第4回全国大会本選攻略過程レポ
2003/01/22去る12月22日、セガ本社にて行われた第4回公式全国大会本選。
この本選において北海道勢は、ハーミットさんが準優勝、ルルーシュさんが準決勝進出という輝かしい結果を残しました。
ゼファーさん宅でのスパーリングの実態を知っている私には、かなり意外な結果だったのですが。
今回は、我々北海道勢がいかにしてこの本選に向けて準備を進め、攻略していったのかを赤裸々に綴って行こうと思います。
[第4回公式全国大会本選ルール]使用マップ 「鳥羽根揚羽」
魔力条件 7000G
期間条件 40ラウンド
時間制限 30秒
土地属性 通常
サドンデス オン
バーチャルブック 使用不可
同一カード制限枚数 通常カード/4枚まで
エクストラカード/0枚[11月24日]
この日はゼファーさん宅で最初の揚羽スパーが行われました。
メンツは私、ゼファーさん、ハーミットさん、KOMOさんの4人。
のはずだったのですが、KOMOさんはあいにく仕事が入ってしまい午後3時頃からの参加になるとのこと。
午前中から集まったというのに時間を持て余すのもなんなので、とりあえず初戦はハーミットさんが2人分操作しての擬似4人対戦ということになりました。
・私の第1戦使用ブックアイアンアイドル2 グラニットアイドル4 ブラスアイドル4
アースシェイカー3 オーロラ4 シャイン2 ターンウォール2
ドラウト2 パーミッション4 フライ4 HWX4
マスファンタズム2 マナ4 ミスルト4 メテオ1
リンカネーション4見ての通りのオーロラブックです。
ブラスとリンカネでパーミを引きまくり、まともに周回せずに護符を買いまくってオーロラ、シャインで達成するのが狙い。
序盤はパーミを使うとかえって損をするので普通に回ってた方がいいですが。
コラプションをくらうと血反吐なので、グラニットを4枚投入した上にアシッド対策にマスファンタ。今見るとマスファンタではなくドモボーイを入れるのも面白いんじゃないかと思うんですがどうですかね。
アイアンアイドルはもちろんミスルトのためなんですが、シャインで達成を狙うときにもかなり重宝します。
ターンウォールはこの手のブックには当然入る必須カード。説明する気にもなりません。原案は私が愛して止まない全滅型バリアテンペで、資金源は主にコーングースというものだったんですが、とりあえず組み上がったものをパッと見ただけで「勝てるわけねぇ」と即断し、AI相手に回すこともせずに削除。
オーロラブックの制作はスタート地点でいきなり挫折したかに思えました。
しかし護符マップであるからにはまずオーロラブックを作らないことには話になりません(持論)。
そこでプレイング的には全く面白くないのであまり好きではないのですが、グラニット地震型に方向転換することに。
数時間の調整の後、感覚的にこれなら勝てないこともないだろうと思われるブックに仕上がりました。
ドラウトは、プレイングがクソ面白くないこのブックに施した唯一のスパイスです。
一応、パーミでぐるぐる回っていると城の隣や橋の出口を上げられると困るので、そういう場所の増資を予防するためという、もっともらしい理由はあるのですが。
・第1戦の試合展開ゼファーさんのブックは普通っぽい地属性ブック。2人分動かすハーミットさんのブックはボガートHWハメブック(このブックはCBWの「クリーチャーとブック」に掲載されています)と離島バンシーブック。この中では唯一の本選出場者であるハーミットさんがネタブックとはどういうことなのでしょうか。それも2つとも。
ゼファーさんはミルメコ対策と思われるデスクラウドを引きまくっていますが、場には全くミルメコは見当たりません。
失意の色を隠せないゼファーさんにハーミットさんが一言、「場所が悪いのです」。
(過去の公式予選などの例から、北海道の対戦環境で属性攻撃スペルを当てるのは至難の技と言われています)
