運動強度と比例(下図参照)する酸素摂取量(VO2)をトレーニング強度の指標とすることが可能です。しかし、心拍数指標の場合と同様、最大酸素摂取量(VO2max)に対する相対強度である酸素摂取水準(%VO2max)のほうが使い勝手の良い指標です。一方、「1分間に摂取できる酸素量の最大値」(通常体重1kg当たり)である最大酸素摂取量(VO2max)は持久的能力を表す有力な指標とされています。VO2max は、呼気ガス分析器(換気量、呼吸数、酸素濃度・二酸化炭素濃度)を用いた大がかりな測定から求められます。
八田秀雄、エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング、講談社、2004.
12分間にどれだけの距離を走れたかによって、最大酸素摂取量を推定する方法です。
トレッドミルや自転車エルゴメータなどを用い、VO2max を推定する方法です。原理は次のとおりです。まず、心拍数と運動負荷の関係を直線とみなし、次に3段階程度の運動負荷時の心拍数測定から、年齢などを基に推定した最大心拍数時の運動負荷(最大運動負荷)を求めます。あらかじめ分かっている運動負荷と酸素摂取量の関係を示す次式から、最大運動負荷を変換し、最大酸素摂取量(VO2max)を推定します。
ランニング中の平均スピードと心拍数の関係、あるいは酸素摂取量と心拍数の関係から、作図的に最大酸素摂取量(VO2max)を推定しようとするものです。データは、一定スピードでランニング(トレッドミル走)を開始後、4分目から5分目の間の1分間の平均心拍数(あるいは酸素摂取量)の測定から得ます。
山地啓司、運動処方のための心拍数の科学、大修館書店、1994.