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ACN CUP FinalTOURNAMENTレポ(攻略)

2003/04/24

 つーわけで予選の方は、36点(有効試合数59)勝率0.32203でなんとか通過しました。
 通過者の中では決して成績は良い方ではありませんが、まあ予選は予選てことで、とにかく通過してしまえばいいのです。
 予選はほとんどフリー対戦のノリで楽しんでました。20試合ぐらいやって0点に戻ったときはさすがに焦りましたが。


<「ダブルX」攻略編>


・第一印象

 まず、砦ボーナス200Gに驚愕。砦が2つあるマップでボーナスが200Gというのは初めてなんじゃないでしょうか。マップ制作者の「安直にパーミは使わせねぇ」という意気込みが感じられます。

 次に、周回のコースがかなり特殊であるということ。同じ種類の砦が2つずつあり、中間通路も2本あるので、周回するためにはマップの半分の土地しか通過しなくても良いのです。これは即ち、踏みにくく通行料が期待しにくい上に、土地を落とされる状況では逆に踏み込まれてしまうということであり、増資のリスクが非常に高いということです。この時点で私は普通の走りブックはきつい、ミスルトなんてゴミではなかろうかと考えました。逆に強そうなブックはバリア全滅か侵略型で、おそらくカリンのように土地が安定せず、大抵の試合は荒れる展開になるのではないかと予想。

 ここまで考えて、もう安定資産は護符しかない、真面目にコインブックはありうるという思考に到り、そして即座にリプレイクラッシュの可能性を危惧しました。
 今にして思うとものすごい馬鹿なんですが、真剣にリプレイが心配になった私は公式ページの大会掲示板にパイエティコインの禁止を提案。しかしついたレスは、きせさんの「大会はリプレイのためにあるのではない」という反論のしようがない正論だけで、事務局からはあまりにも馬鹿馬鹿しかったのかレスはありませんでした。

 つーわけでとんだ恥をかいてしまったわけですが、ブック構築に関してはこういう発言をしてしまった手前コインブックを作るわけにはいかなくなってしまい、いきなり攻略は暗礁に乗り上がってしまいました。リプレイのバグさえなければ絶対にコインブックを、少なくとも作って調整するところまではやっていたのですが。無念です。


・スパー後の印象

 オンラインで適当に3戦ほどスパーリング。結果は1勝2敗ですが、まあここでの成績にはそれほど意味はないです。使ったブックは、ダブルX用に作ったブックじゃないですし。(いいのかそれで)
 というわけでスパー後の印象なわけですが、やはりというかなんというか、私の中ではかなり印象が変わっていました。

 まずミスルトは意外と強い、むしろ激強なことが判明しました。私はダブルXでは荒れ場を予想しており、荒れ場なら前半のミスルトより後半のマナだろうと思っていたのですが。どうも分岐が多い場合、比較的好きな土地に止まれるので土地の住み分けができてしまい、意外と荒れにくいようです。何よりも使い慣れていない全滅型や侵略型をわざわざ選択する人はいないということがありました。というわけでミスルトはカタログスペックの通り普通に強いという、なんとなく残念な結論に達してしまいました。

 また、自ら場を荒らすこともかなり難しいようです。荒らして勝つブックの場合、テンペ・アレス・チャリ等のカードを使うのですが、他の人が「好きな土地を取れる=戦闘しなくていい」というブック及びプレイングをした場合、これらのカードを使って頑張っていても純粋に仕事の量だけ損をするだけで、荒れ場を演出することができません。
 まあ侵略自体は強いマップなので、侵略型を使うのであればチャリオットなどで場を荒らす無差別侵略型ではなく、ピンポイントで高額地を強襲する一点侵略型だろうと思いました。この時点で、ぼんやりとウサギブックにしようかなと考えます。ウサギなら代表的な防御アイテムはほとんど無視できますからね。


・パーミの強さ

 ブックの作成に当たって、パーミを採用するかどうかは頭の痛い問題でした。
 砦ボーナスが200Gなのでパーミはなくてもなんとかなるだろうとは思うのですが、一周36マスのマップを8マスに短縮できるというのはやはり魅力的です。周回回復も早まるので、全滅型にも強くなりますし。ただ、パーミを採用すると相当ブックの圧迫が激しくなってしまうため、ウサギブックのようなコンセプトブックは組みにくくなってしまいます。そこでパーミの価値判断は早い段階で済ませてしまう必要がありました。

