3.チューンナップ&ワクシング・テクニック |
(1)グライドゾーンの工程 |
f.滑走後の処理とホットワックスクリーニング
[説 明]
滑走後も次回に備え、手を抜かずに手入れしましょう。そして次シーズンに備えましょう。
滑走後の基本処理
工 程
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概 要
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備 考
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19. ホットワクシング | 一番柔らかいワックス(TOKOならワールドロペット・イエロー、SWIXならCH10)が煙を立てることなく、スムーズに溶ける温度にアイロンを暖めます。ワックスをアイロンに押し当て、溶けだしたワックスを滑走面の溝を挟み、両サイドに滴らせます。 アイロンを滑走面に押し当て、ワックスを液状に溶かし、均等にサァーと伸ばしていきます。このときアイロンを一カ所で止めたり、局所的に熱がこもってしまうことのないように(特にトップ、テール部の厚みの薄いところ)、アイロンを動かします。 1分程度置いて、汚れが浮き出てきてから、スクレーピングを行います。 |
・これまでのホットワクシングでは滑走面にワックスを浸透させるのが目的でしたが、ここでは汚れを浮き出させるのが目的です。 ・従って、アイロニングも、ワックスを液状に、均等にサァーと伸ばす程度で良いと思います。 |
20. スクレーピング | スクレーパーシャープナーやサンドペーパーなどで、直角に目立てしたアクリル製のプレキシスクレーパーで、汚れの浮き出たまだ柔らかいワックスをトップからテールに向かい、軽くサァーと削り取っていきます。 サイドにたれたワックスは、マルチスクレーパーで、溝はグルーブスクレーパーあるいはマルチスクレーパーで削り取ります。 汚れがひどい場合は、ホットワクシング、スクレーピングを繰り返します。 |
・力を入れすぎると滑走面を痛めてしまうので、注意してください。 |
--. ブラッシング | ブロンズブラシ(続いてブロンズブラシ・中)を使い、トップからテールに向かい滑走面、ストラクチャー内部に残ったワックスを掻き出します。滑走面に光沢がでるまでブラッシングしてください。 次に、ボアブラシ(ミックスブラシ)→ナイロンブラシを数回ずつかけ、細かいストラクチャー内のワックスを全て掻き出します。 シーズン中であれば「ベースワックス工程」へ進みます。 |
・滑走面にワックスが残っていると、そこは光の加減でくすんだ感じに見えます。色々と角度を変え、滑走面を観察してみてください。すぐに違いがわかるようになります。 ・(SWIXの場合)ブロンズブラシ(・中)でストラクチャー内のワックスを大まかに掻き出し、ミックスブラシ(ボアブラシ)、ナイロンブラシの順に毛先の細いブラシで残ったワックスを掻き出すイメージです。 |
--. ストラクチャー加工・ホットワクシング | シーズン終了後であれば、滑走面の酸化防止を目的に、ホットワクシングを行います。 選択したワックス(TOKOならワールドロペット・イエローとレッドを1:1)が煙を立てることなく、スムーズに溶ける温度にアイロンを暖めます。ワックスをアイロンに押し当て、溶けだしたワックスを滑走面の溝を挟み、両サイドに滴らせます。 滑走面にアイロンを押し当て、ワックスを液状に溶かし、均等に伸ばしていきます。このときアイロンを一カ所で止めたり、局所的に熱がこもってしまうことのないように(特にトップ、テール部の厚みの薄いところ)、アイロを動かします。 ストラクチャー加工のタイミングとして、シーズン終了時が良いと思います。 |
・滑走面の融点は約130℃とのことです。滑走面がこの温度に達することのないよう、細心の注意が必要です。 ・アイロンで滑走面を加熱すると、滑走面の組織に隙間ができ、ワックスが浸透しだします。 ・アイロンの角を、滑走面上で滑らせるようにすると、滑走面にワックスを垂らしやすいようです。 ・ストラクチャー加工の詳細はこちら。 |
--. 保 管 | 高温多湿を避け、荷重をかけないように、来シーズンまで保管します。次シーズンは、チューンナップ工程から始めます。 | ・長期保管中にワックスの酸化劣化が進みますので、万全を期すには2、3ヶ月ごとにホットワクシング、スクレーピング・ブラッシングを行う方が良いかも知れません。 |
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