さらにゼファーさんはハーミットさんのボガート+バリケード+HW1ハメという屈辱極まりないコンボをくらってしまい、この後2度と立ち直ることはありませんでした。私はボガートにターンウォールをかけようかどうか真剣に悩むという始末です。試合の方は終始私の優位で展開し、アイドルをラクサスに殺される等の被害はあったものの最後はシャインで達成。
ハーミットさんのボガートブックにはアイボリーが入っていましたが、クリーチャーを置かないブックなので対して気になりませんでした。
ドラウトは、1回だけハーミットさんがドラウトのせいでレベルを上げられなかった場面がありましたが、それにどれほどの意味があったのかはよくわかりません。
案の定、ドラウトにはケチをつけられました。エンターテイメントをわかっていない人間はこれだから困ります。
・感想戦私のブックは「ドラウトはともかくこのブックは強い」という、微妙に不本意な評価を受けました。
つーか周りのブックがアレなんで、この対戦の結果では結局評価不能ではないかという気がするんですが。
ハーミットさんのブックは、離島バンシーの方は根本的にダメではないかと思った記憶があります。
ボガートブックの方は可能性は秘めていると思いましたが、実戦レベルに達するにはまだ調整が必要だと思われました。
ゼファーさんは「バリケードはいらないんじゃないですか」と言っていましたが、私とハーミットさんは声を揃えて「いやこれはいるだろう」と一喝。
ゼファーさんのブックは普通過ぎてダメな上に「デスクラウド3枚ってなんですか」と散々な言われようでした。続いて第2戦。まだKOMOさんが来ないので、またハーミットさんが2人分動かすことになりました。
今度は私が2人分動かそうかとも思ったのですが、オーロラ以外で用意していたブックがラントラ速攻とオドラ全滅で、とても同時に動かす自信がなかったため辞退しました。この点はハーミットさんはさすがです。
・私の第2戦使用ブックジェイドアイドル2
ガスクラウド2 コンジャラー4 シャラザード2 ソーサラー1
パイロドレイク2 ピラリス1 ペリ2 ミルメコレオ4アップヒーバル3 フライ4 ヘイスト4 ホープ4
HWX4 マウンテンリープ4 メズマライズ2
ランドトランス3 リンカネーション2
かなり苦心して作ったラントラ速攻ブックです。
キーカードは4枚入れたマウンテンリープ。この「リープ4枚」という発想に到るまでには、様々な苦悩がありました。オーロラブックを作った後、次は一番本選でありそうなラントラブックを作る必要があると思いました。
なので、ひとまず適当に地属性で組んでAI相手に試運転。連鎖は4枚のドリアードで作るというものでした。
しかし、何回やっても達成までに30ラウンド以上かかってしまいます。
護符を買うタイミングなどもいろいろ思考錯誤しましたが、全く成果が上がりません。
あまりの遅さに「こんなのラントラブックじゃねぇ」と自分のブックに失望した私は、なぜ達成速度がこんなに遅いのか考え続けました。
そして考えた末、思いついた遅さの原因は「揚羽は普通に回っていると連鎖は作りにくい」というものでした。
揚羽は橋があるとはいえ、普通に周回している分には基本的に分岐なしの一本道のマップです。
分岐がないということは、必然的に確保できる土地はダイス運に頼ることが多くなると言えます。
したがって連鎖が作りにくく、ラントラを機能させられる連鎖数になるまでに時間がかかります。
また、ドリアードで連鎖を作ろうと思っても、その手順に「ドリアード配置→移動」と2ラウンドの時間を要してしまうため、ドリアード移動前提の連鎖構想では達成速度を上げられないと感じました。
ここで「ドリアードに頼らない連鎖作りをする必要がある」という考えに到り、出てきた発想が「フォレストリープを4枚入れるというのはどうか」というものでした。
リープは素早く連鎖を作ることはできるのはもちろん、ラントラ後にできた空き地をフォローすることもできます。いやむしろ、リープの飛び先の土地のレベルを上げて、後でリープでフォローすることを前提にラントラするのです。
