2.スキーの種類と用具


(2)競技用クロスカントリースキー

 全日本スキー連盟の規則「クロスカントリー競技」に走法、コース設定、競技運営、ルールなどについて規定されています。機会があれば、一読しておくのもよいでしょう。一方、「クロスカントリースキー競技用具規則」にスキーの長さ、幅、トップやテールの形、重量、ビンディング、靴、ストック(ポール)などが規定されていますが、こちらは市販品であれば気にすることはありません。

a.スキー

・クラシカル用

 弓状に反っていて(ベンド)、トップ部とテール部のグライド・ゾーンと中央部はグリップ・ゾーン(センターから前に25〜30cm、後ろに20〜25cm程度)となります。グライド・ゾーンには、滑走性を向上させるパラフィン系ワックスを、グリップ・ゾーンにはキック力を推進力として伝えるため雪面との摩擦抵抗が大きくなるようなグリップワックスを塗ります。
 
クラシカル用スキー選びで一番肝心なのは、自分に合ったベンドの固さのスキーを見つけることです。平らな床面の上でスキーを履き、片足に全体重を乗せた時、グライド・ゾーンは床面にぴったりと接し、グリップ・ゾーンと床面の間はハガキ1枚が動く程度の間隙があるのがよいそうです。さらにキック時にはこのグリップ・ゾーンが雪面を捉えるようなベンドの固さが理想的と言われています。このように2段階のベンド(ダブルベンド)を持つことがクラシカル・スキーの特徴で、歩くスキーと大きく変わるものではありません。
 グリップ・ゾーンの位置は、スキーのセンターから前に25〜30cm、後ろに20〜25cm程度が標準的です。キック力の弱い初級・中級者は比較的ベンドの柔らかいスキーを選ぶのがよいとされています。すなわち、片足でスキーを履いて立った時、滑走面と床面とにハガキ1枚程度の間隙の範囲が標準(センターから前に25〜30cm、後ろに20〜25cm程度)より狭くなるものです。グリップ・ゾーンをどの範囲に設定するかは、体重、技術力、キック力との兼ね合いで決まります。
 スキーの長さは、身長+25〜30cmが基本。レベルが上がれば、グライド・ゾーンの長く取れる長いスキーを選ぶのが一般的です。

・スケーティング用

 スキーの長さは身長+15〜20cmが基本です。クラシカル・スキーのダブルベンドと違い、スケーティング・スキーはシングルベンドです。滑走面どうしを合わせた1組のスキーの中央部を強く押すと、2枚のスキーの滑走面がぴったりと付くはずです。これがシングルベンドです。キック+ストックの突き放し+ベンドの反発力が推進力を生み出すのです。ベンドのかけ方がメーカによって異なるので、専門店で試すなどして選ぶのがよいでしょう。
 このスキーは滑走面全面がグライド・ゾーンです。そこで、滑走性を高めるために雪質にあったパラフィン系ワックスを塗ります。

b.ビンディングと靴

 ビンディングにより、靴はつま先のみでスキーに固定されます。踏み込んだ時、靴のソール部が横にぶれないように、ビンディング・プレートが設計されています。靴底が柔らかいクラシカル用靴では、ビンディングで固定した状態でも、足首を上下に大きく自由に動かすことができるのに対し、靴底が幾分堅いスケーティング用靴では、ビンディングで固定した状態で、足首の可動範囲がクラシカル用靴より押さえられており、その結果スケーティングの操作性が高まるように設計されています。
 靴のソール部とビンディング・プレートの組み合わせがあるので、購入する時には、確認が必要です。

c.ストック

 体力、技術力に合ったものを選ぶ必要があります。四つ足のスポーツである「クロスカントリースキー」において、ストックはとても重要な用具と認識しなければなりません。軽さを追求するとカーボンファイバー製となりますが、高価ですし、横方向の力が加わると簡単に折れます。実力と資金を天秤に掛けて考えましょう。

クラシカル:身長×0.81〜0.83位が目安。
スケーティング:身長×0.87〜0.89位が目安。


(2009年 4月 4日 (土)更新)
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