スケーティング走法

ラピッドスケーティングとクイックスケーティングの相違点

2キック、1ダブルポールの両テクニックは、似てはいても同じテクニックではありません。私も、クロスカントリースキーを始めた頃は区別がつきませんでした。コースに出ると、時々クイックに近いラピッドスケーティングという不思議なテクニックを見かけます。違いを理解し、地形や状況によってしっかり使い分けすることが、上達に欠かせません。両テクニックの相違点について、以下に解説します。

動作のタイミング

ラピッドスケーティングの動作は、 繰り返しますが、

クイックスケーティングでは、ポールを突くタイミングと支え脚側のスキーの着雪のタイミングが同時であるのに対し、ラピッドスケーティングではパッシブグライドの後、そして次の支え脚の着雪前のタイミングでポールを突きます。

 

ポーリング時のグリップの位置

ラピッドスケーティングでは、ダブルポールテクニックと同様の雪面キャッチとなるため、左右のグリップ高さは同じであるのに対し、クイックスケーティングではポールを突くのと同時に着地する支え脚側のグリップ位置が高くなります(ポールを立てて突く)。反対側のポールは、雪面をサイドキックしているスキー(キック脚)を避けるように傾けて斜め後方に突くため、グリップの高さは、支え脚側より低くなります。また水平方向では、支え脚側グリップより、内側(体の中心方向)となります。この左右のアンバランスなポール動作は、カヌーでのパドル動作に似ていることから、欧米ではクイックスケーティングをパドルダンススケーティングとも呼んでいます。