外しが問題化するなどし、国や学会が終末期医療の指針作りを進める中、注目されそうだ。
 病院によると、この患者は80代の男性で10月上旬、入所先の施設で食事をのどにつまらせて倒れ、救急車で運ばれた。搬送時は心肺停止状態だったが、蘇生処置で心拍が戻り、人工呼吸器が装着された。
 担当医は回復は難しいと家族に説明。翌日、家族が「重病で再起できなければ延命治療をしないでほしい」という1996年付の患者自筆の文書を提示し、人工呼吸器と強心剤投与の中止を依頼した。

障害者一定数雇用の企業、随意契約で優遇 札幌市方針
2007/01/06  北海道新聞
 札幌市は二○○七年度から、障害者を一定以上雇用する企業を対象に、市の随意契約事業で優遇する「障がい者多数雇用企業認定制度」を導入する。障害者の雇用促進が狙いで、同市によると政令指定都市では導入が相次いでいるが、道内の市町村では珍しいという。
 同制度は札幌市内の事業所で《1》障害者の数が全従業員の3・6%以上《2》市の○七−○八年度の競争入札参加資格者名簿(物品・役務)に登載予定−の二条件を満たした企業を「障がい者多数雇用企業」と認定。百六十万円以下の物品の購入や、百万円以下の役務の調達に関する随意契約事業を実施する際、優先的に選定するよう配慮する。認定企業は市のホームページで名前を公表する。認定期間は四月一日から来年三月末までの一年間。
 同市によると、札幌市内の従業員五十六人以上の事業所のうち、国が定める障害者の雇用率1・8%を満たしているのは四割程度にとどまっている。市は○八年度以降も同制度を継続していく方針だ。申請は所定の用紙に記入の上、二月一日から同月末まで同市保健福祉局障がい福祉課に郵送する。問い合わせは市障がい福祉課(電)011・211・2936へ。



北国の頸髄損傷・重度脊髄障害広場 トップページにもどる