おお、これはなかなかいけるのでは? そう考えてフォレストリープを4枚ブックに入れようとした私を、意外な展開が待ち受けていました。「フォレストリープ2枚しか持ってねぇ!」
いったい誰にこんなことが予想できたでしょうか? あまりの意外さに私は危うく卒倒するところでした。
しかし、ないものは仕方がありません。今からカード集めのデク回しをするのも面倒です。
他属性のリープで4枚揃っているものがないか探したところ、マウンテンリープが4枚揃っていました。
こうして、なし崩し的にラントラブックは火属性ブックになりました。リープ以外にも工夫した点はいろいろあります。
マナはラントラ速攻にはむしろ邪魔だと感じました。どうせ30ラウンド以降の展開は想定していないので、マナを入れるぐらいなら足を追加した方が達成は速いと思いました。というわけでマナ抜きで移動スペルフル投入です。
また、「ラントラと併用できるランプロ」としてジェイドアイドルを採用しました。
このブックではジェイド配置後でも4枚のリープとコンジャラーにより素早く連鎖を作ることができます。ここまでジェイドと相性の良いブック構成はそうはないでしょう。
アイテムがないのは、侵略ブックなんて絶対いねぇと踏んでの構成です。アイテムがないということは何の気兼ねもなくリンカネが使えそうです。リンカネ入りで火属性ならペリでも入れてみようかということでペリを2枚。完璧です。
出来あがったブックを回してみたところ、25ラウンドで達成しました。満足した私はこれでこのブックを完成としました。
・第2戦の試合展開ゼファーさんのブックはトランプルシェイカー。本選スパーだと言っているのになぜどいつもこいつもネタに走りますか。
ハーミットさんのブックは、片方のブックはいまいち思い出せないのですが、もう片方のブックは水の侵略ブック。チャリオットでバリバリ攻めてきます。「ありえねえええええええ」
私は一時は総魔力約2700Gのうち現金が2400G(つまり土地はほとんどなし)という状態まで落ち込みましたが、それでも持ち前のスピードで連鎖を復旧させ、運良くレベル5を踏んでもらったり運良くレベル5の空き地(なんで空き地になったのかは忘れました)をコンジャラーで確保したりして、39ラウンド目に逃げるようにして城に駆け込んでようやく達成。
このブックでは全く想定していなかった醜い勝利です。こんなうさんくさい勝ち方をするはずではなかったのですが。
ちなみにゼファーさんに関しては、コーンフォークがギアに殴り倒される度に「グレアムは絶対そのブックに合わないですって」と突っ込まれていたことと、私のラントラをメズマして「トランプルシェイカーよりはむしろラントラシェイカーですか」と指摘されて憤慨していたことしか覚えていません。
・感想戦「ラントラブックにペリってどうなんですか」
「アイテムなしというのはいくらなんでも」
「リープ4枚もそんなに機能してましたかね」
「そのブックでメズマって何を取るんですか」
「つーかペリを使ってみたかっただけなんじゃないですか」『勝ったブックに文句つけんなああああああ!』
逆ギレ。
午後3時を回って、ついにKOMOさんが到着。前2試合で私が2勝したと知って感心するKOMOさん。
「なんというか、非常にうさんくさい2勝なんですが」
「いやあ、勝ってるということは強いということなんですよ」そうは言われましたが、自信作のラントラブックを薄汚い侵略ブックで汚されてしまった私の心は晴れませんでした。
・私の第3戦使用ブックコロッサス1 スチームギア3 ブラスアイドル4
オドラデク4 バジリスク1 ラクサス1
コーンフォーク4カタストロフィ3 コラプション1 スウォーム2
デザートストーム1 テンペスト2 ドレインマジック3
ヘイスト3 HWX4 マナ4 メズマライズ2
リンカネーション4 ワイルドグロース3