 まず前提として、パーミを使うならN砦経由でなくては意味がありません。S砦経由では36マスが28マスになるだけで、しかも砦ボーナス200G+パーミのコスト80Gを損します。そんな使い方をするぐらいならパーミなど入れない方がいいです。
 N砦経由でベストな使い方をするにはクリアしなくてはならない問題が3つあります。

 1つ目は、N砦と城の間が3マスしかないということです。N砦通過後の最高のタイミングでパーミを使うには、自分がN砦上を含めた城までの4マスのいずれかに位置していなくてはなりません。これは相当シビアで、けっこうなダイス運を要求されます。

 2つ目は、城と砦の間に他人の高額地を作られると厳しいということです。この袋小路に高額地を作られると、パーミの使い方がS砦経由の悪例になってしまいがちです。パーミを使うのであれば、城上の袋小路を2本とも制圧してしまうのが望ましいと言えます。ブックの戦闘力は高くした方が良いでしょう。

 3つ目は、袋小路の土地の初期配置が火と地であるということです。即ちパーミを使うのであれば火もしくは地ブックにするのが合理的な選択です。パーミを使っていれば、城上の袋小路を周り続けることになるわけですからね。

 3つ目は属性の選択を間違えなければいいだけなのでたいした問題ではないのですが、1つ目と2つ目はかなり重要なポイントです。私はすでにウサギブックの作成に着手していましたが、クランプ等のコンセプトカードを入れているとパーミのスペースがない、ヌエを入れたいので属性が風になってしまう等の理由で、このブックにはパーミは採用しないことにしました。ただ、パーミ型の強さも知っておきたかったので、ウサギブックと平行して上記のポイントを踏まえた、パーミを使った火ブックも作り始めました。まあこの火ブックは結局本選では使わなかったんですが。
 結論としては、ダブルXでパーミを入れるならまずパーミありきでブックを作り始めるべきで、マルセスのようになんとなくパーミが入るようなマップではないということです。


・ウサギブック作成過程

 つーわけでブックの作成ですが、私は今回はブック調整の過程で対人スパーはやらないことにしました。経験上、スパーを重ねてブックを煮詰めようとすると、スパーの結果に振りまわされてブックが変な方向にいってしまうことが多かったからです。私の場合、1人でじっくり編集画面と向き合ってああでもないこうでもないと頭をひねっている方が、ブックの完成度を高められるような気がしました。

 本選使用ブックのコンセプトはウサギ中心の侵略ブック。ウサギを中心にしたブックを組む場合、当然のことながらウサギと相性の良いカードをブックに入れる必要があります。ウサギは単体では非力なカードなので、ブック全体でサポートしてやらなくてはなりません。

 まず、クリーチャーはヌエとボージェスで決まりです。ヌエとボージェス、両方の応援があればウサギのHPは実質60になり、ギアの素殴りにも耐えられます。よく言われる「土地を落としてもすぐに奪われる」というウサギの欠点は、これでかなり補えます。さらにヌエとボージェスが複数体配置されていればお互いを応援で守ることができ、ボージェスもピースなしで守れます。1EXのボージェス並の強さです。
 実はこのヌエ+ボージェスの組み合わせは調整中に突然思いついて、その瞬間は「こんなウサギブック誰も作ってねぇよ! 俺って天才」などと小躍りしたものですが、実際にはわりとポピュラーな組み合わせだったようです。特に道玄坂会議室にあるカチモリさんのブック集に同じコンセプトのブックがあったのはショックでした。単なる私の自惚れだったのですね、とほほです。

 アイテムはサキュバスリング。これはコンボなので説明不要ですね。攻防一体の優れたアイテムです。
 そして防具ですが、最初はベストメントを入れていました。ハーミットさんのヌエブックにも入っていましたし。しかし途中で、「ヌエとボージェスがいたら、グレアム持って素殴りで土地が落ちる状況ってほとんどないんじゃないか?」ということに気がつきました。ベストメントは、ほぼギア+グレアムの素殴り対策カードといっても過言ではありません。しかしこのブックの場合、応援クリの配置がすんでしまえばギアの素殴りにノーアイテムで耐えられるのです。だったらベストメントよりも仮置きにも使えるリビングシールドではないかと思いました。リビングシールド自体も、このブックならギアの素殴りに耐えられますしね。

