3.チューンナップ&ワクシング・テクニック


(1)グライドゾーンの工程

c.初期のベースワックス処理

[説 明]
 チューンナップ処理の終わったスキーに対し、ワックスを十分浸透させる環境作りのステップが、この「初期のベースワックス処理」です。いかに柔らかい(=低融点)ワックスから順に、固い(=高融点)ワックスまで、滑走面にたっぷり浸透させるかがキーです。1シーズンを通して、楽しく快適にスキーを滑らせるためには、シーズンインの前までにこのプロセスを終了させましょう。

工     程
概          要
備   考
5. スクレーピング  スクレーパーシャープナーやサンドペーパーなどで、直角に目立てをしておいたアクリル製のプレキシスクレーパーで、滑走面のワックスをトップからテールに向かい、削り取っていきます。力を入れすぎると滑走面を痛めてしまうので、適度の力で何度かに分け、徐々に削り取っていきます。
 ワックスが固まる前に、サイドにたれたワックスはマルチスクレーパーで、溝のワックスはグルーブスクレーパーあるいはマルチスクレーパーで削り取ります。
・プレキシスクレーパーには、たわみの少ない厚めのものが良いです。
・薄くワックスが残っている程度(7、8割程度のワックスを削り取る)のスクレーピングで良いと思います。削り取ったワックスに黒い削りカスが混じっているようであれば、それは滑走面を削っています(滑走面が黒色の場合)。
6. ブラッシング  ブロンズブラシ(続いてブロンズブラシ・中ミックスブラシ)を使い、トップからテールに向かい滑走面に残ったワックスを掻き出します。滑走面に光沢がでるまでブラッシングしてください。
 
・滑走面にワックスが残っていると、そこは光の加減でくすんだ感じに見えます。色々と角度を変え、滑走面を観察してみてください。すぐに違いがわかるようになります。
・ワクシング、スクレーピング、ブラッシングを繰り返すことで、ストラクチャーの微細な溝角に丸みができ、滑走抵抗を減らすことができます。
・使うブラシの順の基本は、「毛先が太く・固い→細く・柔らかい」です。同じ名称のブラシでもメーカによって、太さ・固さが違うので、できるだけ同じメーカのブラシで揃えるのが良いと思います。
・私は、SWIXでブロンズ→ブロンズ中→ミックス→(ボアブラシ→)ナイロン→馬毛→ナイロンポリッシュの順に使っています。
7. サンディング  研磨剤の入っているファイバーテックス(粗→細)で、滑走面の毛羽をサンディングします。
 ワックスの種類を変えたり、次工程のベースワックス工程に移行する時には、引き続いてトップからテールに向かいミックスブラシ(ボアブラシ)→ナイロンブラシで、ストラクチャー内に残るワックスを掻き出し、研磨剤の入っていないファイバーテックス(ポリッシュ)で仕上げます。
 
8. ホットワクシング  選んだワックスが煙を立てることなく、スムーズに溶ける温度にアイロンを暖めます。ワックスをアイロンに押し当て、溶けだしたワックスを滑走面の溝を挟み、両サイドに滴らせます。
 アイロンを滑走面に押し当て、
ワックスを液状に溶かし、均等に伸ばしていきます。このときアイロンを一カ所で止めたり、局所的に熱がこもってしまうことのないように(特にトップ、テール部の厚みの薄いところ)、アイロンを動かします。
 最初に選ぶワックスは、一番柔らかいワックス(TOKOならワールドロペット・イエロー、SWIXならCH10)です。ワックスが白く固まる前に、サイドにたれたワックスはマルチスクレーパーで、溝のワックスはグルーブスクレーパーあるいはマルチスクレーパーで削り取ります。
 滑走面のスクレーピングは、ホットワクシング後室温で1時間以上冷やしてから行います。
・滑走面の融点は約130℃とのことです。滑走面がこの温度に達することのないよう、細心の注意が必要です。
・アイロンで滑走面を加熱すると、滑走面の組織に隙間ができ、ワックスが浸透しだします。
・アイロンの角を、滑走面上で滑らせるようにすると、滑走面にワックスを垂らしやすいようです。
・ワックスの吸収能力を高めるよう、柔らかいワックス(低温用)から徐々に固いワックス(高温用)をアイロニングしていきます。
・ワックスをミックスする場合、例えばイエロー:ブルー=1:1ではイエローとブルー各1本ずつをしっかり握り、均等に2本ともアイロンで溶かしながら滴らせていきます。
5→6→7→8→
スクレーピング→ブラッシング→サンディング→ホットワクシング→
 柔らかいワックスから順々に固い(高融点)ワックスをワクシングしていきます。TOKOの場合、ワールドロペット イエロー→レッド→イエロー:ブルー=1:1SWIXの場合では、CH10→CH8→CH7→CH6といった具合です。
 それぞれのワックスに対し、ホットワクシング→スクレーピング→ブラッシング→サンディング→ホットワクシングのサイクルを数回から10回程度行います(柔らかいワックスを多めに)。
・シーズン前、1ヶ月程度をかけ、この「初期のベースワックス処理」を行います。


(2005年 1月 29日 (土)更新)
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