非常にわかりやすいオドラデク全滅型ブックです。
目標魔力を達成する気は全くなく、順番ゲー覚悟のブック構成になっています。
相変わらず侵略ブックはありえないと思っていたので、アイテムはなし。
なぜかインシネレートが入っていませんが、これは原型となったマルセス用アヌビテンペブックの名残で、単なる入れ忘れです。
「ブックはとりあえず3つ用意しよう」と考えてスパー直前に適当に組んだブックで、今回のスパーまで1度も回していません。
マルセスでアヌビテンペをやるよりは遥かに楽だと思っていましたし、基本は押さえたつもりなので調整の必要はないだろうと思いました。
・第3戦の試合展開ハーミットさんのブックはやはり水単侵略ブック。グレンデルとか入ってます。オドラなんて上げられるわけがありません。憂鬱です。
ゼファーさんのブックは第2戦のトランプルシェイカーを皆で意見を出して改良したものです。ただ、私を含めて今までこの中の誰もトランプルシェイカーでまともに勝てるブックを作れた試しがないので、改良と言ってもかなり怪しいものですが。
KOMOさんのブックはデモトレブック。なんですが、なぜかミルメコにクイックサンドまで入っています。アイテムのスカラベはわかるのですが。デモトレでありながらハメを狙うという、かなり異色の構成のようです。試合内容は、カタステンペに地震にチャリ侵略にコラプションと何をどうすればいいのか全くわからない展開です。
さらに中盤、ドレインマジックがサプレされました。当然誰もレベルを上げようとしません。もはやこの試合は全員が現金を抱えて周回を重ねるだけの、単なるスゴロクと化していました。
その間、私が偶然オドラ3連鎖を作ったりしてましたが、ハーミットさんのアマゾンの侵略を許してしまい、その後チャリオットからの連続侵略で2ラウンドで壊滅しました。クソゲーです。
こうしてひたすらハーミットさんのアマゾンがチャリオットで暴れ回る中、試合も終盤、最後の上げ合戦に突入。
私は地2連鎖でレベル5オドラを作りましたが、ゼファーさんの地震で転落、土地数で勝るハーミットさんの勝利かと思われました。
しかし最終ラウンドにゼファーさんがレベル4オドラに直撃、私がまたしてもうさんくさい逆転勝利を収めました。
なぜこの強運が仙台予選で発揮されなかったのでしょうか。ひたすらがっかりです。
・感想戦ひたすらアマゾンの強さが論じられました。
何しろこの試合、アマゾンが奪った魔力の合計は1000G以上はあるだろうと思われたのです。
さらに、アマゾンはバジリスクに続く第2のミルメコの天敵ではないかという意見も出ました。
通常、ミルメコを剥がすという行為は自分の損を覚悟でするものですが、アマゾンならば逆に魔力が得られるのです。それならばむしろ積極的にミルメコを剥がしにも行くというものです。
「アマゾンでミルメコを剥がしまくってソニックウェイブでドラゴンフライを一掃するのはどうか」という案すら出ました。たぶん誰も真剣に取り合っていなかったと思いますが。また、チャリオットの強さもクローズアップされました。
私は揚羽で侵略ブックはありえないと思っていたのですが、チャリオットを導入すればかなり実戦レベルで使えるブックになるようです。
さらにブラス環境だと、チャリオットがブックに復帰してもブックの回転が遅くなるデメリットが軽減されるため、一層チャリオットが凶悪になることも新たな発見でした。
「チャリオットは開幕でサプレすべし」という新定石(?)が生まれたのはこのときです。
最後にこの日のスパーで強かったブック・戦法について論じられましたが、現時点では私のオーロラブックが最強ではないかという、非常に疑わしい結論が出ました。あんなブックがそこまで強いとは思っていなかったのですが。「じゃあ、とりあえずオーロラブックが本選メタの筆頭ということで。ハーミットさんはこれに勝てるブックを組んでください。これに勝てないようじゃ本選でも勝てませんので」
「本当ですか」