 スペルはクランプとターンウォール。クランプは当然コンボなので説明不要です。
 ターンウォールは地・水クリにはウィークネスになり、さらにバサルトをはじめとするアイドル対策、相性の悪いアレス対策、移動侵略対策と、極めて汎用性の高い万能スペルです。ウサギブックには必須カードと言えるでしょう。

 こうして完成したのが以下のブックです。


「.59」

クリーチャー(19)
スチームギア(2) ニンジャ(3) バトルギアβ(1) ボージェス(3)
リビングシールド(2) ルナティックヘア(3)
ヌエ(3) レベラー(2)

アイテム(6)
ガセアスフォーム(2) サキュバスリング(2) フュージョン(1) ヘルブレイズ(1)

スペル(25)
ウェザリング(3) エスケープ(2) クランプ(2) ターンウォール(1)
ドレインマジック(1) HWX(4) ミスルト(4) メズマライズ(3)
ランドプロテクト(1) リンカネーション(4)


 ブック名は良い名前が思い浮かばなかったので、ビーマニの曲名から適当に取りました。「.59」で「てんごく」と読みます。

 ウサギ中心のブックではありますが、実は本命の侵略手段はニンジャ+巻物です。実際のところ、クランプとウサギが見えている状況でウサギに殺されるクリを上げる人などいるわけがなく、こういった場合はクランプに強いSTの高いクリを拠点にするでしょう。そこでニンジャ+巻物の出番というわけです。いくつかの例外はありますが、クランプウサギとニンジャ巻物を併用することにより、大抵のクリは倒せるようになったと思います。

 その他のクリの選択にはかなり悩まされました。採用候補にあがったクリにはシーフ、ホーンカメレオン、スペクター、ウェンディゴ、ミルメコレオなどがありましたが、最終的にはテンペ耐性を重視してギアとレベラーが残りました。コンセプト上テンペに弱いのは仕方がないので、コンセプトに関係ない部分はできるだけテンペに強い構成にするべきでしょう。
 それでもミルメコだけは相当悩みましたが、地属性に置けないクリはあまり増やしたくなかったので、やむなく削りました。中間通路は風と地がバッティングしているので、配置制限には気を使いたいものです。
 βは気がついたらクリの平均能力値が意外と高くなっていたので、1枚ぐらい援護が欲しいと思って入れました。本選でもそれなりに役に立っていたと思います。

 あとはまあ普通に地変とかドレインとかランプロとかですね。2枚のエスケープは袋小路を手っ取り早く占領するために入れたのですが、引くタイミングが悪かったのかあまり役に立ってませんでした。1枚でも良かったかもしれません。
 地変3枚は近年のブックとしては少ない方かもしれませんが、この辺は必要最低限の枚数があればプレイングでなんとかできる部分なので、けっこう適当です。
 ちなみに3枚という数字は、「リンカネした後に手札にあることが期待できる最低限の枚数」と、私は解釈しています。


・おまけ:ボツになった火ブック

クリーチャー(17)
スチームギア(4) デコイ(2)
F・ジャイアント(2) アレス(1) ウィルオーウィスプ(2) ガスクラウド(2)
パイロドレイク(2) バルキリー(2)

アイテム(7)
エメラルドリング(2) カウンターアムル(2) グレムリンアムル(2) フュージョン(1)

スペル(26)
アップヒーバル(3) アンチマジック(2) チャリオット(1) ドレインマジック(1)
パーミッション(4) バインドミスト(1) フライ(4) マナ(4)
メズマライズ(2) リンカネーション(4)


 パーミ型の強さを知るために作成したブックですが、今見るとアクが強いブックだなぁと思いますね。こんなの絶対パーミ型のモデルにはならないと思います。

 ブックの狙いは、パーミで北エリアをグルグル周って袋小路を制圧することです。
 必然的に地属性とのバッティングは避けられないので、地属性対策にエメラルドリングを採用しました。別にネタでもなんでもなく、真剣に考えた末にエメラルドリングという結論に達したのだから笑いが止まりません。
 アレスはどうしても目立ちますが、土地の制圧に成功したらいない方がいいので、別にキーカードというわけではないです。状況に応じてON/OFFしたいところですね。

 まあこのブックはおまけで紹介しただけなので、これ以上はたいして真剣に解説する気にはなりません。結局ウサギブックの方が回してみて強い感じがしたので、このブックは使われませんでした。
 といっても本選2日目の午前中まで真剣に使おうかどうか迷っていたんですけどね。こっちの方が見た目が面白いので勝ち誇れそうですし。


本選レポへ続く

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