2.スキーの種類と用具


(1)歩くスキー

 歩くスキーは、競技用クロカンスキーよりも少し幅広なのが特徴です。長さは身長より20〜25cm程度長いものがよいと言われています。滑走面をトップからテールまでおおまかに3分割すると、トップ側3分の1およびテール側3分の1をグライド・ゾーンと呼び、雪質に合った滑りやすいパラフィン系ワックスを塗ります。中央部の約3分の1をグリップ・ゾーンと呼び、キックによる推進力を得るため雪面をしっかり捉える(グリップあるいはキャッチ)部分です。このグリップの仕方で、次の2種類のスキーが存在します。

・ワックス・タイプ

 滑走面はそのものはグライド・ゾーンとまったく同じ。滑走面や側面にグリップ・ゾーンを示す表示が付いているものが多い。ここには雪質にあったグリップ・ワックスを塗ることになります。このワックスは、雪をつかむ(滑り止め)機能を生み出すワックスで、滑りを生み出すパラフィン系ワックスとは全く別のものです。決してグリップ・ゾーンにパラフィン系ワックスを塗ってはいけません。手間はかかりますが、このグリップワックスの選択の難しさが、クロスカントリースキーの奥深さ、おもしろさを演出していると言っても過言ではありません。

・ノーワックス・タイプ

 グリップ・ゾーンにウロコ状のギザギザがあり、これが滑り止め効果を生み出すタイプのものです。グリップ・ゾーンにワックスを塗る必要がないことから、ワックスタイプより扱い易いという特徴があります。そのため、最近はこのタイプが多いようです。グライド・ゾーンはワックス・タイプと同様で、パラフィン系ワックスを塗る必要があります。

 1組のスキーの滑走面を合わせると分かるように、スキー板は弓のように反っています。この反りをベンドと言います。歩くスキーは、次に説明するクラシカル用競技スキーより柔らかいベンドの作りとなっているのが普通です。平らな床面でスキーを履き、片足に全体重を乗せた時に、ベンドが強すぎる(固すぎる)ためグリップ・ゾーン全体が床面から十分浮いているようなスキーは、決して買ってはいけません。歩くスキーの場合こだわる必要はないとは思いますが、理想的には、床面上で片足に全体重を乗せて立った時、グリップ・ゾーンと床面の間にハガキ1枚程度の間隙があるベンドの強さ(固さ)が基本とされています。グリップ・ゾーンの長さは、体重や技術力によって変わりますので、購入の際には詳しい人に相談するのが一番です。キック力の強い上級者ほど、グリップ・ゾーンは短くなります。

b.ビンディングと靴

 歩くスキー用のビンディングと靴があり、ワックス、ノーワックスのスキータイプによる違いはありません。このビンディングと靴はセットと思った方がよいでしょう。当たり前ですが、靴の中で足が遊ぶほど大きいもの、履いているときつくて痛くなるようなものはダメです。店員さんとよく相談の上、試し履きをしてから選ぶのがよいでしょう。

c.ストック

 身長−25〜30cmが適当と言われています。初級者は短め、上級者は長めということになります。歩くスキー用として店頭に並んでいますので、グリップのなじみ、重さ(軽さ)、バランスなど手にとって確かめてから選びましょう。


(2005年 1月 29日 (土)更新)
「BACK」はブラウザの履歴で戻ります。